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万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

「褪色水綿棒の術」F4U-1コルセア-7

褪色表現のため水に浸して柔らかくした綿棒を手に持ったはいいが、最初の一手がなかなか踏ん切りがつかないでいる。

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……コオロギよ、恐れる事はない。お前の内なる魂に刻まれた実機写真の褪色具合を思い浮かべるのだ。心の感じるままに無用なものを洗い流せば、真のコルセアが現れるだろう。

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… そうか。テキトーに、心の感じるままに褪色させていこう。

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格子状のスレハゲは先を斜めにカットした爪楊枝などを使う。キコキコやってるうちにプラ地が出て光ってしまうので、極薄シーブルーの筆でさっとひと撫でしてドライヤーをかけて誤魔化す。

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アクセスパネルや可動部なども爪楊枝を使ってエッジを剥がしてみる。

自分も以前はパネルラインに沿ってシャドウを吹き付ける、という褪色表現をよくやっていたが、なんとなくCGみたいだと常々思っていた。場所によっては逆の方が実感が出るのではないだろうか。

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さらに内翼に雨だれの跡をつけてみたり、

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、、、カウリングに調子をつけてみたり。しかしこのハゲチョロ工程が無性に面白いのは何故なんだろう? 

こうなると平板かつ単調なインターミディエイトブルーが見劣りするように思えてきた。
これじゃあカッコ悪いからイエローで抑えてやろう。

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……ホー先生、難しくてうまくできません。ウエザリングマスターと違ってガッシュでは黄色が粉っぽく残ってしまうのです。

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……ムクドリは自分の羽が茶色だからといって恥じたりするだろうか?ありのままの姿で良いのだ。

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うんまあ、埃汚れに見えないこともないか……下面にオイル汚れ跡などを加えて……

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胴体など褪色してない部分に極薄ネイビーブルーを重ねてメリハリをつける。

次は懸案の国籍マーク。無心で

 

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「ブルーマントの海賊王」F4U-1コルセア-6

上面色上塗り

塗膜の乾燥を待って上塗り。

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やや濃い目のガッシュでシーブルーの発色具合をみながら均一に塗りつぶす。
…ホウ先生、せっかくいい味が出たムラをなぜノッペリとならしてしまうのですか?
…コオロギよ、埋めた石は後で掘り出せば良い。"味"とはお前の心の中にこそ存在するのだ。

 

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迷彩塗り分け

零戦と違う所はもう一つあってそれは上面二色の迷彩塗装だ。自分はこの極薄ガッシュ重ねで下地のグレーを透過させることによって質感や褪色ムラの表現をしている。なので通常の塗装の様にマスキングして塗り重ねると具合が悪い。 

前回の零戦52型の時は国籍マーク部分を塗り残したのだが,結果的に境界が汚くなってしまった。

sigdesig.hatenablog.com

そこで上面色で一旦全体を塗りつぶし、薄めたマジックリンを浸した綿棒で塗りわけする場所のシーブルーを落として白く抜く。その後、下地のタミヤ アクリルのダークシーグレーからやり直し。極薄ガッシュのインターミディエイトブルーを重ねていく。ここは手間がかかる

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インターミディエイトブルー部分がなんだか平板な仕上がりとなってしまった。あまり下地が透過してくれなかったようでこれは明度差が少な過ぎたか。やり直した部分のシーグレーはホワイトを加えるなどして下地の明度を上げるべきだったかもしれない。ま、次のお楽しみが増えた、と思っておこう。

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主翼下面色。塗り分けはパネルラインに沿っていたので楽だったが……

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カウリング周りの塗り分け。境界線のコントロールが難しい。幸い今回は米海軍のトライカラーなので同系色同士で境界線はあまり目立たず助かった。特に胴体はうまい具合に馬鹿でかい国籍マークで隠れてくれた。

しかし例えばP-40やスピットファイアみたいな雲形迷彩ではどうするか……フリーハンドの腕前はそう易々とは上がりはせん……今後の課題でごわはんど。


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筋骨隆々のアスリートみたいなコルセアらしさが出てきて嬉しい。コルセアの最大の魅力はこの逆ガル翼だ。艦上戦闘機としては最大のネックになったのだが…

ともあれこれで極薄ガッシュの基本塗装は一応終了。この後はお楽しみの剥離による褪色表現。

 

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「逆さカモメの碧き翼 」F4U-1コルセア-5

国籍マークの方針が決まったので前回の零戦52同様、極薄ガッシュを重ねていく。

上面色 中塗り

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平筆を使ってパネルごとにシーブルーを乗せる。

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筆はパネルラインで止め、余った絵の具をスジボリに流し込む様な感じでやっている。
最初のうちは絵具が流れやすく、母なる地球の引力によって下に溜まる。なので早めにドライヤーをかけている。ドライヤーの温風をあてるとみるみるうちに、といった感じで絵具が乾いていく。絵具溜まりが出来そうになったらただちにドライヤーを止める。

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面白がって「乾け乾け!もっと乾くのじゃーウワハハハー」などと熱風をあて続けると……

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絵具溜まりがそのまま色濃く残って固まってしまう(エルロンの横)
これは放置すれば禍根を残す。

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いったんマジックリンで落として…

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下地からやり直す。
この「やり直す勇気」がなかなか出せない自分なのだが……

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3回目位から絵具を薄めていく。塗膜ができているので絵具のノリが良く、かつ乾燥が遅くなってくるので薄くても流れない。絵具溜まりも最初ほど神経質にならなくても自然にうまく馴染む。

水平尾翼、片方の主翼、胴体、とブロックごとに塗っていくと、次のブロックを塗り終わった頃には前のブロックが乾燥しかかっている。なのでドライヤーは遠くからごく軽く、乾燥をうながす程度でいい。

成長するにつれ段々と手がかからなくなってくるのが子供みたいで面白い。

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このあたりから脳内のコルセアのイメージを辿りつつ褪色のメリハリを考えて塗っていく。バランスを見ながら少しづつ部分的に塗り重ねる。手がかからなくなる分、頭を使うことになっていくのも子育てに似ている、とこれは牽強付会か。

今回は全て平筆でパネル内はフラットめに塗る。零戦52型の時は「筆ムラ上等!」とばかりに面相筆で細かくタッチを残すように塗っていたが、あれは東洋の小国のイナカっぺ飛行機特有の外板ヨレヨレ表現のためだ。コルセアは褪色はしているがパネルはビシーッと揃ってリベット跡すらない。アメリカの工業力の恐ろしさを骨のズイまで味わうのだ。

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いい感じになってきたがここで筆を置き、一晩二晩待つ。


……老師、なぜ一気に塗ってしまわないのですか?
……ムラを残しておくことこそが肝要じゃ。よいかコオロギ、もっと奥底を見つめるのだ。

 

  

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「星の秘密練習」F4U-1コルセア-4

まずサンボルのオッチャンで国籍マークを試し切り、じゃなかった試し塗り。手打ち、じゃなかった手描きにトライ。前回の零戦52型では円をコンパスで罫書いたが細い黒縁が上手く塗れず苦心惨憺。結局フチのみデカールを貼ったという経緯はコチラ。

sigdesig.hatenablog.com

今回はカラスグチを使って円を描いてみよう。

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これはヤラセ写真や!円描いた後にカラスグチあててシャッター押しよったんワシ見とってン。悪いやっちゃ!

ワカリヤスイ ヨウニ エンシュツ デス…

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ちょっと塗料を付けすぎたけれど、円自体はまんまるに描けました。

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中を塗りつぶす。日の丸ならこれでOKだし白縁付きでもいけそうな予感。ただ今回はアメちゃんのド派手な脳天気マークだからこの真ん中に白星を描かなくてはならない。星……はて”星”ってどうやって描けばいいんだ???

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[設問 1 ] 円に内接する正五角形の描き方を述べよ。

[解答欄] …???……ウキーッ!

あわててwikipediaで調べてなんとか五芒星をケガいた。便利な世の中だ。20年くらい前ならサル頭抱えて書店で算数の参考書を立ち読みしなければならない所だった。…「力の5000題」か「自由自在」か…

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コンパスの痕をタッチアップしたら塗膜が既にコテコテに……

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試練の道だな…f:id:sigdesig:20200427162338j:plain

そこを行くのが男のど根性…

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王者の印の星を掴むまで…

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血の汗流せ、涙を拭くな…

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征け、征け、ブログ主、どんと征け…

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ジャーン……

……ジャーンはいいけどよく見るとイビツ&ヨレヨレだ。ついでに言えば星と袖の位置関係も間違えてるが、これは頭が悪い伴宙太、じゃなかった製作者のせいで次回からは改善可能。問題は星飛雄馬じゃなかった星の罫書きの方。

模型の主翼にイチイチ円に内接する正五角形は…なんてやってられない。表面がコンパスの跡で傷だらけになるし、微妙に歪む。主翼でこれなら胴体はもっとメロメロになるだろうことは零戦52型の経験から見ても明白アストリンゼンだ。

以上の様な現実を受け入れ、ゼロ同様手描き+デカールのハイブリッド法でいくことに決定。先に適当に白を塗っておき、あらかじめ白部分を切り抜いた星&袖デカールを上から貼り付けるだけ。クックパッド人気No1間違いなしの簡単レシピ!

 

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「南海の褪色王」F4U-1コルセア-3

概略イメージ

塗装に先立って実機がどの様な褪色をしているか、およその傾向を資料本やネットの写真を見て掴んでおく。

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南洋の強烈な陽光に曝されて、主に主翼水平尾翼が褪色し、なかでも羽布張りの部分が白っぽくなっている。

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ええ羽布張り?

そう、初期のコルセアは軽量化の為に主翼にも羽布張りの部分が存在する。羽布張りといってもハリケーンみたいに旧態依然のものとは少し違ってバルサ材の合板に羽布を張ったものらしい。5トン超の全備重量の機体でこんなミミッチイ軽量化をするのは体重100Kgのライダーがバイクのフェンダーをカーボン製に交換するようなもので効果は疑わしい。何か他の理由、例えば翼内小型爆弾倉のからみなどだろうか?

主翼の内翼部前方には褪色に加えてスレハゲが多くの機体に見られる。おそらく整備の時に皆ここに足を乗せたのだろう。

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ヘイ、ジョー、オイルはどうだ?
ああ、しっかり漏れてるぜ。オイルはまだあるってことだな。
…いやカワサキじゃねえんだから…

……という整備中の風景。(ウソコケ)

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主翼に比べると胴体は綺麗だ。(塗り直されているのかもしれないが)初期のバードケージタイプでは操縦席前のタンクからのガソリン漏れで機首周辺が異常に汚れている機体が多い。そこでF4U-1aではシールテープが貼られるようになった。コクピット前に引かれた白線がそのテープ。別に「このラインからフリースローを打て」と言ってるわけではない

この辺でだいたいのところは掴めた感じだ。塗る段になってイチイチ写真と首っ引きでチマチマやるのは性に合わない。手が縮こまってなんとも辛気臭い作品になってしまう。それはまあ”寸分たがわず実機通り”なのは模型としては優等生なのだろうが、そこは自分の目指す山とは別の山

だからこうして頭の中に「南海の褪色王コルセア」のイメージをしっかり作り、それに従って自由に筆をふるいたい。自由に、といってもこうした汚れ方の理屈をよく踏まえた上でのこと。なーんも考えんとノンベンダラリイと絵具を乗せるのが自由やあれしまへんえ。

機種選定

タミヤの指定はトライカラーだとジョリーロジャースのケプフォード機。これは懐かしのレベル1/32の素晴らしい箱絵の機体。ご幼少のみぎりに近くの商店街の「ABC模型」の上の方の棚に鎮座していたのを憧れの眼差しで眺めていたものだ。(コイツの隣には「長っ鼻のドーラ」があった)

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しかし有名すぎて少々食傷気味でもある。米海軍(&マリンコ-)の機番は大きくステンシルっぽい字体なのでデカールを使わずとも手書きできるだろう。ならばとエース機ではなくマイナーを狙ってしまうのはもっぱらブログ主のエリート嫌いと生来の天邪鬼のせいだ。

その実は前述の通り自由に筆をふるうためもある。有名機をイイ加減に作ったりすると粍御宅様から「実機写真と違う!」「こんなのなかった!」「ウソ!間違い!オタンコナス!」 などとMG42の前にノコノコ出てきた米兵のごとく蜂の巣にされてしまう。かといって架空の機番では自分の中のスケールモデラー気質がいまいち盛り上がってくれない。

そこで……

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ケプフォードの僚機の3番。

……また微妙〜なところを…… 

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下塗りはタミヤアクリル、たまたま手近にあったダークシーグレー。ガッシュに慣れるとタミヤアクリルでも臭く感じる。目指せ「無臭お茶の間モデリング

マーキング罫書き

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デカールをコピーしてその上に透明PPテープを貼ったものを台紙にする。上から細切りマスキングテープで機番を作る。

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最初はこの機番のマスキングテープを直接貼ろうとしたのだが、位置決め、やり直しが難しく、ヨレてしまってムキーッ!となる。待て待て、もっといい方法がないか考えてみよう。ホモ・サピエンス」とは「考えるヒトという意味だ。

もう一度コピーデカール上に機番を作り、その上からセロテープでカバー。セロテープを機番ごと台紙からはがしてキット上に貼り直してみた。上手くいって大喜び、ウッホウホ。

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セロテープの上から極薄刃のナイフでなぞって罫書き。失敗は許されない。文字通り息を殺して……

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ケガけたらマスキングを剥がして軽くペーパーでさらってやる。

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フリースローライン(?)もマスキング。普通の塗装方法ならこのまま塗り重ねればいいのだろうが、この後シャバシャバのアクリル塗料を何層も重ねるのでどうしても滲んでエッジがカピカピになってしまう。(実験済み)キャノピーのマスキングでも同じことが言えるのだが、こちらは透明部分を後からマジックリンやシンナーで拭けば問題ない。

 

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ラインもケガキ終了。直線なら定規もあてられるから、マアどうということはない。しかし国籍マークは左様な訳にもいかん。鉄十字ならともかくも、円や星を含んだメリケン印で一発勝負のケガキは拙者ちと自信がござらぬ。あとで”サンボルの金さん”とかいう遊び人で試し斬りいたすとしよう。

下面塗装

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ガッシュで作ったインシグニアホワイト。思ったよりも隠蔽力が低くて一瞬焦る。

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気長に塗り重ねていく。の〜んびり行こうよ〜俺たちは〜…

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下面をマスキングしないのは前述の滲み問題もあるが塗膜の弱いガッシュがはがれてしまうのを恐れてのこと。前回の零戦52型では上面色が下面に飛び散ったりしてムキーッ!となっていた。今回は少々飛び散っても水でも落とせる様に下面色をファレホのマットバーニッシュ+ペインティングメディウムでコートしておこう。こうやって少しづつ知恵をつけて進歩していくのである。ホモ・サピエンス」とは「知恵あるヒト」という意味だ……ウキ?

 

 

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「海賊、塗装前夜」F4U-1コルセア-2

もうほぼほぼ組み上がっているコルセア

下準備

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軽くパテ埋め(無臭モデリングのために溶きパテがわりにジェッソを使ってみた)尾翼とキャノピーを付ける。

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風防と胴体の隙間にもブラックジェッソ水性無臭なので環境にも家庭にも優しい、、、のだがやや粒子が粗くてモロく、使い勝手は今ひとつ。ファレホの水性パテが良さそうだが例によって入手しにくくお財布に優しくない。なんでそんなに高いのか。ファレホはスペインから帆船で運んでいるからか?

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士の字出来上がり。このまま色を塗れるには塗れるが、なんだか食い足りない。自分で作ったという実感があまりわかないのだ。ただ単に色を塗るだけでイイならデアゴスティーニかなんかのオマケや食玩でも事足りる。やはり自分で組み立ててこそプラモデルだ……いやマァこれも過去の自分が組み立てたのには違いないのだが……

そこでディティルアップできるところはないものかと見回すが、そこはさすがは世界のタミヤ模型はん、そもそものキットが精密至極でワテみたいな鈍なモデラーが手ぇ入れるとこなんかあらしまへん。ほなリベットでも打っとこー、と思ったがコルセアは実機写真ではほとんどリベットが見えない。外板はスポット溶接が多用されていたとのことである。さすがは工業大国アメリカ製品。

それでもヘビィボックスコーナーをつつき回すと、、、

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排気管が輪投げの輪みたいなのを発見!

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舌なめずりをしつつドリルで穴を開けてやる。最初から斜めに穴を開けようとしてもスベッてうまくいかない。まず奥側にドリルを立てて段々と斜めに寝かせていくといい感じになってくれた。内部がテカってるのは流し込み接着剤。ネットでみた削り跡の簡単な処理方法、というか、やや手荒な手口。

さらに尾輪。

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ちょっと野暮ったい。

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ステーを取って重量軽減孔を開ける。こういうところにも流し込み接着剤を軽〜くお見舞いするといい感じにトロけて「金属で出来てまんのやー」感がでる。プラの材質によってはワヤになるのでランナーの端などで試して感触を掴んでおくのが良い子のお約束。

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ステーは真鍮線で表現。あまり目立つところではないが、F4U-1aの後期はこの伸びた尾輪が特徴だからそれを強調する意味、というか普段はこんな事はあまりしない。

実機における尾輪延長は極悪な前方視界を少しでも良くするためと3点着陸時の迎角を減らす処置だろう。それでも着艦は至難で下手をすると……

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ウアッチャー…

いやまあ、難儀な飛行機ですワ。そこが魅力だったりするのだけれど。

トライカラー

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Mrカラーをもとにガッシュで調色。こうやって使った絵の具を並べて画像に残しておくとまた新たに作るときに便利、と気づく。脳よりハードディスク、だ。ただし比率は経験と勘が頼りでこの辺はアナログを脱しきれていない。

ガッシュは調色すると「白」と「黒」の影響が強くでる

調色用のランプブラックやミキシングホワイトを使うのだがそれでもMrカラーとは感覚が随分違う。

では例によってサンボルのおっちゃんで試し塗り。

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おーコルの兄ーやん、久しぶりやなー。どないや景気は。

ようサンボルの。どうもこうもねえよ。ヘルキャットの野郎、後から来ておいしいとこ全部さらっちまいやがんの。こちとら空母から降ろされてマリンコ乗っけて地上攻撃よ。

ワシもやがな。毎日爆弾抱えてドサまわりしよんねんで。まーったくムスタングのボケが、あのガキゃアリソン積んどった時なんかタダの使いっ走りやったのにのー。

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下半分がMrカラー、上がガッシュ。インターミディエイトブルーは少しおとなし目に。

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インシグニアホワイトはガッシュニュートラルグレー+ホワイト少々

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練習。ヘルキャットの水滴風防型、といった風情。

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ビンボ臭っ!なんや洗いざらしジーパンみたいやんけ…

ええいやかましい、褪色表現、スレハゲ表現の練習だ。

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ジーパンちゅーか年老いたマッコウクジラちゅーか……

よし、次は本番だ。
 

 

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「蘇る海賊」1/72 F4Uコルセア-1

 

サエッタとフォルゴーレのイタリア姉妹が我が家に生まれたのは2019年の秋。ブログ上では完成品は零戦52型が最後となっていて、その後は並べたり比べたりウンチク垂れたりばかりしていたが、実は模型製作は現在に至るまで水面下で深く静かに進行している。

当ブログはなるべくトピック順になるように書いている。そのためリアルな時間軸を無視するのを厭わない。そのくせ時折思い出した様に時事ネタ季節ネタな記事も挟まれるので(零戦はそもそも季節ネタだった)Blog=(web log)とは名ばかりのサイトとなってしまっている。

もともとがホームページの更新が面倒なのでブログに乗換えた、という経緯からくるのと、ブログ主の脳内がやや散漫かつ単細胞型前世紀仕様ときているから、これはもう仕方ないのでゴメンナサイ、と開き直りとお詫びを同時にいたす次第であります。そろそろnoteにでも移行しようかと思ってたりもするのです。

そんなワケで”時間”は今年2020年の2月半ばまで巻き戻されることになる。クルーズ船は大変なことになっているねーなどと呑気だった頃だ。

sigdesig.hatenablog.com

この零戦ガッシュによる「新春お気楽ナナニイ筆塗りヒコーキ」を心の底から楽しんだブログ主である。次もこれで行こうと思うのは当然だ。"二匹目のどじょう"という言葉が頭をよぎる。”ナントカのひとつ覚え”というのもあったかな。

題して

「桃の節句は筆で塗ろう」

もはや季節はずれも甚だしいのでこのお題はこの瞬間にお蔵入り。

それはさておき機種選択。体得したばかりの"極薄ガッシュ水剥がしの術"をさらに自家薬籠中のものにせんと修行を積むのだから、実機において褪色が見られる機体でなければならない。銀塗装セレブなP-51姫やインクスポット貴族のBf109の君などはお呼びではないのだ。零戦以外で褪色の目立つ機体……そこでピンと来たのが……

「ソロモンの碧き逆さカモメ」F4-Uコルセアである。零戦同様、南太平洋の強烈な陽光のもと、ヤシの木の葉陰でハゲ散らかした主翼を休める姿が思い浮かぶ。

コルセアといえば数年前に買ったタミヤの1/72がある。

たしか作りかけのまま放置され今頃は押入れの隅で泣いてるはずだ。コイツを引っ張り出すと箱が妙に重い。はてな?と開いて見る。するとキットはすでに十の字になっている。こんなに進んでいたのか……

重さの原因は一緒に入っていたMrカラーのネイビーブルーやミディアムブルーの瓶。少なくともこの当時の自分は旺盛な製作意欲を保持していた事が窺われる。記憶の中を探ってみたが、ものの見事に覚えていない。たかだか数年前の自分の仕業がもう他人事なのである。

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発掘された作りかけのコルセア。良好な状態を保っている。

蘇る海賊

PCの中にはしかし製作中の画像が残っていた。

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EXIFを見ると2014年4月とある。

自らのノーミソよりもハードディスクの方がよほど頼りになる。外部記憶装置とはよく言ったものでMaciPhoneがなかったらタダの腑抜けだ。

しかしここまでやっておきながらなぜ挫折したのだろう。自分は首を傾げた。コルセアには致命的な失敗の痕跡はみられない。このあと何か突発的なことでも起こったのだろうか?キングギドラが襲来したとか、大河ドラマの代役に抜擢されたとか、隣の吾郎ちゃんちの牛が産気づいたとか……どれも思い当たる節がまったくない。

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だいたい何を思って1/72のコルセアなど作ろうとしたのか?今となってはそれすら定かではない。

ま、ここで単に息切れしたのだろう。合わせ目の整形は地道で単調で進行が遅い。トライカラーのエアブラシ作業など、行く道の煩雑さに倦怠を感じたような気もする。気力の弱い自分にはよくあることだ。

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いずれにせよコルセアは放置されその間六年の歳月が過ぎた。このまま不燃ゴミに出されでもしたら浮かばれない。タミヤの技術者やシコルスキー博士に申し訳が立たん。「燃えないゴミ野郎はオマエの方だ」と”囁く死の声”が聞こえるところである。

あと少しの作業で塗装に入れるから筆塗り練習としては最適だ。エアブラシだと”シンナー臭い面倒臭いアホ臭い”の三重苦だが、ガッシュ筆塗りであれば最後の一つ以外は無縁でいられる。

このような次第で"コルセア製作記"の再始動となる。と言っても、ほとんど組み立て自体は終わってるから"製作記"というよりは"塗装記"と呼ぶべきか。

 

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