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万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

「零戦筆塗り隊」その八 ”色褪せたライジング サン"

懸案の日の丸に筆を入れる。丸描いてちょん、てなわけにはいくまい。

日の丸

相変わらず右翼の下面のチキンスターター。

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ファレホのバーミリオンを使用。ケガキのラインに沿って慎重に塗り進める。

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米軍が撮影した敗戦直後に放置された日本機の日の丸がよくこんな感じになって「ツワモノどもが夢の跡」感を醸し出している。模型の塗装、というよりは絵を描いている気分になってきた。

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2回目。ところが戦争中の画像を見ると日の丸は意外と褪色しなかったようだ。さらに下面は陽があたらない。あと一回塗り込もうか。

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3回目。ファレホも筆塗りしやすい。もう少し安価で入手しやすければいいのだが。

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周囲をタッチアップしてマンマルに近づけていく。

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上面の日の丸は模型的表現で周囲に合わせて褪色させるか、史実を重んじるかでは後者に重点をおく(ゆえのファレホ使用でもある)、ほんのわずかに筆目を残した、、、つもりだったがファレホの隠蔽力が意外と高くて。。。

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胴体の日の丸は曲面がきつくてケガキ線が歪んでいたようだ。結局フリーハンドで挑むもヒョロヒョロの涙目ヒノマル君に。。。がっかり。テンプレートは沿わないしマスキングだと筆塗りでは段差が出来る。何かうまい方法がないものか。。。今回は黒フチで誤魔化そう。

褪色&剥がれ表現

さてここからが今回のメインイベント。完全硬化前のガッシュの塗膜の弱さを利用する。 

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水を含ませた綿棒で全体をなでてツヤを出しつつ、絵の具を落としていく。今日塗ったばかりの表層のガッシュ塗膜が弱いので、すぐに薄くなって昨日のタテヨコの筆目が現れてくる。

下地→全体塗り→筆目入れ→全体塗り、と各段階の層ごとに乾燥時間を置いていたのは、ガッシュ硬化度合いに差を出すため。アクリル塗料は表面が乾燥していても硬化までにさらに時間がかかる。(絵の具メーカーによると完全硬化まで72時間とのこと)

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筆目をさらにこすっていくと、全体塗りが出て来て、さらにこすると下地のグレーが顔を出す。そのあたりをうまく手なづけながら褪色表現をしていく。

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フィレットの付け根や操縦席周りなどスレハゲを局所的に表現したい部分は細い綿棒で幾分強めにこする。極薄マジックリン液を浸せばさらにペロンといくがコントロールが難しい。プラ地まで出たらやりすぎなので極薄濃緑色でタッチアップする。やや偶然に頼った技法かもしれないが、これが楽しくオモシロイのである。

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ここでは南太平洋の強烈な陽光、スコールなどによるざらし的褪色に加え、整備兵、搭乗者が何度も踏んだり触ったりして塗膜が薄くなって下地が透けてきたのだろう、という想定のもとでスレハゲ表現をしている。52丙型紫電改など戦争末期によく見られる、質の悪い塗料が硬化してペリペリと剥離したハガレは表現の仕方もまた違ってくる。 

 

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陽光を浴びる主翼水平尾翼、人の手が触れたり歩いたりする部分、内翼、操縦席周りなどを中心に褪色表現を施す。

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赤ライン、日の丸の濃緑フチ、味方識別帯を描き込む。日の丸のフチは案の定ヨレヨレになった。いかにも日の丸を避けて塗りました的な周囲のムラも不自然だ。これほどファレホの隠蔽力があるのなら、黒フチを一番最初に描いてから赤丸を塗れば良かったのだ。今更言ってももう遅いが。

次回のために正しい手順を記しておくと、、、

・二重円をケガく→翼全体を上面色で塗装する→水綿棒で円内をおおまかに抜く→フチの色(白または濃緑黒色)を塗る→水綿棒で円内をおおまかに抜く→赤丸を塗る。

その他にも日の丸の部分と他の外板の褪色具合の差も気になる。そもそも緑と赤の彩度がきつくケンカをしているし、胴体の日の丸はえらく歪んでいるぞう。ううぬ、いかにせむ。。。

オマケ

ちなみにしばしば画面に登場している零戦の下の架台は自作。
名付けて「九九式仮置ニ号」であります。

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どっかに転がってた発泡スチロール製ブロックを切って作ったもの。

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動かない様に下部に磁石を仕込んで鉛テープで止めてある。

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左の「仮置一号」の改良型

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こういうものを作っている時が一番楽しかったりする。 

 

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