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万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

「零戦筆塗り隊」その六 ”雅の水彩零戦"

では零戦に筆で色を塗ろう。

いつまで正月気分でおるのだとお叱りを受けそうなので今回から見出しを変更した。相変わらずお題が馬鹿なのはブログ主の頭脳を素直に表してるものとお許しを乞う次第である。最初は正月休みにチャチャッと作る積りだったのが筆塗りに傾いてしまって思わぬ展開となったのはブログ主の計画性のなさを露呈しているものとお笑いくだされ。

飛行機模型に「極薄ガッシュ重ね」は初めてだから「このようにして作った」という自分自身の備忘録という意味合いで事細かに記してある。しかるに失敗にいたる連続写真的なものになる恐れは大いにある。「こうやれば誰でも簡単に上手くいく」というテクニック講座とは程遠いので良い子は真似をしてはいけない。

普段模型誌などに滅多に目を通さないので模型界の時勢に疎い自分である。なのですでに何処かの誰かが試していたらゴメンなさい、と先に謝っておく。

ケガキ

さすがに尾翼の機番は無理でも味方識別色と国籍マークくらいは筆塗りしたい。しかるに筆で何かを描くときにはまっすぐな線なんて引けやしない、と中島みゆきは唄っている。それでは味方識別色が引けない。まんまるな円なんて描けやしないよ、とも唄っている。それでは日の丸が描けない。そこであらかじめケガいておいた。

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もちろん中心点の穴は後で塞ぐからご心配なく。

南方の零戦は日の丸の白フチを現地で濃緑黒色で消している。これは「黒フチの方が強そうに見えてカッコイイから」ではなくて出来るだけ敵から発見されないようにするため。このあたりからも飛ぶ鳥落とす勢いだった日本軍が坂道を転げ落ちるごとく劣勢になっていく様子が窺い知れる。

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この黒フチの幅が1/72では胴体で約1mm、主翼で約0.7mmとなる計算だ。これはちょっと難易度が高そうだ。しかし挑戦してみよう。ダメなら上からデカールを貼ればいいや、と必ず逃げの一手を確保しておくのが老獪なモデラーである。

下地塗り

まずはタミヤアクリルで下面色と下塗りを兼ねる。ウグイス色にも青畳色にも飴色にも灰緑色にも見えるというJ3灰白色を調色、、、なもんでけるかあ。。。と例によって適当である。

これを大体2~2.5倍に水で薄めシャブシャブにして塗る。タミヤアクリルを使うのはプラへの食い付きを考えてのこと。いきなりプラへ「極薄ガッシュを塗るのは紅白初出場の若手ロックバンドを初めて聞く裏のお爺ちゃんみたいにノリが悪い。

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いわゆる「水溶きアクリルテクニック」塗ってはドライヤー塗ってはドライヤー塗ってはドライヤー。上面は下地なので平滑に色が乗ればいいだろう、と3回くらい。

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下面はこれが仕上げとなるからもちっと重ねる。まあ下面なので適当でいいだろう、と塗ってはドラ(以下略)4~5回。この状態で1~2日寝かしてアクリル塗料の硬化を待つ。

極薄ガッシュ

続いて調色しておいたガッシュを少量のペインティングメディウムと多量の水でこれまたシャブシャブに薄めて「極薄ガッシュ」を作りパネルラインごとに平筆で塗る。

 

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いつも目立たぬ右側の尾翼から始めるチキンモデラー。塗料はチョット濃かった様なので少し薄める。ドライヤーでの強制乾燥も適時用いる。

 

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奥に見えているのは昔誰かに教えてもらったガッシュ用パレット。密閉容器に敷いたキッチンペーパーに水を浸し、その上にお菓子作り用のクッキングシートを重ねてある。こまめにフタをすれば結構長持ちする。

 

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塗料を塗るというより色付き水の流れを平筆で導くような心持ち。最後に絵の具の溜まりを筋彫りに流し込んで逃がしてやる。ここで筋彫りを大げさに掘っておいたのが効いてくる。

 

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あまり深く考えずに日の丸は塗り残したが、このやり方は失敗だったかもしれない、、、とこの時の自分ははまだ気づいていない。

 

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あっちいったりこっちいったり、脈絡なく塗っているように見えるがこれは製作者の落ち着きのない性格が表れているだけのことで特に意味はない。胴体部分は絵の具が下に流れて溜まるのでコントロールが難しい。ここは逃げ溝としての筋彫りの本数が少し足りなかったようだ。

 

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ひと通り塗り終わる。ここまで40分ほど。お腰も限界なので休み休みやる。

 

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同様に極薄ガッシュ平筆染め2回目。絵の具の濃度に悩む。だんだん薄めていく方が良さそうだ。この状態で一晩寝かす。ここまではやや儚げな水彩零戦といった風情だが、ここから趣がすこし変わっていく。。。

 

 

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