さて改造手術によりモバイルバッテリー化したドライブレコーダー、エトセトラ(ETC)を手にいれたカゲキ派残党sigである。
モバイルバッテリーの隣が発熱大魔王であるレギュレーターなのでシート下に熱抜き穴まであけて準備万端だ。
「こんちくしょう、権力のイヌどもめ、ブッ飛ばしてやる」
などと物騒なことを口走りながらインターチェンジ目指して勇んで飛び出した。
ドカドカドカーッ!!…グワングワンぶるぶるぶる…
「おいおい、なんだか視界が変だぜ」
見るとカウルが猛然とわなないている。別に180km/h出しているわけでもないのにどうしたことか。バイクを止めて点検すると果たして、アルミのステーが破断している。
「…って何で?」
「…振動で」
何年か前にツーリングの帰りにも同じ事があった。
この後、知り合いの鉄工所アイアン・アーティスト"HIGE"氏の所でスチールのステーに取り替えた、つもりだったのだが、一部アルミが残存していた様だ。 こんな状態で突撃してハイウェイスターとなっていたらエライ目にあってたところだ。
この後スゴスゴ引き返してシャッターのガレージを下ろす。
そういえばつい先日ビキニカウルが垂れ下がっているのを治したばっかりだった…
ここでも書いたがこのビキニカウルは純正ではない。無理やり付けているから今回のトラブルもまた、ドカティ社およびモンスターには責はない。アホな持ち主が勝手にDIYでカスタマイズしたしっぺ返しなのである。
あちこちのビスやナットを締め直し再度固定。足りないところはもうタイラップで無理やりしばりつける。 修理で数日ガレージで過ごしたモンスターをまた引っ張り出した。
「こんちくしょう、権力のイヌどもめ、今度こそブッ飛ばしてやる」
やり場のない怒りに口を捻じ曲げながらバイクにまたがる若者ジジイ一匹。
ドカドカドカーッ!!…コンッコロコーンコ-ン。
「おいおい、何か落ちたぜ」
ハッしと見るとバックミラーの中で丸い小さいものが転がっていく。
「何なになに?」
前を見ると右前のウィンカーが寒風ふきすさぶなか電球むき出しで泣いている。
「ありぁウィンカーカバーか!」
車にでも踏まれたらコッパミジンになってしまう。慌ててバイクを止めてブーツでドタドタ走って戻る単車乗り。道端にコロコロ転がってケタケタ笑ってるウィンカーカバーをかっさらうように拾う。二個あるうちのビスが一個しか付いていない。
あたりを見回したがそれらしきものは見当たらず。そもそもビスはずいぶん前に落ちていたのだろう。
「って何で?」
「…振動で」
あらゆるところのビスが振動で緩んで落ちるのはモンスターあるあるネタだ。
これが問題のウィンカーカバー。これまた純正に非らず。今回のトラブルもまたまた、ドカティ社およびモンスターには責はない。いかにも拙者のDIYじゃ。 なんとも面目ござらん。
自宅から出てすぐだったので、スゴスゴ引き返してガレージのシャッターを下ろした。全てのウィンカーを点検すると取り付けがアマくなっているのがもう一箇所。よく見るとビス穴のプラが欠けている。
「…って何で?」
「…振動で」
やれやれ。
オークションで入手したウィンカーカバーと交換。念の為ステンの皿ビスも調達した。物によって微妙に長さが足りないのだ。これで大丈夫。
「こんちくしょう、権力のイヌどもめ、今度という今度はもう絶対ブッ飛ばしてやる」
…と思ったら近畿は梅雨入りしていた。
仕方がないので晴れ間を掠め取る様にして近くの堤防公園を目指す。なれどもこのご時節、駐車場はすべて閉鎖されているのであった。ここにも権力の手は及び自由を阻まんとするのか。我々希望に満ちた若者ジジイの老後は行くあてもない。嗚呼。
またも土手から、高速道路を睨むモンスターの図。
「いまに見てろ、コイツで突入してやる…」