現時点でのCarPlay
結論を言えば、得られる
利便性はさほど高くない、と思う。
機器の入れ替えや接続の面倒くささは別にしても、である。
マップ画面がデカイ、と最初喜んだが、実際使ってみると地図が横に広くなった所でさして役に立つ訳でもない。運転中に欲しいのは進行方向の情報だ。分割画面になるとiPhoneを縦位置にするのとそう大して変わらない。自分のiPhoneはまだ小さい方だが、PlusだのMaxだのの人はもっと大きなディスプレイモデルを選択した方がいいだろう。
つまり一番最初に冗談めかして言ったようにiPad miniあたりをダッシュボードに張り付けてテザリングする方が手っ取り早い。そしておそらくより便利で快適だ。
実際、ダッシュボードにタブレットを設置している車はチラホラ見かけるし、それ専用のホルダーも売られているようだ。
こういうの
スマホとテザリングすれば自分が陥ったような無線接続の問題もない。MapのピンチアウトどころかCarplayでは制限される連絡先もカレンダーもリマインダーも見ることができる。コッチの方が何かとハカどる気がする。さらにはLINEだって、動画だってなんとなればゲームまで、やりたい放題である・・・
しかし・・・
そんなスマホやタブレットばかり見ているドライバーの運転するクルマが街中をウヨウヨ走ってていいものか?
という話である。
"ながらスマホ運転"による事故などは既に社会問題になって久しい。今やスマホは誰でも持っている機材だ。モラルの高いユーザーばかりとは限らない。運転中にSNSしながら幼稚園児の列に突っ込む奴もいるだろう。いや、すでにその予備軍が多数いる、ということだ。
参考画像
Appleは半ば同義的責任意識からこのCarPlayを開発したんじゃないだろうか。前述の運転中のCarplay接続解除要求ボタンも「そーゆーことしはんのん、自己責任どっせ」と突きつけている様に思える。
不完全でチグハグなUIではあるものの、CarPlay全体に「運転に支障をきたす操作はさせない」という意思は感じる。
ナンボ利便性が上がっても、LINEの返信やtodoの確認でドライバーの視線を逸らし、事故を起こす手伝いはしとうはおへん。Youtubeなんてもっての他や。運転しながらスマホに熱中するなんてドライバーとしてはカスや。
そう、敢えて言おうカスであると!
科学技術による便利さ快適さを追求するあまり他の人間をないがしろにして良いはずはない。「俺サマは車内でも便利で快適を求める、それで誰かを轢き殺すことになっても知ったことではない」なぞという了見は絶対にあり得ない。
運転中にスマホをいじくるのは、公共の安全よりも自分の欲望を優先する様な社会不適合動物のすることなのだ。人前でパンツの中に手を突っ込むのと同じくらい恥ずかしいことなのだ、というほどの意識が必要なのではないか。
いま、我々ドライバーの見識が問われている。
この項、了。