sig de sig

万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

Carplay 総括1 「ユーザーインターフェイス」

この半年間、CarPlayを使って思ったことがある。

どうもこう、UIのナチュラルさに欠ける。

ユーザーエクスペリエンスを第一に考えるAppleが開発したにしては生硬で、ワクワク感に欠け、なんというか心惹かれない・・・最近のAppleのプロダクツに共通して言えることかもしれないが・・・Apple MusicやApple Watchと連携すれば少しは変わるようだが、そういう囲い込みの商売上手にはなったということか・・・

自分はMac漢字TALKの時代から、iPodiPadなども初代から使っている。自分にとってスマホiPhone以外の選択肢はあり得ない・・・

とはいえ何も筋金入りのApple信者というわけでもない。Appleの純度の高いデザインと水の流れるような自然なUI、生活の質を高めてくれそうな新鮮なソリューションが好きなだけである。必要とあらばWinPCもAndroidタブレットも使う。Apple WatchAir podsは買っていない。自分の仕事や生活に寄与するだろう実用性利便性があまり高くないと判断しているからだ。

Carplayの話に戻ろう。

最も残念な点はMap関連でピンチイン・ピンチアウトが使えないことだ。画面をタッチして隅の小さな+-ボタンを呼び出し、それを何度も押さねばならない。さらに言えばその反応も遅い。20世紀のカーナビのレベルまで後退してしまっている。仕方なくSiriに頼るのだが、例によって幼稚園児に話しかけてる様で実にまどろっこしい。ナビ操作のUIに関しては古臭くストレスフルで、まったくAppleらしくない。

Androidでは上記タッチ操作は可能らしいから、これはディスプレイナビ側の問題ではなく、CarPlayの仕様なのだ。各種のレビューを見ると「安全性を重視して・・・」などと書いてあるのだが、拡大縮小ボタン連打と比べてピンチ操作がそんなに危険とは思えない。いやむしろ逆だと思うのだが・・・

そのくせ音楽系のアプリなどではメニューの奥の方まで入っていっての操作が可能だ。音楽系は耳を使うから何してもOK、地図操作は目だからダメ、と表層的に安直に扱っているのなら杓子定規に過ぎる。役所の申請じゃあるまいし人間味が足りんだろう。

Apple特有の閉鎖的な独善主義で他社機器からのアクセスを拒んでいるのではないか、そんな、うがった考えさえ浮かんでくるが、であればもはや論外だ。

分割画面で次の予定が出たりアラームが鳴ったりするところはまあ、スマホ連携の価値がある。その日の予定も見ることは可能だ。予定に住所データがあればmapに表示されてたりもする。明日はニューヨークに出張なんて時はどうなるのか、という疑問もなくはない。

しかしさらにその先、月間カレンダーやリマインダーが閲覧出来ないのは残念だ。天気予報も同様である。このあたりは信号待ちなどの停止中なら見せてくれてもよくはないか。

車が動き出した事を関知すれば画面がフォーカスアウトする、くらいやってこそAppleだろう。これもSiriを使えということなんだろうが、例によってあのコは天然不思議ちゃんなので必要な情報を聞き出すのにえらく苦労する「LINEを読み上げまショウカ?」とか「どなたに電話をかけマスカ」とは言ってくれるものの、この数ヶ月で成功した試しは一度もない。

正直言って直接スマホで操作した方が早い、と思うことは何度もあった。実際何度か信号待ちでiPhoneを取り出した。しかしCarPlay接続中はiPhone本体は操作を受け付けず「私は運転中ではありません」などの嫌味ったらしい文言のボタンをタップし一旦接続を解除する必要がある。

CarPlayには本来、もっと画期的なUIデバイスが必要だろう。例えばパソコンのマウスやスマホのタッチコントロールの様なものだ。キーボードで言語を打ち込んだり、小さなボタンをチマチマ押してたりした頃のパソコンやスマホと同レベルに留まっているのが現時点のCarPlayだと感じる。

しかし、"画期的なUIデバイス"と簡単に言うがそれが実際にどんなものなのか、例えばの話でさえ挙げることがブログ主は出来ない。単なる凡人だから仕方がない。そんな革新的なUIデバイスをいち早く見出し、一心不乱に開発し、現実のモノとして届けてくれる人物なら天才と呼ばれて然るべきだ。

そういった”天才”はもういない、Appleにとっても我々にとっても不幸なことに・・・