ぴちぴちチャプチャプランランラン、とばかりにデボワチーヌD510製作記のクライマックス、蛇の目ことラウンデルの国籍マークに挑む。
今回は転写、ケガキ工程は省略。垂直尾翼の機番でケガキ線とカラスグチコンパスの直径を合わせるのに難儀した経験を踏まえての判断。
[無臭筆塗り備忘録]:国籍マーク 転写
・トレーシングペーパーに中心点を出し、十字線を引いておく。
・サークル定規かコンパスを使ってデカールからラウンデルをトレペに転写。
・トレペをキットに当ててラウンデルの位置を決める。
・主翼の外形やパネルラインなどを写して書き込む。
トレペなので裏側からも見えるから反転させても大丈夫。(左右上下の翼に使いまわせる)
・トレペを置いて主翼の左右それぞれ中心点のみをニードルで打つ。
これで準備完了。
[無臭筆塗り備忘録]:国籍マーク ラウンデル カラスグチコンパス
「それでは烏口先生、お願いします」
「む…承知」
「いざ!」
「おうりゃぁあああ」
「お見事!」
「あとは頼みますぜ、緋牡丹お筆の面相姐さん」
「ほいきた、すいすいっと…さてと中は平筆奴っこにでも塗ってもらうとするかねえ」
「姐さん、あちきでありんす。平筆奴っこにおまかせなんし」
[無臭筆塗り備忘録]:国籍マーク ラウンデル カラスグチコンパス
・内側は全て塗りつぶさない
極力塗膜を薄く保つため
まあ赤丸は直径15mmほどあるからさほど難しくはない。以前の普及品カラスグチコンパスでもこの程度はこなせはする。問題はここからだ。同じ中心点を使うので円は偏心しない、はずだ。
「それでは先生、白丸をどうぞ」
「うむ、心得た」
「せいゃああ!」
[無臭筆塗り備忘録]:国籍マーク ラウンデル カラスグチコンパス
・まずカラスグチで上下左右の円を全て一気に描いてしまう。
一箇所ずつラウンデルを塗り潰しているとカラスグチ先端の塗料が固まる。
そうなればカラスの口を開いて掃除をしなければならなくなり、直径が微妙に狂う。
固まったからとカラスグチを毎回洗うと、せっかくいい按配に整えた塗料の濃度=流れ出し具合までリセットされる。つまりはあくまでカラスグチ先生が最優先ということだ。
烏口先生の線は淡麗にして極細だから盛り上がって跡が残ることもない。
いよいよ、青丸との一騎打ち。
「それでは先生、直径5mm弱でお願いします」
「ぬ…中心の穴がちと広がりすぎておる。これではブレよう」
「そこはなんとか先生の腕で…げへへヘ」
「ふん、仕方あるまい」
「どぁッ」
「てぃヤッ」
「拙者の仕事はここまで…ではお筆姐さん」
「旦那、こりゃちょいと厳しかないかい」ちょんちょんちょんちょん
「おや、ちょいとハミでちまったかねえ、あとで直しとくれ」
という次第で「蛇の目の段」一件落着。
「また、くだらぬ円を描いてしまった…」
「曲がった心に蛇の目は打てやしないよ」