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万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

全自動コーヒーメーカーを分解する

さてこの全自動うっかりコーヒーメーカー。豆が詰まるのは自分のお気に入りな豆との相性が悪かったと諦めもつくが、実はこいつで淹れたコーヒーの味に今ひとつ納得がいかない。まったく同じ豆を使っている我が旧友のハラッチ君の淹れたコーヒーの方が断然美味いのである。

豆を売るカフェは少し遠いので自分はいつもバイクで行って、多めに買っては彼と半分コするのを常としている。その豆を手土産に持っていくとハラッチ君はお駄賃としてその場でコーヒーを淹れてくれるのだが、それが豆本来の実にクリアな味なのだ。その度に、ウチで飲むよりもぜんぜん美味しいやん、となる。別に競いあうつもりなどないが、同じ豆でこの差は何か、と思うのである。

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ハラッチ君のコーヒーに注ぐ愛情というか"食"に対する熱意と探究心はグータラなブログ主をはるかに凌駕するレベルであるから、てっきりペーパードリップで丹念に淹れているのかと思ったらごく普通のコーヒーメーカーだった。水も「水無瀬の離宮水ちゃう?」と聞くと「へえ?タダの水道水やで」との返答だ。同じ町内だからよもや水質に差はあるまい。

思い当たる節はあって、それは当方の横着全自動マシンのミルの掃除が行き届いていないのではないか、ということだ。臼歯は構造上、粉が内部に溜まりやすい。

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このマシンのメンテナンスは一応考慮されていて、ミル部分はワンタッチで着脱可能だ。

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ミルの部分が全部取れる。

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二対の臼歯も分離するので日常的な掃除はよほどな不器用でない限り簡単だ。

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付属のブラシだけでなく綿棒や使い古しの絵筆など(うちには沢山ある)を使えば細かいところも綺麗になる。しかし、ほぼ毎回掃除していたにも関わらず、どこかすえた臭いが取れないし、振ればいつまでもパラパラと微細な粉が落ちてくるのが怪しい。どっかに入り込んじまってんじゃねーのかあ?と疑い深い所有者は意を決してバラすことにした。

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開けるとやはり…粉だらけやん。

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カバー裏まで粉が回り込んでいる。臼歯のホルダー全体がスライドする事で豆の粒度を調節する機構だが、可動部品間に盛大なクリアランスがあり、そこからコーヒーの粉が混入する。自分はやや粗挽きが多かったからそこまで微粉は出ないと思ったが、この隙間の大きさではコメ粒だって通るだろう。

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さらに通常のメンテナンスではまず見ないところまで分解してやると…うーわ!

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鋼製の臼歯の裏側にビッシリ…絶句。

酸化した粉が裏側に詰まっていて驚いた。臼歯の裏の樹脂ホルダー部の成形精度が低い、というよりこれは設計の問題だろう。一部サビて黒変していたようだが下からお湯の蒸気が入り込んでいるのだろうか…あちこち隙間だらけだから無理もない。

詰まった粉は毎日飲んでいれば少しづつ入れ替わっていくのかもしれないが、自分は週に2~3回くらい、夏場はもっと間隔が空くから結構古くなってるはずだ。先週の月曜の微粉が新たに挽くコーヒー豆にも少し混入していた、なんて可能性は高い。そこまで味に影響を与えるかどうかは別にしても…あまり気分の良いものではない。

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この際だから全パーツを綺麗に洗ってやる。組み立てがまた一苦労だった。毎回こんな悪夢の様なことは出来ない。日常清掃はエアダスターで臼歯周辺の粉を入念に吹き飛ばす事にした。シンクの周りは粉だらけになる。肝心のコーヒーの味は良くなった気もするが、先入観が混じってしまってるだけかもしれない。

…なんだかんだが億劫に感じてきた。