今年に入って零戦、コルセア、ヘルキャット、紫電、紫電改と作ってきた。
当初は「お正月は零戦だ!お気楽ナナニイ筆塗り大会」という安楽な企画だったのである。それがいつの間にやら「南海の決戦!”退色ファイターズ”ガッシュ筆塗りグランプリ」となり、”紫電改”にも手をだしたことによって戦域は泥沼的に拡大し「日米海軍機ライバル対決 in パシフィック」の様相を呈してきた。
こうなると次は日本海軍のミッシングリンク、局地戦闘機"雷電"が作りたくなってくるのはヒコーキマニアとしては当然のことである。そこでさっそくハセガワの72を買った。この箱絵はブログ主が青春まっただ中のチューコーセー時分に作った記憶があるからそうとう古いキットということになる。
「殿、お懐かしゅうござる」「うむ、雷電為右衛門、息災であったか」
雷電の最新キットを求めるならスウォード社のそれとなるが、東欧チェコ製の簡易インジェクション、2機入りで3000円弱、と聞くからに”お気楽”には程遠い。よほどの覚悟が無ければ手が出せない。翻ってハセガワは近所の電気屋で3割引で売っている。えらい違いではないか。多少ディティールの甘いところはあるが、繊細なスジボリは凹モールドだし、プロポーションにも致命的なところがない。自分はハセガワで充分だ。
「殿、随分お顔にシワがお出になって…おいたわしや」
「そちこそバリだらけではないか、お互い歳をとったのう」
以前作った時は当時の模型雑誌に"新発売のハセガワ雷電を筆塗りで作ろう!"なんて企画があってその通りに薄めたラッカーで縦縦横横と筆塗りしたらガッビガビになってしまった。同じ模型趣味の級友たちに見せると案の定クッソミソのボロッカスに言われたのを覚えているくらいだからよほど執念深い。といっても今回は40年前のリベンジじゃ見とれよボケ!というわけでは全然ない。ちゃっちゃと作って紫電の横にホイっと並べてやろう、くらいの心積りである。