さてヘル猫の塗装である。
米海軍のトライカラーは前作のコルセアと同じだ。塗装手順も前回通りだから簡単ヘープー、と思っていたが……
Take-1
極薄ガッシュをパネルラインごとに塗っていく。
ここまでは、問題なし。
新しい試みとしてインテーミディエイトブルーの塗り分けラインを塗り残してみた。何となく筆の感触に違和感が…
ありゃりゃ、塗り重ねるうちになんだかテカテカになってきたぞう?!使った塗料はコルセアで調色したガッシュ絵具を瓶で保管しておいたもの。ただし少し水分が飛んでいたのでペインティングメディウムを追加した。その量がちっとばかり多すぎたのかもしれない。
やりなおーし!マジックリン風呂で猫泡だらけ。
Take-2
下地タミヤアクリルからリスタート。
同じ塗料に水を加えて濃度を下げてみた。
この辺からすでに悪戦苦闘。なんだか色が乗らない。
テカりは相変わらず。 発色がいまいちなため、塗り重ねてボッテリになってしまう。
顔料が足りない感じ…
やりなおーし!再度マジックリン風呂でネコ泡だらけ。
Take-3
新しい水性ホビーカラーを入手したので使ってみたくなり下地に。
インターミディエイトブルーを先塗りしてみたらどうなるだろうと思いつき…
シーブルーを重ねる。今度は絵具を多目に入れてみたら……
…彩度が上がってしまって…暗雲がたれ込める。
外翼部分のみやり直してみるも……
う、うまくいかん……色を重ねると下の絵の具が泣く(溶け出す)ぬう今度はペインティングメディウムが足りないのか。
やりなおーし!三度び泡風呂ニャ!?
このドラ猫野郎めはなかなか一筋縄ではいかん。仏の顔も三度まで、「次失敗してみぃワレ大阪湾に沈めてもたンど」と怒ったところで仕方ない。単に自分がヘボピーなだけだ。
冷静になって原因を探る。
下地のせいか、それとも塗料か塗り方か?次々新しいことにトライするので失敗の原因が切り分けれない。悪いパターンだ。迷走している。
Take-4
少し嫌気が差したのでハンプ嬢ちゃんに手を出すなどして気分転換をはかる。現実逃避、とも言うね。…いいんだよ何でも…
気を取り直して再びヘルキャット姐さんに。前の塗料は捨ててもう一度イチから作りなおす。ガッシュで調色し、適度な塗膜になるようにペインティングメディウムを控えめに加え、塗る段になってから水で薄める。新たな事にはトライせず、うまくいった時のやり方を踏襲する。時には謙虚に愚直なまでに堅実なやり方に立ち返ることも必要だ。
インターミディエイトブルーの部分は二回位でやめておく。
全体のバランスを考えて少しづつ極薄ガッシュを重ね、薄く薄くを繰り返す。
コルセア同様、面相筆のムラは加えない。
インターミディエイトブルーを重ねる。境界部分が難しいのは同じ。
今回は主翼や機首周りなどのグラデーションにうまく深みが出てくれた。前3回の失敗では色を重ねすぎ平板になってしまっていた事がよくわかる。
ガッシュは結構デリケートなのだな。まあ、基本的に不透明画材のガッシュを水で薄めて下地を透過させているのだからどうしたって無理がある。(んじゃ今度はリキテックス使ってみようか、とまた要らぬチャレンジ精神が出てくる)
零戦とコルセアがうまくいったのは、ガッシュの濃度が丁度いい感じだったという多分にラッキーな面もあった、ということだ。今回はダメなパターンがわかったのでこれはこれで良い経験だ。…豊満な年増女で経験を積む…というのもいやはや何とも…