模型が完成したら部屋を片付けてテーブルの上に飾り、祝杯をあげることにしている。燻製をする時にもBGMが必要なくらいな自分だから、かける音楽はその機体にふさわしいものを選ぶ。そうして完成品をためつすがめつ愛でてはグラスを傾ける。これがこの趣味における悦楽の頂点だと思う。
ちなみに昨年の完成品、隼一型二型が揃い踏みした時は、当然"加藤隼戦闘隊"
Fiat CR42ファルコの時は
バッハの"イタリア協奏曲"
発想がやや貧困か。
サエッタとフォルゴーレの時はイタリアものに困って、、、
フィリッパ ジョルダーノの"Casta Diva"
ではなくてリンダ・ロンシュタットの"Love has no pride"
何で何で何で〜?
と各方面から問い質されてしまいそうだが、これは学生の頃、NHKの零戦の特集番組かなにかのラストで零戦と隼の空撮(米軍による捕獲機のもの)のバックになぜかこの曲が流れていたのが由来。
リンダの哀愁溢れる歌声とラストシーンでバンクして飛び去っていく零戦の姿があまりにも美しくハマってしまって自分は感極まった。
この番組を制作した人が何で零戦にこの曲を選んだのかはわからない。
ただ、"But I 'd give anything to see you again. "
「もう一度あなたに会えるなら何だってするわ」
ウロンな自分でもこのくらいは、、、まあ完璧には聴き取れなくとも、、大意は掴めた。
何となくその「想い」=「空を飛ぶ零戦の勇姿を再び見ることが出来るなら…」に自分の気持ちを重ね合わす事ができたのだろう。ひょっとすると復元零戦が初の里帰りした時かもしれない。
以来、零戦といえばこの曲が刷り込まれてしまったのである。米国人歌手の曲なぞライトウイングな皆様方からは非難轟々だろう、逆にリンダのファンは妙な物のBGMに使うなと口を尖らすかもしれない。なんと言われようが自分の脳内だけは誰にも不可侵である。
さてコルセアの完成に何をかけるか、3秒悩んだ自分は”星条旗よ永遠なれ”を選んだ。
ただしジミ、ヘンドリックスのアレ。
……エキセントリックなところがコルセアらしくていいやね。
祝杯の方も日本機なら日本酒、スピットファイアならスコッチで、などと凝っていた時期もあったが、フランス機やイタリア機になると揃えるのが大変だ。最近ではたいていいつもの安バーボンかコーヒーを淹れる程度で済ましている。
さて次は何を作ろうか…