sig de sig

万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

「35年前の忘れ物」レベル1/72 ファルコ プロローグ1

早速模型の話をしよう(模型といってもプラモデルのことです)

自分がもう長く籍を置く模型クラブがあるが、なんだかんだで足が遠のいてしまっている。せめて絶滅危惧種なりに自前のBlog上におおらかに生息できる地を確保しておきたいと、かねがねそう思っていた。(といっても模型仲間たちとの縁は大切なこと。年に一度の展示会には頑張って出品を目指したいと思っています。)

さてその絡みで、今年はイタリア機でも作るかのー、ボンジョルノー、などと思って自分の模型在庫を眺めていた。(在庫といっても模型屋さんを営んでいる訳ではアリマセン。買っただけで作らなかった模型が累々とたまっているのです、嗚呼。。。) 

sigdesig.is-mine.net

(大昔のHP Private>Hobby>貯蔵庫とたどると当時の在庫が、、、)


するとレベル1/72のフィアットCR42 ファルコ」と目が合う。
あーそういやコレ持ってたなー、と引っ張り出す。
箱を開ける。

「むわー」と唸った。
デカールが黄ばんで、台紙にパーツを留めたセロテープの糊が黄色く変質したものがキットに固着している。あちこちバリだらけで一部モールドは潰れている(これは元からだけど)ああこれはもうアカンなあ。ポイするしかないなあ。と、一旦は箱の蓋を閉じようとした。

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ちょと画像をお借りした。みなさん同じ状況の様で。セロテープは代理店であるタカラのしわざだ。まあまさか30年以上も持ってるとは思わなかったろうね。

 

しかし、懐かしいネエ。ほころぶ頬に断捨離の手が止まる。

そう、実はこのキットは一度作った事がある。中学生の頃だ。初めて合わせ目を消して、コクピットや操縦桿をプラ板で作って、吹付けして迷彩塗装までやった。それまでは筆塗りで子供の遊びか暇つぶしの域を出なかったプラモデル製作を「趣味」として作った記念すべき第1作がコレだ。

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ご覧の通り複葉機。これでも第二次大戦の戦闘機、それも第一線機、しかもイタリア最多生産機、、、なんです。

TAKARAの再販ものだが、元をただせば"いにしえのレベル・ファイターシリーズ"。50代の男性なら、小さい頃に100円玉握りしめて近所のオモチャ屋さんでイー16だのエアコブラだののプラモデルを買った記憶がある人もいるだろう。

 

f:id:sigdesig:20190723180433j:plain  ファルコ  

f:id:sigdesig:20190723181759j:plain     エアコブラ

f:id:sigdesig:20190723181825j:plain イー16

なつかしー、近所のあわじや(玩具店)で80円で売っててンでぇー。

 

40年前の模型趣味デビュー作のその出来上がりに、しかし当時の自分としても納得がいかなかったのだろう。再挑戦を期してその数年後に入手したキットが、いま目の前にあるものだ。懐かしさとわずかに後ろめたい気持ちが漂う。借りたまま読みきっていない本がヒョッコリ出てきた時のようだ。

買ったのは学生時代、だから35年以上押入れに眠っていたわけだ。35年といっても同じ押入れではない。その間に3回は引越しして、その度に不要な在庫キットは処分してきたわけで、考えてみればこの「ファルコ」はその都度その都度生き残り、ぴったり自分の側にいたということになる。これは自分の中で思い入れが深かった証ではないか。「いつかまた作ってやろう」と。。。

 

試しにあちこちに付着した固形物をシンナーにひたした綿棒で拭ってみる。
これでダメなら諦めがつくというもの。いや、半分くらいはダメなことを期待してたのかもしれない。

ところがなんと、いやらしくこびりついてた黄色い固りが少し薄くなっていくではないか。おお取れる取れる取れるでコレー!とコスり倒したらキレイサッパリ綺麗になった。シンナーで磨かれたせいか心なしかプラの表面も光り輝いている。

「タララタッタターン!」

まるでジャムおじさんに新しい顔を作ってもらったアンパンマンのように誇らしげな「ファルコ」

。。。オレがコイツを作らねば。。。

そう思わなければモデラーじゃない。