sig de sig

万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

モンスターのお漏らし

桜の時期を過ぎて気候は良いのに、ほとんどバイクに乗っていないのは、
モンスターのガソリン漏れ補修に追われいていたからである。
実はガソリン漏れは2回目だ。
前回は燃料パイプの劣化が原因で走行中にボタボタ漏れ出して危険だった。
 

 

今回、鼻センサーと指センサーを駆使して、ガソリン漏れ箇所を突き止める。
モンスターのタンクに抱きついて鼻をクンクンさせ、あらぬところを手でまさぐってはその指の匂いを嗅いでる姿はヘンタイそのものである。
 
どうやらお漏らしはタンク後部からと判明した。
(以前にタンク内部をコーティングしてもらっているのだが。。。)
その後、耐ガソリンパテと瞬間接着剤と硬化スプレーでしのいできたが、
少し走るとまた別の部分から滲み出す、のイタチゴッコを何度か繰り返した。
 
業を煮やした自分はガソリンを抜いてタンクを下ろし一旦補修剤を全て剥がしてみた。
タンク後部とその下に溶接されているステー基部の間にクラックがあるようだ。
ドライバーの先で押してやると基部の鉄板がごくわずかに動き、ガソリンが滲み出してくる。
ふふん、コイツが原因か。。。さて如何にせん。
 

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この程度の漏れならそこまでメクジラを立てるほどでもなかろう。
しかし、ガレージにガソリン臭が充満している、というのはどうも防火上も精神衛生上もよろしくない。キュラソ星人がただちに嗅ぎつけてくる、という地球防衛上の危険性もある。
この際、大事をとってやはり修理しよう。
 
タンクごと取り替えようとオークションなどで中古を漁ってみた自分は、ある事に気づいた。
掲載画像の同じ部分にガソリン漏れの痕跡が見られるものが非常に多い。
つまり、これはウチのモンスターだけに起こった偶発的なトラブルではないということになる。
 
モンスターのタンクの構造をいま一度よく観察してみる。
タンク側ステーの先の穴にフレーム側のステー穴を重ね、金属棒を通して蝶番を形成している。
整備時にはこの蝶番を支点にタンクを大きくリフトアップ出来る。
 
このステーのタンク側の基部には常にタンクの後部の重量がかかる。
おそらくは走行中の衝撃が累積し微細なクラックが入るのだろう。
あるいはタンクリフトアップ時に無理な力が加わることもあろう。
 
この時期のモンスターに共通な問題いわゆる「モンスターあるある」と推測される。
 
であれば、どれも同じ症状を抱えていると考えられる中古のタンクを買う、
という選択はもはやありえない。
S2Rなど、この後のモデルでは樹脂タンクになっている。
アレなら漏れないだろうが、燃料ポンプ部分の形状がまるで違う。
自分はヤフオクのページを閉じた。
かといって新品のタンクは20万近いとやら聞く。とても買えるものではない。
 
目をつむるか(いやこの場合「鼻をつまむ」?)
それが嫌ならやはり自分で補修するしかないだろう。
 
しかし走って衝撃を受けるたびに基部が微細に動くのだから、いくら詰めモノをしても無意味だ。
ステー基部の強度を上げて鉄板の動きを抑え込むことを考えてみる。
溶接がベストだろうがそこまでになると大げさだ。
そこでステー周囲をFRPで覆うことにした。
 

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ごく普通のポリエステル樹脂を使ってしまったが、
本来はガソリンに強いビニルエステル樹脂を使うべきだ。
、、と知ったのは修復後のことだった。そこはシロートの悲しさである。
 
だから良い子は決して真似をしてはいけない。
 
まあ、強度を上げて鉄板の動きを防ぐのが主目的だから、
しばらくは持つじゃろう、と楽観視している。
呑気なものである。
 
次に漏れてきたらタンク内部からビニルエステル樹脂でもう一度コーティングしてやろう。