夜更けに深夜放送のラジオから流れる音楽ほど人の心を温めてくれるものはない。
ちいさなトランジスタラジオの籠もった音、
アナウンサーの静かな曲紹介。
現代のいつでもどこでも好きな曲が聴ける峻烈で鮮明なデジタルオーディオに、
疲れた耳がそんなものを欲しがるのだろうか。。。
きっかけは風呂で音楽を聴くようになったことだった。
腰を痛めた自分はマッサージ師に勧められて長風呂をするようになった。
湯船に15分は長い。
退屈しのぎに自分はスピーカーを持ち込んだ。
防水、Bluetoothで脱衣所に置いたスマホから音楽を流す。。
このスピーカーが随分と寝ぼけた奴で、高音低音があまり出ない。
小さいものでなおかつ防水ということだから仕方あるまい。
ところが、この音の柔らかさがなんとも長風呂の気分に合うと気づいた。
聴くジャンルもだんだんと変わっていく。
高音低音が出なくても気にならないもの、ラテンや昭和の歌謡曲がヨロシイ様だ。
ブエナビスタ、メルセデス・ソーサ、ピンキーとキラーズ、いしだあゆみ etc...
なんだかホンワカとする。
風呂上がりにもその小さなスピーカーから小さな柔らかい音で音楽を聴くようになった。
デジタルアンプとタイムドメインのスピーカーで
手に汗握る鮮烈なインプロビゼーションバトルの眼前に展開される、
それも良いが、こういう柔らかくもあったかい音をのんびり小音量で聴くともなく聴く、
それもまたいいものだ。
♪わっすれられないわ〜、あーの人が好きよ〜♪