sig de sig

万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

7年目

モンスターの車検も3回目を迎えた。
 
気がつくとこの800は7年目だ。
モンスターと名のつくバイクをもう13年も相棒としている。
自分のバイク歴は通算25年足らず。
その半分以上をドカティと過ごしてきたことになる。
 

 

ドカティというブランドが自分には身分不相応なのは知っている。
この10年落ちのM800の性能ですら自分の手に余ることも分かっている。
 
もっと間尺にあったバイク、例えばカワサキのTR250やヤマハSR500だったら
ずいぶん気楽だろうとなんど思ったことか。
そこまででなくとも、味があってゆったりとしたバイクには正直心が動かされた。
例えばモトグッチのBREVAや、あるいはヤマハBT1100などである。
 
それでも乗り換えずに今日まで来たのは、友人から譲り受けたものを大事にするという気持ちも大きいが、まだモンスターでやり残したことがある、そう感じたからだ。

 
車検時にメカニック氏と相談して、ハンドルを少し手前に近づけることにした
もともとオリジナルではないアップハンドルが付いているのだが、
クランプのネジを少し緩め3mmほど下にハンドルを回転させる。
工程わずか3分という手軽な調整だ。
 
ところがこれが効果絶大
 
町中での低速での右左折で感じていた不安感が消えた。
リーンした時のコントロールに神経質さがなくなった。

反面、S字の切り返しなどでは若干のキレ味の鈍さを感じないでもない。
フロント荷重が少なくなったのだろう。
そこは必要とあらば前傾姿勢を強めれば良い。
 
たった3mmとはいえ、ポジションとは大事な物だと再認識した。
バイクとは、かくも奥が深い乗り物だということも同様に。



モンスターは基本、60km/h以下のことは考えていないバイクだ。
だから渋滞路は依然苦手だが、
そこは、なだめたりすかしたりあやしたりじゃらしたり、と鉄火娘も扱い方次第、
丹波や篠山の田舎道を流す程度なら今では涼しい顔でしっとりこなせている。
付き合いも長くなってくるとジャジャ馬にもそれなりに慣れるものだ。

最近では若干の古女房感も漂わせるほどだ。
 
 
ピレリのエンジェルGTとハンドルの微調整で、
今では街角やコーナーリングでアタフタすることも少なくなった。
「常に安定したトラクションを掛けること」を心掛けている。
体力、視力、反射神経などはやはり落ちてきているから無理はしない。
 
古女房などと言ってしまったが、モンスターはまだまだ新しい驚きをもたらせてくれる。
自分にとってはいまだ鮮烈で魅力的なレディだ。
タイヤの空気圧を替えたり、サスのイニシャルを変更したりすると、走りがリニアに変貌する。
それはモンスターがビビッドで繊細な素性を持つバイクだからに他ならない。

自分にとっては余人をもって代え難いバイクなのである。