sig de sig

万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

お弁当屋さん

今日の日替り弁当はカキフライ。
 
自分はいま、これを前にして「いたく」感じいっている。
カキフライに、ではない。
無論それも大粒で旨いのだけど、そうではなくて、
感じいっているのはタルタルソースに、なのだ。。。
 

 

近所のお弁当屋の日替わり弁当。
「ほかほか」や「かまど」などのチェーン店ではなくて、
おっちゃんとおばちゃんが昔からやってる小さな店だ。
 
ここの日替り弁当が自分のご贔屓。
よくあるハンバーグとかエビフライとかではない(まあそういう日もあるけれど)
サンマ開き弁当、野菜天ぷら弁当、ブリ大根弁当、などなど..
寒い日には味噌汁がつく。ほんとうに家庭的な献立なんだ。
ついでに言うと味も包丁さばきも家庭的。

 
揚げ物は衣が薄い、色も薄い。千切りキャベツは容器からはみ出してます。
角切りのジャガイモやニンジンがゴロンゴロンと入ってるオムレツ。

 
梅肉とか柚子とかオリーブオイルとかそういう飛び道具は使わなくて。
センスとかお洒落とかとも程遠い。もちろん、グルメでもない。

けれどもほのぼのとウマい、じんわりと旨い。
「美味い」ではなくて「旨い」んだよなあ。
お袋の味というか、なんだか田舎の親戚んちで晩ゴハン食べてるような気分にしてくれる。
 
そうだタルタルソースの話だった。
 
タルタルソースがね、手作りなんだよ
 
手作りと言うとタマゴサンドの具みたいのを思い浮かべるが、これはちょっと違う。
もっとしゃばしゃばと薄い。
ピクルスの代わりに玉ねぎとキュウリのみじん切りが入ってたりする。
味は素朴というか田舎くさいというか、言ってしまえば拙いのかもしれないけれど、
食べれば自然と微笑が浮かぶ
 
別の容器にたっぷり入ってる。
カキフライに、たあっぷり付けてもカキフライの味の邪魔をしない。
どころかカキ独特のアクを少しまろやかにさえしてくれる。
 
タマゴを茹でてつぶしてみじん切りして、
玉ねぎもみじん切りしてキュウリもみじん切りして。
日替わり全部のタルタルソースをつくるのにどれだけ手間がかかったろう。
キューピーの小袋付けとけばそれで済むのに。
どこの弁当屋もそうやってるのに。
 
そしてカブラの酢の物とカブラ菜の炒めたのが付け合せ。
醤油で炒めてジャコがいれてあるだけのなんてことないお惣菜。
葉っぱの部分も無駄にしていないのが嬉しいね。
 
贅沢じゃない。むしろ逆なんだけど、カブラ菜、旨いです。
 
きちんとしたものを食べてもらいたい、という「想い」がほのかに感じられる。
日替わりのメニューを考えて、仕入れて、毎日作ってる。
おっちゃんとおばちゃんの顔が浮かぶ。

そんなお弁当屋さんのお弁当。
 
ごちそうさまでした。

 

今日は「ほっけ塩焼き」弁当