“ロドネイ”が出来たら次は“キング・ジョージ5世”が欲しくなる。それがまっとうな人間というものである。そして“ロドネイ”,“キング・ジョージ5世”とくれば「ビスマルク追撃戦」を再現しよう、という考えに至る。それが正統なジェントルマンというものである。
むろん、ドイツのチョビヒゲがご贔屓、という向きもおありでしょう。どうぞ”プリンス・オブ・ウエールズ“と”フッド“を揃え「巡洋戦艦轟沈!」ごっこをなさるとよろしい。しかし生憎とこの“フルタ軍艦コレクション”には“フッド”はラインアップされてはおらぬようだ。真っ赤になって地団駄を踏むチョビヒゲが眼に浮かぶ様ではありませんか。おっホン。
というわけで、紳士らしくやおら他人の押入れを漁ることにする。早速“ビスマルク”と“キング・ジョージ5世”をセットで発見、これらをメルカルことにした。それにしてもこの二つをセットで隠し持つとは、出品者もさぞかし恰幅の良い英国紳士に違いあるまい。
ともかく、いざ開封。中身は英独のゴツい戦艦がゴロリと出てくる。手前ビスマルク、奥側キング・ジョージ5世。まずはキング・ジョージ5世から取りかかろう。
ロドネイよりもさらにパーツが少なく砲塔3つにマスト2本、旗竿1本という 潔さだ。さらに迷彩のスカイブルーも爽やかに施されている。はて「これビスマルク追撃戦時なん?」てな疑念も湧いてくるが、そこはフルタのオマケ、「いいってことよコマけえこたあ」とスルりと流す。
ロドネイの時に筆が入り込まなくて困ったので先にウエザリングしておく。人間いくつになっても勉強である。
ウェザリングカラーは溶剤は使わず生乾き状態で綿棒でこすり倒すとのっぺりした平面にも表情が出てくる。あとは砲塔とマストと旗竿1本。これなら拙者のような独眼流でも簡単に組み上げられるわい。
しかるに、いささかマストや旗竿が大げさすぎやせんかの。精密感なぞはもとより望んではおらぬが、これではまるで日露戦争時の戦艦「三笠」みたいではござらぬか。ということでマストの先の方だけニッパーで斜めにカットしてやる・・・あまり効果はないようだ・・・
接着剤不要のフィギュアなんだからオーバースケールなのは仕方ないとして、特にマストなど要らぬところまでコチャコチャと再現しているため、かえって実感、巨大感が損なわれてしまっている。
昨今の艦船模型の究極ディティールアップの真似なんかする事あらへんのにぃ、などと思う次第。(舷側の両用砲などは砲身があっさり省略されている。そのくらいで丁度いいのだ)
ドライブラシをかけてハイライト効果でディティルが浮かび上がらせる。さながらカンタベリーあたりの霧煙る古城の幽霊屋敷。こうして見ると、これまた立派なキング・ジョージ5世だ。
無骨なロドネイの横に並べれば女王陛下の騎士団と言った趣きである。脳内には当然"God Save the Queen"が鳴り響く・・・いやピストルズの方じゃなくて・・・