迷彩色の謎
さて斑点迷彩の塗装色考証。
例のサイトによるとこの斑点は周囲が Giallo mimetico4”ジャーロ・ミメティコ”[迷彩イエロー4]FS 30266。
斑点の真ん中がBruno mimetico "ブルーノ・ミメティコ"[迷彩ブラウン]はFS 30215。
いずれもMrカラーに該当色無し。。。
例の怪しいカラーチップを見るとジャーロ4はカーキ色に似た感じ、ブルーノはやや赤みの強い茶褐色に見える。ファレホの該当色をあたって入手してみたところ、ジャーロ4のFSナンバーに該当するファレホNo.128はこの色見本チップに近いが、ブルーノに該当するファレホNo.133はどうも薄い様だ。
試しに斑点模様を塗ってみるとコントラスト差がなく、ほとんど二色を判別できない。いくらイタリア人でも、判別できないような二色を迷彩塗装に使うほど能天気ではないだろう。つまりサイトのFS指定かファレホの色調かどちらかが間違っているということだ。
購入した二本のボトルをしげしげ眺めているうちにNo133の方のラベルにFS表記がないことに気づいた。ネットで調べると同じNo.133のラベルにはちゃんとFS30215と書いてある。
。。ってことはどうやらスペイン人が怪しそうですよ、マージョ様。
何だってー、二本で638円もしたんだよッ、何やってんのさこのスカポンタン!
仕方ない、自分が調色するでまんねん。
使うのは飛燕を作った時に買った[赤褐色 日本機プロペラ色]。実は在庫があってダブった。こんなの二瓶持っていたって一生使い切れない。もう「二式大艇」一個中隊くらい作るしかないと腹くくってたところだ。色調は箱絵をみてデッチ上げ微調整する。偉そうに考証だなんだと言っても結局この有様である。
例によってサンボルのおっちゃんでテスト。
「なんじゃこら?爬虫類化した“あしゅら男爵”か⁈こんな姿オカン見たら泣くで」
うむまあこんなとこか。では本番とまいろう。
かなり曲線的なラインを持つ機体なので型紙がうまく添わない。型紙に薄手の上質紙あたりを使えばよかった。。。
委細かまわずよ、と自作のグリージョ・ミメティコ(黄)を吹き付ける。
主翼も同様に。
暗色の上に明色、それもイエロー系を乗せるので発色が良くない。逆の方がよかったか。。。
型紙をはがす、、、アリャ、ちょっと斑点が大き過ぎたか。。。ボケ足を考えて斑点の切り抜きは一回り小さくすべきだったか。。。
模型づくりとはかくも反省と修正の連続なのである。
仕方あるまい、はみ出し修正も兼ねて斑点の周囲を一つ一つバランスを見ながらベルデ・ミメティコ(緑)でなぞる、という気の乗らない作業を敢行。
まあ軍用機の迷彩には見えるか。グリージョ(黄)の上に飛んだベルデ(緑)の塗料飛沫は次のブルーノ(茶)を吹いた後にまとめて修正しよう。。。
一旦休憩
すでに昨年の秋の事になるのだが、実はここで模型製作は一時的にストップしていた。なんとも面倒くさい方面のご用向きがあって、嫌な言い方だが"模型どころではない"状況となったのだ。そこからようやく解放されて、ああやれやれとビールを呑みながらカレンダーに目をやると、、、展示会の日程まであと10日もない。いかに呑気な自分でもこれはいわゆるファイヤー オン ザ テイル、ケツに火がついた状態だと気付くのであった。。。
斑点迷彩
焦りつつ再開。斑点の中のブルーノ(茶)はフリーハンドで。
ボール紙の裏に何度も試し吹きをしたあとが写っているが、吹き付ける細さや濃さを納得いくまで調節した痕跡だ。コンプレッサーの圧力、ニードルの引込み量、キットとの距離、ダブルアクションの引き具合、いずれも最小にした状態で吹き付け可能な塗料濃度を探る。その後、狙いを定めて一つ一つ吹いていく。
こうするとどうしても途中でハンドピースが詰まる。その都度シンナーを浸した綿棒でニードルの先を掃除してやるが、それでも解消しない時は一旦塗料を出してハンドピース全体を掃除してやる。そしてまた一から濃度などの調整をやり直してテスト吹きから始める…
好きでやってることなので「辛い」とは思わないが、思わず笑みがこぼれてくるほど楽しい作業かと言われればやはり違う。これをゲラゲラ笑いながらやり出したらシンナーの影響が脳に及んだということで病院送りとなるだろう。
そんなこんなで出来上がり。
この斑点、ちょっと見ようによってはアマゾンの毒ガエルみたいでキモチワルイ。