次はサエッタの番だ。
マーキング
あのケッタイな案山子がダンスをしている機体を選択する。これは斑点迷彩が複雑でややチャレンジングなのだがうまく出来れば模型映えがしそう。フォルゴーレは砂漠迷彩のサンド系なので並べるならグリーン系の方が趣きが変わって良いだろうとの判断もある。箱絵でI-16が撃墜されていることでもわかる通りロシア戦線だ。「地中海」というお題にはそぐわないかな、とも考えたがイタリア機ということで勝手に拡大解釈した。実際のところ「古代ローマ神話の名前を持つ架空の宇宙船」なども平気な顔して並んでいたから、まあ何でも通しとは言わぬまでも相当ユルユルなレギュレーションなのだお気楽に参ろう。
下面色
Grigio mimetico "グリージョ・ミメティコ"迷彩グレー 下面色に関しては前期も後期も塗料メーカーでの差はないようだ。例のサイトのカラーチップではもはや[佐世保海軍工廠色]にしか見えない。FS指定はFS 36231となっている。 Mrカラー該当色No.317 [米海軍機 F-14etc] フォルゴーレの下面色がF-15だったから遊び心だろうか?
下面色としては少し濃い気はするが上面色とのバランスも考えてこのままいく。
上面色
例のサイトのカラーガイドの下の方には多種多様の迷彩パターンが図示されていて、その使用色を示してくれている。なんとも有益なサイトである。このサエッタのカエル状の斑点迷彩もちゃんと掲載されていて実にありがたい。それによると上面色はVerde Mimetico 2 "ヴェルデ ミメティコ"迷彩グリーン2 (主にマッキ、ピアッジョ社の初期に用いられた暗緑色)
例のカラーチップをweb画面で見る限りではCR42などのフィアット御用達のVerde Mimetico 3と区別がつかない。そこで画像ソフトに取り込んで明度を上げてみる。Verde Mimetico 2の方がわずかに青っぽく、Verde Mimetico3は茶色がかっている様に思える。零戦の三菱色と中島色みたいなものだろうか。門外漢からみれば「ほとんど一緒」でもマニアは「全ッ然違う!」と眉を釣り上げる。何処の国も同じということか。。。
FS指定は34092、Mrカラー該当色はNo.302 [チャコールリザード迷彩色] 米空軍のA-10などの単色塗装の濃いグリーンだ。左のNo.303、FS34102がVerde Mimetico3、、、これもA-10用、、、そんな都合よく色が合うのか???
F-14のグレーとかA-10のグリーンとか聞いただけで「ああ、あの色ね」と大体わかってしまうのは航空マニアならでは。スプリングバンクの15年ものと聞けばシングルモルト愛好家は味を思い出す。愛媛県愛南町といえばマンホールマニアは「ああ、アレね」とにやりとする。みんな同じ。
この様にパネルラインに沿って濃く塗っていくのが昨今の定番スタイルだが、あんまりあからさまだと嘘くさくなる。斑点迷彩なのでさして気にならないだろうが。
これでカウリングを黒に塗って日の丸をつけて「イ式艦戦」とかネームプレートつけておけば信じる人が出てきそうだ。
次にフォルゴーレと同じ要領で型紙を切り抜く。
吹き付けた時に見にくいのでコピー用紙の白い方が上面になる様に左右反転でコピーしておく。フォルゴーレよりも斑点の数が多くて面倒だが、画像のようにカッターの刃の方を固定しておいて紙の端を持ち上げてくるくる回す様にすると複雑な斑点模様が割と楽に切り抜ける、と気づく。
それでも全部切り終わるまでに途中で何度も気を失いそうになる。坊さんなら般若心経を10回くらい唱え終われるだろう。無限界、無意識界、無無明、無無明尽〜〜
フォルゴーレの時に側面と上面の斑点模様のツジツマが合わなかったのでその辺も考えて上面の型紙も連続して作っておく。いずれにせよどこかでツジツマが合わない箇所ができるのだが、どうせならそれを目立たぬ右側面下側に持っていこうという、実に姑息で隠蔽体質の日本人が考えそうなことだ。。。お褒めに預かり光栄のいたりでげすな。ヘヘヘ。
型紙を浮かせるためにゴマ粒状のブルタックを貼り付ける。ブルタック団子があちこちにくっついたりしてかなりイライラする作業だ。右手のピンセットでつまんだ団子を左手の千枚通しでひとつひとつ型紙に押しつけていく。京都三条柳馬場の和菓子屋「末久」の奉公人になったつもりで一心不乱に盛り付ける。ゆうべの芸妓の"まめ鈴"のうなじが妙ぉ〜に色っぽうてぇ、、、なんてことは一切考えてはいけない。
これで斑点迷彩の下準備が相い整った。