AFVモデラーはキャタピラを一枚一枚手編みする忍耐力を有する。
艦船モデラーはゴマ粒の様な対空機銃を針ネズミの様に植え付ける緻密さを持つ。
勤勉実直な彼らに対し驚嘆と畏敬の念を抱かずにはおられない。
我々飛行機モデラーといえば3つ以上の同じ部品に対し拒絶反応を示す程にイラチで面倒臭がりだ。全部で14個あるコブを一個一個付けてたら神経衰弱になってしまう。(むろんそんな横着もんは自分だけだろう。ご幼少の頃作ったタミヤの1/100スカイホークのMk.82爆弾の山がトラウマとなっている)
幸いメーカー様もそんなモノグサ飛行機モデラーのことは先刻ご承知だ。ありがたいご配慮で側面のパーツにはそれぞれコブが3つ一体成形されている。。。のは良いのだがそこは「イタレリ大王様」の成形技術の限界で残念ながらコブの形状が角張ってしまっている。
なめとんかコラ!と言いつつ殴る蹴る等の暴行、ありがたいこっちゃ!と言いつつ削る整える等の修正を加えて他のコブと並んでもおかしくないよう涙滴形状にしてやる、する、させていただく。
パーツ間には盛大な隙間が空く。これもモデラーの技術を磨いてやろうという「イタレリ大明神」の思し召しとおもってありがたく薄いプラ板でお塞ぎさせていただく。アリガタヤアリガタヤ。
カウリング上部の部品も全くお合いになっていただける気配がございません。
あちこち隙間を埋めて整形いたしまして、この段階で一旦サフをお塗りします。アリガタヤアリガタヤ。スジボリも当然修復させていただかねばならない訳でございます。アリガタヤアリガタヤ...
この辺りから意識はほとんど"出来の悪いサエッタちゃん"の方に向いていき、箱の中で大人しく待っている優等生”フォルゴーレ君”のことはあまり気にかけなくなった。
「馬鹿で手のかかる子ほど可愛い」というアレである。