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万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

電波ソーラーの罠

さて一方、相方は軽くて気兼ねのない所が気に入ってチプカシばかりする様になる。メインの国産ブランドの腕時計はコロナ禍という事もあり、タンスの上で埃をかぶったままいつの間にか止まってしまっていた。

メンテフリーの電波ソーラーが、である。通常は室内照明でも大丈夫という事だったが・・・たまにショッピングモールに車で行って地下のパーキングに停めてお買い物、程度だとほぼ日光など浴びないし、やはり時折は強烈無比なる太陽パワーを直接受けねばならんのか。

電波ソーラーだから窓際にでも置けば即復活、と当初は軽く考えていた。ナルホド確かに秒針は動き始めたが、長針短針はあらぬ時間を差したままだ。

そんなもんリュウズ回して時刻合わせたらエエがな、、、えっ出来ひんのん?

この機種は電波受信オート補正のみで、マニュアルでの時刻合わせは出来ない。

なんでまたそんな設計をするのだろう。

リュウズに見えるのはただの押しボタンである。もう一つのボタンと組み合わせて入力操作する。取説片手に複雑怪奇な手順で試みるが、どうやら電力に余裕がないとオート補正を中断してしまうようだ。長針短針がグルングルン回るのだから補正には多大な電力が必要なのだろう。そこで10日くらい2階の南向きの出窓に置いておいた。しかし結果は変わらない。

どうも二次電池、いわゆる充電バッテリーまで完全に干上がったらこうなるらしい。ならば電池を交換すれば即復活、と当初は軽く考えていた。

なんならワシやったろかー?、、、エエ?ムーブメントの分解が必要?

この機種の二次電池交換は町の時計屋レベルでは手に余り、一律メーカーサービス送りとなる。

なんでまたそんな設計をするのだろう。

当然費用も掛かる。およそニマンエンと聞いてややのけぞった。修理は物理的には可能ではあるが経済的には合理性に欠ける。つまり新品買う方が利口、となる。最近の機械モノにはよくある話だ。そう思えばこの機種の設計の謎も解ける。すべからく生産コストを第一にしておりメンテナンスや修理の事はあまり考えていない。

しかし相方は頑なに、修理する、という。ほんの数回しか使わずに捨てるのはいかにももったいない。

気持ちはわかるが現実問題ここで大枚叩いてバッテリー交換したところで、この先何年かすれば同じ結末が待っているだろう。無論、放置しなけりゃいいのだが、それはつまり重くて気の遣う腕時計を嫌々身につけていくストレスも負い続けなければならん、ということだ。

結局、修理は諦めた。

だから電波ソーラーはダメだ、と言いたい訳ではない。使用頻度の低い腕時計にアナログの電波ソーラーは考えものだ、という事だ。レディスサイズはソーラーパネル二次電池も小さいということもあろう。自分のG-SHOCKはデジタルなので元から電池消費は少ないし、車のセンターコンソールに置いてあるので適度に日光を浴びている(その分樹脂の劣化が早いけど)息子のカシオの電波ソーラーも毎日通学に使っていて今のところ問題はない。(ただし使うほどに二次電池はヘタり、およそ10年で交換を要するらしい)

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相方はしょげ返っている。新しいのを買ってあげるよと言ったが、もう腕時計なんて要らない、チプカシでいいと言う。まあ気持ちはわかる。人の気持ちのわからんのは時計業界の方だろう。

とはいえ、そもそもくだんの電波ソーラー腕時計は法事の時などに着けていくのにフォーマルな時計がなかったから買ったものである。冠婚葬祭にチプカシは流石にどうだろうかと思う。相方は普段は合理的な考え方をする一方で、初詣や彼岸の墓参りなどは欠かさず行くなど、日本人としての伝統行事を決して軽んじない面も持ち合わせている。なのでその辺はやはり気になるようだ。

もちっとフォーマルにも向くデザインの手頃なクォーツで・・・

とも思ったが冠婚葬祭限定となると年に1、2回程度だしクォーツでも電池切れの不安が残る。法事や結婚式ならともかく一週間前に予定が分かってる葬式などまずない。かくいう自分も急な葬儀の時にフォーマル用のクォーツ時計が電池切れ。普段愛用のハミルトンカーキの革ベルト(白ステッチだった)を大慌てで金属バンドに替えるというドタバタを演じた事があった。

 

はていかにせむ。