sig de sig

万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

D510-6「R-293のデボワチーヌ」エレール1/72製作記

マーキングが決まると機番が決まる。この時期のフランス機は主翼下面にデッカデカと番号が描かれているのが特徴。

f:id:sigdesig:20210118162947j:plain

方向舵にも小さく機番があるが、不思議なことに両者の番号はどの機も一致しない。主翼下面の番号は頭にアルファベットが付くところからして無線のコールサインか何かだろうか?

f:id:sigdesig:20210118143022j:plain

この塗装図のマーキングの尾翼番号はNo.289 主翼下面はR-293である。微妙な違い過ぎて乗ってる本人も間違えそうだ。

「貴官の乗機は ドゥサンキャトア-ヴァンヌフ。コールサインはRのドゥサンキャトア-ヴァントレーズだ」

とか言われても飛行場に向かうまでに忘れてしまう。

f:id:sigdesig:20210116161207p:plain

さらに、フランス語の数字の読み方は一筋縄ではいかない。60くらいまではまあまあ普通だが「70」台からヘソが曲がりだす。「73」は「60と13」=soixante-troizeと読むのだそうな…ナンデヤネン…

これはルイ14世が70歳になった時

「余はこれ以上は歳を取らぬ。以後”70"と言った者はギロチン台」

とのたまってしまい、近臣が仕方なく

「陛下、ええと、ええと60と10歳のお誕生日おめでとうございます」

と苦し紛れに言ったのが始まり…などというのはたぶん作り話だろう。

f:id:sigdesig:20210121182200p:plain

さらにさらにフランス語の「80」からはヘソの曲がり方は急角度になる。例えば83は「4x20と3」="quatre-vingt-trez"と奇ッ怪極まりない。まるで変人数学教師みたいだ…これはパスカルが80歳になった時

「ワシは永遠の20歳じゃ、今年はだから20歳4回目と1歳の誕生日…」

イヤイヤそんな訳ない。

実は古代ガリヤ人(=ゴロワーズ)が20進法を使っていた名残り、という話だ。

何でまた二千年も前の陽気で助平な蛮族とされているゴロワーズ共の読み方を80から上に限って残しておくのか、全くの謎である。世界に冠たるヘソ曲がり人種であるフランス人だから、仏語を学ぼうとする外国人、とりわけキツネ目の東洋人にイケズした、ということは充分考えられる。

まあ日本語でも3月13日は「さんがつじゅうさんにち」なのに4月14日は「よんがつじゅうよんにち」ではなく「しがつじゅうよっか」と読むのはナンデヤンと指摘される。母語者にも説明の出来ぬ慣用はどこの国の言葉でもあるものだ。

f:id:sigdesig:20210121131324p:plain

空軍義勇兵でフランスに行ってコールサインがR293だとしたら

「エッルドゥサンキャトアヴァントレーズ、後方に敵機ィィ!」

みたいな指示が空中戦のさなかに無線で飛び交っても自分ならまず聞き取れない。奇跡的に聞き取れたとしても「200とぉ4掛ける20とぉ…」なんて暗算してる間に撃ち落とされるだろう。(多分実際はドゥ、ヌフ、トロワ=ニイ-キュウ-サンなどと読む…と思いたい)

f:id:sigdesig:20210118174352j:plain

ともかくもこのエッル-ドゥサン-キャトア-ヴァン-トレーズを下面に描いてやるのが次の工程となる。やれやれ。

 

にほんブログ村 その他趣味ブログ 模型へ
にほんブログ村