さて若造の後始末を引き受けよう。まずは下面の修正からだ。確かに瞬間接着剤は整形するには硬い、しかし…
このproxonのペンサンダーがあれば連邦のモビルスーツだろうと一撃だ。
ふははは、サンドペーパーとは違うのだよサンドペーパーとは!
次は穴だけ空いた排気管ディティールアップの続きか、フン、これは手強いぞ。
まずは排気管作り。真鍮パイプをリューターにくわえ込み、ニードルを突き刺して穴を広げる。機銃と違ってラッパ状にする必要はないので焼きなます必要はない。
12気筒だが排気管は15~6本は作っておく。これで一個や二個ピンセットで飛ばしても血相変えて床に這いつくばらなくて済む。何事も余裕を持って臨むが肝心だ。
片側6本の排気管を単に接着するだけでは、それぞれが勝手な方向を向いてしまうのは火を見るよりも明らかだ。そこでプラ角材の二面に両面テープを貼ってガイドとする。決して己の技術を過信せず周到に準備する。これが老練な模型戦士だ。
瞬間パテを詰め、真鍮パイプを植える。排気管の穴だが、径が小さすぎる!何事もギリギリでは上手くいかないのだよ、坊や。事前に少し広げておいたがね、フハハハ。
位置が決まったら一箇所ずつ用心深く硬化スプレーで固定していく。勝利のために使えるものは全て使う。ま、坊やの頃は電動工具も瞬間パテも硬化剤スプレーもなかったからな、無理もないがな。
不要なところに硬化剤を掛けないため、作っておいた「九九式硬化剤防盾板二型乙」が役に立った。不断のたくまぬ研究がいざという時にものを言うのだ。
これでヨシ。この頃のイスパノスイザ12気筒の特徴である1-2-2-1の排気管の並びが洒落ておる、そうは思わんかね。こうして実機の構造や成り立ちなどにも思いを馳せるのが大人の模型作りだ。闇雲にディティールアップに走るだけが能ではない。
機首の 凸モールドが消えてしまったので仕方なくスジボリ。これは先にやっておくべきだったか。ふっ、ワシもまだまだ青いな。
となると…胴体部分が凸モールドのままでは目立ってしまう。止むを得ん、筋彫りを彫り直してリベットを打つか。自らの不始末は自らの手でケリをつける。ワシはそういう戦士でありたい。
なんと、水平尾翼はイモ付けときたか…補強が必要だな。
水平尾翼が薄過ぎて細い真鍮線しか仕込めんか。やむを得ん。
ともかく士の字に持ち込んだ。
デボワチーヌ、なかなか美しいラインを持つ機体ではないか、これで今夜の酒も美味くなるというものだ。