sig de sig

万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

秋のちいさなバイク散歩

久々に休みの日に半日の時間が取れた。

模型ばかり作ってると肩が凝っていけない、バイクに乗ろう。

例年ならこの時期は丹波に黒大豆の枝豆を買いに行く。あの辺りを走っていると道沿いに直売している畑がある。そこで枝ごと沢山買ってバイクのシートにくくりつけて走る。帰りの山道で何個か落ちようが、それは猿だか狸だかが拾って食うだろう。山へのおすそ分けだ。

今年はしかしどこかの学生さんたちの活動を支援してネットで買った丹波の枝豆がすでに我が家にはある。バイクに乗るのが目的なのだから、豆は口実で別段買わずともよい。ともかくそっち方面に行ってみようと出かけた。

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日曜日に走るのはいつぶりだろう。休日は集団で飛ばすバイクが多くて危なっかしいので避けていたが、今やリタイヤ組のシルバーライダーズが大挙して平日に流れこんでいるから大して変わりはない。道を譲ってくれる四輪も心なしか増えた気がする。我が物顔のダンプカーはいないし総じて交通状況は良くなって休日の方が走りやすいかもしれない。

まあ良いことばかりはないもので自転車がやたらと増えた様に思う。いわゆるロードサイクルだ。彼らのマナーが悪いとは言わないが、どうしたってスピードが違うから端から追い越すことになるから面倒だ。

バックミラーなどは付いてないから速度を落として間を空けて、と追い越しは相当に気を遣う。向こうだって騒々しいバイクに排気ガス浴びせかけられるのは不愉快だろう。

ヘルメット装着率がほぼ100%なのは立派なことだが、あの薄着で転倒などしたらどうなるだろう。派手なウェアは見落とされない様にとの配慮からか。灯火の類は極小だから日が暮れると心細かろう。まあ他人事ではある。自分はこんな山坂道に自転車で来れるほどの度胸も脚力もない。

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柔かな日差しとキンと澄んだ空気が心地よい。

ついこの間までフルメッシュのジャケットだったのにもう革ジャンだ。手入れを怠って少し硬くなったかしばらく走ると肩が凝った。そう言えばブーツも粉が吹いている。家に帰ったら少しホースオイルを入れてやろう。

なんとなくバックミラーが確認しづらく感じる。右目の調子は随分良くなってきてはいるが、疲れると特に視野が狭くなるようでこれも肩こりの原因かもしれない。休憩をとって首をほぐすなどしていたが、段々その間隔が短くなってくる。家にいても出かけてもいずれにせよ肩が凝る運命のようだ。

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帰路にまた山道を行くと思うと気が重くなってきた。街中の渋滞のスリ抜けなど論外な気分だ。こういう時は無理せず高速道路でドカンとワープして帰る。行き当たりばったりで出かけて呑気に走って陽が傾いたとしても、最後に高速に乗れば帳尻は合う。

その分お金はかかるがそれを無駄遣いだとは思わない。お昼に「大名天ざるとソフトクリーム!」などと注文しなければすむことだ。往路は2時間以上かかったが復路はわずか30分。わが住む町に新たにICが出来たので大型バイクの恩恵を存分に享受できるようになった。

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むろんそれは250のオフロードでも単気筒でも高速道路は走れる。所要時間も大差はなかろう。しかし精神的な疲労度には違いがある。

自分は高速道路では四輪の時の様にのんべんだらりと走行車線を走ったりはあまりしない。落下物や前走車の急な車線変更などでも回避可能なように、前後左右のどこかに空間を確保できる位置に自分のバイクを持っていくようにしている。(むろんソロツーに限る)

加速力、制動力、運動性に余裕のあるバイクだとこれが至ってやりやすい。180kgほどの車重にツインの800ccだからモンスターでの高速走行は盤上のクィーンとまでは言わぬが”桂馬”ぐらいの痛快さはある。

SR500で雨の高速で泣いた経験を持つ自分だからなおさらこんな事を考えるのかもしれないが…

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ツーリング先で「疲れたな、帰ろうか」と思って地図を見る時に、街中を突っ切るか、峠道を行くか、それとも高速を使うか、選択肢は多ければ多いほど良い。自分がオフロードやアメリカンではなく中排気量のネイキッドを好んで乗っているのはこの理由も大きい。最近はやりのアドベンチャータイプはここに"林道"が加わるのだからさらに万能なのかもしれない。