sig de sig

万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

模型道具のお話

少し脱線する。

紫電を作りながら考えた。下面がうまく塗れたのはファレホのメタリックカラーのお陰である。上面がヘタくそなのは賞味期限の切れたガッシュのせいだ。結局ウデではなく材料や道具に頼りきりのブログ主である。

筆塗りモデリングで道具と言えば筆だ。エアブラシがメインだった今までは筆で塗るといってもタイヤか機体内部だったから大差はないと安物筆を使い捨ててきた。

さすがに面相筆だけは多少は良いものを持っていたから、筆の良し悪しが結構仕上がりを左右することも少しはわかっている積りだ。

高けりゃイイとも思わないが、お気楽ナナニイとはいえ筆で大きな面積を塗るようになったのだから、今までのものより少し位は上等な筆を使ってもバチは当たるまい。弘法筆を選ばず。と言うが、sig工房は筆を選ぶのである。

そんな思いもあって今年に入ってお気楽ナナニイ筆塗りシリーズを作り進むにつれ、折をみては平筆をあれこれ試してきていたのである。

GSIクレオス Gツール MB07 Mr.ブラシ 平筆6号

GSIクレオス Gツール MB07 Mr.ブラシ 平筆6号

  • メディア: おもちゃ&ホビー
 
タミヤ メイクアップ材シリーズ No.158 モデリングブラシ HG 平筆 小 87158
 

色々買ってみた結果、ムチの様に硬いナイロン筆でビシーッとしばき上げられるよりも、コシが柔らかい筆で優しくナ〜デナデされる方が自分は好みだということがわかった。いやそれくらいしかわからなかった。

画材屋で買うと色々選べて面白いのだが、中には柄が長すぎて我が工房の狭い机の上では不便なものもある。柄の後ろをカットしてみたが、今度は軽くなりすぎる。やはり模型用のものはその点も考えてある。

そこでこのほど、なんと贅沢にもタミヤのHGシリーズをまとめ買いした。ゼータクといってもネットで買えば1本500円くらいだ。いつもの平筆と差額が300円ちょいだから、ラーメン屋でギョーザを頼むのを何度か我慢すればよい。ちなみに筆毛は馬毛らしい。これで俺のも馬並みだ、ヒヒ〜ン。

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余談だが絵筆の"セーブル"や"コリンスキー"などの名称が実は筆毛の"イタチ"の意味だとは知らなかった。それぞれバルビゾン派の画家かロシアの画商か何かにちなんだ名前をつけて売ってるんだと思っていたから相変わらず馬鹿である。

ちなみにタミヤでコリンスキーといえばHGの上のProシリーズがそうだ。面相筆に限られるが千円オーバー。うぬイタチは高いぞ。タヌキはもっと高くて2千円。日本画用になる。仙人みたいな爺様が使っておられるイメージだ。あれなら俺のもタンタンタヌキ並みになるのか。ぽんぽこ

無論、そのクラスの面相筆を使うモデラーも大勢いらっしゃる。9千円のニッパーでパーツを切り取り、4千円のピンセットでおつまみになるのであろう。さふいふやんごとなき模型貴族は雲の上、われは平民モデラーなりけり。

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ウチの面相筆たち。どれも500円くらいで(面相筆としては)さほど高価なものではない。上から二番目と三番目は穂先が柔らかくてお気に入りだ。何の毛なのかはトンと知らぬ。

柔らかな穂先は絵具の含みが良いので薄い塗膜でスーッと長く塗れる。さらに柔らかさを活かして曲線などの微妙なコントロールが効く。国籍マークをマスキング無しで塗るとこの柔らかさがとても扱い良い。ごくわずかな毛先の加減で歪んだ円が少しづつ真円に近づいていく。そんな時、おお、ワシは筆で模型を塗っとるんじゃのう、という仙人の境地が味わえて愉しい。ぱふぱふ

無論その分巧拙の差がはっきりと出てしまう。下手だろうがなんだろうが、”自分の模型”が出来あがる。そこには今の自分の技術やら集中力やら意気込みやらがまこと正直に映しだされている。それが嬉しいのだ。それが悔しい時も、まあ多いのだけれど…ね。

 

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