sig de sig

万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

紫電-1「アオシマの良心」アオシマ1/72製作記

それではアオシマの1/72紫電11型甲の製作に入ろう。 
実はこのキット、発売後十数年ほどたった頃だったかに一度リニューアルされている。紫電改のカウリング形状にやや致命的なミスがあって、そちらの改訂に合わせたのだろう。タミヤ紫電に対抗する意味もあったのかもしれない。

青島文化教材社 1/72 真・大戦機シリーズ No.1 日本海軍 紫電 11型甲 プラモデル

青島文化教材社 1/72 真・大戦機シリーズ No.1 日本海軍 紫電 11型甲 プラモデル

ヤフオクやメルカリなどで安く出されているアオシマ紫電紫電改のキットはよくみると旧版が多い。買うだけ買って作らない模型マニアが「あ〜あリニューアル版が出ちまったい。しゃあねえなあヤフオクにでも出すかあ、どっかのバカが買うかも知んねえかんな、ウヒヒ」てなこと言って出品してるのやもしれぬ。

かくいう自分もウッカリ安さに釣られそうになったが、そこは「カシコ」なのできちんと店頭で確かめてからリニューアル版を買った次第。(カシコ=関西弁で「賢い人」のこと。「勉強ができる」「頭が良い」よりももっぱら「分別がある」「良い子」というニュアンスで使われる。例「わしカシコやしバイクなんか乗らんかってん」)

パーツ

f:id:sigdesig:20200716164023j:plain

ともかくプラモメーカーが一度出したキットを改修するというのはなかなかないことだ。メーカーの良心、熱意の現れだと思う。紫電改のカウリングはマニアに随分と叩かれただろう。そうなるとアオシマの”意地”かもしれない。 21世紀のアオシマは一味違う、タケヤミソ。

f:id:sigdesig:20200718112508j:plain

リニューアルといっても既存の金型には手を入れられてはいない。新しいパーツがランナーごと追加されている。この方が開発コストが低いのだろうか。だとすればなかなかうまいやり方ではある。上のランナーは整備するときの木製支持台などでいわゆるオマケ。ジオラマにすれば面白そう。

エンジン 

f:id:sigdesig:20200718112602j:plain

旧版のエンジン。前後一体成型。まあほとんど見えなくなるから個人的には別にこれでも文句はないが。

f:id:sigdesig:20200718112646j:plain

リニューアル版エンジンは前後に分かれてプッシュロッドも再現されている。シリンダー冷却フィンの彫刻も上部は縦、と芸が細かい。環状の成型ランナーも力が入っている証拠だが刃の細いニッパーでないと切り出せないだろう。減速機周りも細かくパーツ割りされスピンナーまで左右に分かれている。

コクピット

f:id:sigdesig:20200718112728j:plain

旧版のコクピット。上にデカールを貼るスタイル。

f:id:sigdesig:20200718112757j:plain

リニューアル版。腕の立つモデラーだったら塗り分けてくんな!といいたげなディティール。計器板の支持架までリアル。照準器はクリアパーツで別部品。こう見ていくと初心者や年少者などには旧版の方がむしろ作りやすそうだ。

あえて旧版を安価で入手するのもアリか。(その場合デカールが使えるかどうか心配だが)面倒クサがり屋の自分も一瞬旧版パーツで作ろうかと…いやしかしアオシマさんの心意気ってモンがあらあ。報いてやらねえといけねえやなあ。

パイロット

f:id:sigdesig:20200718112902j:plain

旧版のパイロットはハセガワなどでもよく見かけるタイプ。おそらく祖先はエアフィックス。つまりはアングロ・サクソン系の体型。

f:id:sigdesig:20200718112934j:plain

こちらがリニューアル版パイロット。ふた回りは小さくモールドはむしろダルい。(最初見たときは新旧逆かと思った)静かな表情と上体はむしろ奈良の鑑真和上像を思わせる佇まい、一方下半身はオシッコ漏らした幼稚園児みたいである。東洋的と言えば東洋的だけどグラマンと死闘を繰り広げる戦闘機パイロットにはあまり見えんぞなもし。

仮組み

f:id:sigdesig:20200718113101j:plain

水上戦闘機強風から派生した紫電の特異なフォルムが良くわかる。

f:id:sigdesig:20200718113126j:plain

特徴的なフィレットと主翼の間には何かの間違いか、と思うほど隙間があく。何かの間違いであって欲しい。

f:id:sigdesig:20200718113152j:plain

胴体上面にスジボリが何にもないノッペラボウ。それとやや甘い胴体機銃口などがディティールアップポイントか。

f:id:sigdesig:20200718143925j:plain

「必殺ロケット噴射ー」と叫びたくなる様な豪快な排気管。カウルフラップもなぜかここだけ凸モールド。往年のアオシマタッチを思い出させて微笑ましい。胴体一体成型なのでリニューアルの救いの手が伸びなかった模様。ここは目をつぶった方が賢いんだろうなあ…

 

にほんブログ村 その他趣味ブログ 模型へ
にほんブログ村


模型・プラモデルランキング

 

PVアクセスランキング にほんブログ村