sig de sig

万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

「Why Aoshima?」紫電11型 序章

 零戦、コルセア、ヘルキャットと続いた”お気楽ナナニイ筆塗りシリーズ”である。
次はワイルドキャットとも思ったが青い機体に星のマークばかりも飽きがきた。ヘルキャットのライバルといえば戦場では零戦52型、ではあるものの登場時期、性能、規模などを考えればもっともふさわしいのは「紫電」だろう。そこで選んだのがこのキット…

え?タミヤじゃないんすか?なんでアオシマなんすか?ひょっとしてアホなんですか? という声が聞こえそうだ。

確かに1970年代を小学生で過ごした自分のようなモデラーにとって、「アオシマ のプラモデル」というフレーズはある種の意味合いをもってその耳に響く。それについては前回書いた通り。

sigdesig.hatenablog.com

そのアオシマ が21世紀間近になって突然1/72の紫電紫電改を発売したのである。紫電改が先だったか、紫電が先だったかは記憶がない、さらに言えば20世紀だったか21世紀だったかも定かではない)自分は半信半疑で模型屋の店頭で箱を開いてみて驚いた。ハセガワやタミヤを彷彿とさせる繊細なモールドと豊かなディティール。そこにはアオシマの本気が満ちていたからだ。

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アオシマは生まれ変わったのだ。聞けば前述のウォーターラインシリーズでも古いキットがリニューアルされ(ビスマルクも!長門も!)もはやシリーズの中核的な存在らしい。子供向けの手頃で楽しい”組み立てるオモチャ”路線ではなく、大人向けのスケールモデルへと舵を切ったのだ。ようやく、ではあるが……まあ、最近の子供はゲーム機ばっかでプラモデルなんか見向きもしないからナァ……

自分はアオシマ紫電紫電改に驚きはしたけれど、その時はキット購入には至らなかった。すまんアオシマよ。仔細に観察すればタミヤセガワには一歩も二歩も及ばぬところもあるが、理由はそれではない。その頃の自分にとって1/72というスケールに"今さら感"があったのだ。大戦機の場合、世間的にはスケールは1/48がメインとなっていた。実際、展示会などで広いスペースに並べると1/72では小さすぎてゴミ扱いされる。

昨今ではそれがエスカレートしてしまってスケールは1/32がベター、なろうことなら1/24などという凄まじい事になっている。1/32のモスキートをみんなで作って並べよう、なんて話が出た時には自分は目を回しそうになった。

「より精密に、より大きく、よりゴージャスに」というのがメインストリーム。色々チンケな自分であるからしてもうそんなロイヤルスーパースペシャモデリングは遠くから指を咥えて眺めているほかない。

最近の自分は「お気楽ナナニイ筆塗り」に活路を見出し「精密さよりも味わい、大きさよりも並べる楽しさ」で1/72の零戦、コルセア、ヘルキャットと作ってきた。キットそのものの出来にはこだわらず、あえて2線級を選んでいる節もある。(コルセアはタミヤだけど在庫優先でしたので)

さてこの度のアオシマ紫電である。

もはや1/72であることに購入を躊躇する理由はない。むしろ好都合ではないか。出来のいいタミヤでなくアオシマを選ぶのも「お気楽」でヨイヨイ。実機のメーカーが三菱や中島といった超一流ではなく2線級の川西であったという事実と符合して面白かろう。紫電は史実でもフィリピンに展開しているからゼロコルヘルと続いた「南太平洋上空の日米艦上戦闘機」繋がりでもある。

つまり”アオシマ紫電”は自分の次のターゲットとして格好の素材ということになる。

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甲型を選んだのはタミヤ甲型に対抗して、ではなく、台湾やフィリピンに派遣された機体という理由もあったが、日本機離れした翼下のゴンドラ機銃が紫電らしくて好きだから……なんでも見た目が大事なのです。 さあ作ろう。

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