時間がない時間がないといいながらこんなモノにまで手を出してたなんて!と言われそうだが、実はこれ、所要時間は一晩です。まあ、色を塗るだけだから。。。むろんサエッタとフォルゴーレが完成してからですよ、浮気だなんてトンデモナイ!ほんの一夜のあやまち、、、いやいやいやいや。。。
20年くらい前に購入したJaguarというメーカーのレジン製フィギュア。ずっと机の上に放置していたところ、家人が箱についていた値札(確か3,000円くらい)を目ざとく見つけてしまい、その後、趣味における価値観を巡ってsig家は一時紛糾した、、、といういわくつき。
「タマゴ1パック100円!?安っ!」と毎日買い物に走って家計を支えていただいているお方からみれば「常軌を逸している」というご意見はもっともだ。ま、なんによらず「男の趣味」は家計の敵である。
1/48のイタリア機を作ったら並べるつもりだったが、そんな機会がこれまでなかなかなくて、今回ようやく日の目を見たという次第。いや、ほとぼりが冷めるまで隠しておいた、訳ではアリマセンよ。
分厚い飛行服からして砂漠迷彩の機体には合わない。サエッタのマーキングをロシア戦線のものにしたのはこのパイロット達を横に置きたかった、という理由もある。イタリア兵の軍装に詳しいわけではないので時代考証まではよくわからないが、箱絵ではG50フレッチアがバックに写っているので、まあ大丈夫じゃろ、と。
せめて一体1,500円くらいの価値に見て貰える様、命を吹き込んでやるのが道楽亭主の努めだろう、、、 と奮励努力の形跡がパレットに残っている。
塗料はいつものアクリルガッシュのみ。ベルトのカーキグリーンがいい雰囲気に調色できて嬉しい。金具やジッパーなどもシルバーではなく明るいグレーを使った。
さすがにモールドは細かく、人体デッサンも素晴らしい。丁寧に塗ってやるだけで存在感あふれるイタリアン・パイロットが出現する。
ゴーグルをスカイブルーに塗ったのは青空が反射している、という表現をしてみたかったのだが。。。これはツッコまれるだろうなあ、、、
かたや長身の陽気なイタリアン、かたや眼光鋭くいかにも戦闘機乗り、という感じ。
士官学校出たばっかりの甘ちゃん、ポルツァーノ少尉。
「やあジャンカルロ、こんど指揮所の裏にピザ窯作らないかー」
たたき上げのベテラン、ジュリアーニ先任軍曹。
「いいですよ少尉、次の出撃で腹に大穴開けられなけりゃあの話ですがね」、、、
実際の大きさ。顔は米粒大。まったく米粒コケシとはこの事だ。ここに目玉入れるなんて確かに常軌を逸脱してるわな、と自分でも思う。とりあえず展示会はこれでいいか。フィギュアモデラーからみればまだまだ序の口だろうけど、あくまでサエッタの添え物なので。
後日、ポルツァーノ少尉の顔が気に入らなかったので、、、
無理して入れたドングリ目玉を消して、髪の毛の生え際をタッチアップ、唇や頬などに少し赤味を差してより柔和な感じに。
ジュリアーニ軍曹のゴーグルもやはり少し手直し。フラットブラックで縁取りして紫外線硬化レジンを上塗り。
「ハハハ、腹に大穴って、軍曹がロスケ相手にそんなヘマはせんだろう」
「...俺が言ってるのは少尉の腹のことですよ」
ということで出来上がり。チャオ!
「... こんな小せえもんに金と手間を掛けるんだから酔狂なこったぜ、まったく」