sig de sig

万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

「その瞳、榛(ハシバミ)色なるフォルゴーレの君」サエッタ&フォルゴーレ14

いよいよ塗装本番。

コンプレッサーオン!
テイク ユア エアブラッシュ!
レディ、ゴー!

下面色

Grigio Azzuro Chiaro

こいつが大戦後半のイタリア機下面色、とされる。英訳すれば「ライトブルーグレイ」上記サイトのカラーチップを見ただけでは「軍艦色」を塗ってしまいそうになるが、今のところフォルゴーレが呉海軍工廠で建造された記録はない。例のサイトには他にFSナンバーで近似色が示されている表があって、そこにはFS 36307とある。

該当するのはMrカラーNo.308 。ビンの横には「米空軍現用機 F-15なぞと書いてある。カラーチップの色とはかなり違って一抹の不安。まあ小さな色見本は濃く感じるのは商売柄良く経験していること。スケール効果も考えてだろう、とテメエの都合のいい様に解釈する。

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なんとなくドイツ機のヘルブラウっぽいぞ。

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イタリア機の特徴で翼前縁、機首、胴体の下面に上面色が回り込んでいる。ラジエーター側面や翼のカーブ部分などマスキング&塗装がややこしい。 

上面下地色

Nocciola Chiaro 4 

”ノッチョーラ・キャーロ”と読む、らしい。名古屋地方で「乗ってください、帰りましょう」の意。。。ではなく「ヘーゼルナッツブラウン、ライト」いわゆる榛(ハシバミ)色。「あの娘の瞳は榛(ハシバミ)色」などとよく例えられるが、それほどヘーゼルナッツは一般的なのだろうか。

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ヘーゼルナッツ、、、まナルホドと思わせる見た目。日本だとドングリだろうが「君の瞳はドングリみたいだね」などと言うと別の意味になるのでお薦めしない。
カラーチップの色はしかしかなり濃い茶色。こんなの塗ったらチョコレートの飛行機にしか見えんだろう。FS表にはFS30219とある。 Mrカラー該当No.310。ベトナム戦争のF105などに塗られているアレ。ううむう、アレかあ、、、ちょっと明るめにしようか。。。

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P40のダークアースとどないちゃうねん?と言われそうだ、、、実際似たようなものかもしれん。キット箱絵のサンドよりはかなり赤茶っぽい。

斑点迷彩

実機はかなりくっきりした斑点のようなので型紙を浮かせて使う。まずはサンボルのオッチャンで練習。

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「せや、このころはワシもまだ水平尾翼ついとってん」

斑点の暗緑色はVerde Oliva Scuro

"ベルデ・オッリーバ・スクーロ"、、、名古屋地区で「ベルを鳴らして降りたら近くですよ」の意味じゃなくて「ダークオリーブグリーン」ベルデ(ヴェルデ)が緑なのはサッカーファンにはおなじみか。FS34052でMrカラーに該当色なし。例のカラーチップを見るとほぼ真っ黒け。このカラーチップ通りにノッチョーラとオッリーバを塗ったら「ダッシュ5、土の化身」みたいになるだろう。

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RLM70が近似色という話なので半信半疑で首をかしげながら 塗料棚からMrカラーNo.18、往年の「ブラックグリーン」を召し出す。「おお、殿!お久しゅうござる。モノグラム1/48 メッサーE型で使われて以来のご奉公ですわい!」
。。。殿、無言で「緑」をたぷりと加えて色合わせおはしけり。

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色合いもボケ具合もまあまあいい感じ。

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復元機を再掲。

試しに斑点をフリーハンドで吹いてみたが、、、
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やはりボヤけてしまうし、イタリア機特有のあのアメーバみたいな形の斑点が再現できない。「いやオマエがヘタクソなだけやろそれ」

 キットの塗装図を1/48に拡大コピーして型紙を作る。

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ヨレヨレにならない様に厚手の用紙を使う。
タミヤの飛燕などの塗装図は最初から1/48になっていて手間が省ける。f:id:sigdesig:20200211213627j:plain

そして斑点模様を切り抜いていく。アメーバ形状の凹部が非常に切り出しにくい。棟方志功ばりの鬼気迫る集中力、、、はあいにく持ち合わせていないのでチマチマ切り抜いていくしかない。

"塗装図なんてものはさ、写真に写っていない面は想像に過ぎないんだ。寸分たがわず切り出したところで意味なんてあるもんか"
"まあ、せっかく長谷川さんが苦労してくだすったんだから、嫌味など言わずに有り難く参考にさせていただけばよろしいじゃありませんか"。。。などと昭和のホームドラマの洋服ダンス前の夫婦の会話を独り芝居しながらも切り続ける。もちろんこの型紙は塗装の前日までにカットしてある。


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その型紙の裏にブルタックを小さなお団子にして貼り付ける、、、メンドクサイ。

 

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オッリーバ(緑)を吹き付け。塗料は濃い目にして一発で決める。あまり何度も吹くとメンドクサイので、型紙の浮いた隙間から塗料の飛沫が入りこむので。

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それでも塗料が飛散する、、、後でタッチアップだ。これは想定内なのでオッリーバ(緑)は別のハンドピースで吹いている。ノッチョーラ(茶)はもう一本のハンドピースのカップに入れたまま待機中。

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当社の誇るツインエアブラシシステム再掲。そんな大層なもんかい。

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胴体は胴体で型紙を貼る。正直メンドウだ。

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右側。

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左側も同様に。

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上面は上面でまた別の型紙を、、、メンドクサー。

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型紙と型紙の間のツジツマの合わぬ所が当然出てくる、、メンド、、フリーハンドで誤魔化すよ、もう。

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上面色の回り込みはこんな感じ。 これでは対空砲火に狙われやすくなる。一体何のため?モデラーいじめ?それともオシャレのつもり?などといぶかしんでいたが、零戦52型の主翼尾翼の前縁が同様だった。イジメはともかくオシャレを日本の軍隊がするとは到底思えないから、やはり地上駐機状態で上空の敵に少しでも見つかりにくくする為だろう。敵陣営に攻撃に行くよりも、自軍の飛行場が機銃掃射などにさらされる事が多い、つまり制空権を失っている、ということ。

 

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さて斑点塗装の飛び散った部分をノッチョーラ(茶)でタッチアップ。タッチアップで飛び散った塗料をオッリーバ(緑)でタッチアップ、、、ノッチョーラ、オッリーバ、ノッチョーラ、オッリーバと二本のエアブラシを持ち替えて乗ったり降りたりを延々と繰り返す、、根気がないので適当な所でギブアップ

忘れ物

フッフッフ、タイガー、何か忘れておらんかね。

・・・ハッ!

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オー!マンマミーアー!尾翼の十字をマスキングし忘れていた!

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くそう、ミスターXめ!
全体マスキングにはビニール袋やラップを使うのである。

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たったこれだけのために、、、もう一度エアブラシを準備する。何ぁ〜にが「ナニゴトも手順ですよ」だろうねえ。

 

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苦労の甲斐あってクリーム色も白に見えつつもしっとりと馴染んでいる。尾翼の十字は発色の為に何度も塗り重ねたのでマスキング端が捲れ上がってしまった。。。こんなんツマヨージの腹でこすってやったらよろしおす。

 

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気付くと我が一畳半工房は換気扇と空気清浄機とコンプレッサーの轟音に満たされ、シンナー臭が充満している。。。時計は深夜プラス2.5。。。

 

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