息も絶え絶えラストスパート!ゴールは間近だ。
機番問題
零戦も52型くらいになると尾翼の機番のサイズも随分と小さくなる。これも制空権を失いつつある証か。字が小さくなると老眼モデラーにとっての手描き難易度が飛躍的に上がるので当方としては切実だったりする。サンボルのおっちゃんでチャレンジだ。
タハハ、この有様、、、何度か描いてみたが自分にはまだまだ実力不足と判断。
まあここは当初よりキットのものを使うつもりだったのでさほど問題ではない。実はこの「61-108」号機には胴体に青帯がある事を貼った後で気付いた。いや単に見落としていただけですが…
「オー、マンマミーア!ペルドーニ」、、、あっ違った今回は日本人だ、ええと「何やッとるか貴ッ様〜」このまま海軍精神を棒で注入されてはたまらないので慌ててデカールの青帯を貼ったらそこだけ妙に浮いてしまって見るに耐えず即座にはがす。手描きしようにも両サイドに細い白縁がついていて、日の丸のフチのトラウマがよみがえる。
そこで一計を案じてみた、、、
61-103号機だヨ!
、、、って「8」を半分に切っただけか。フリーランスの領収書改ざんじゃあるまいし、大体261空103号機なんて記録あるのか?。。
「3」を動かして「1」を書いたヨ!「3」も少しタッチアップしたヨ!
ほ、これならそれっぽい。「61-131」号機なら写真がある。。。
、、、「3」の字体が違うねえ、、、
修正したヨ!もうこの辺で勘弁して欲しいヨ!
まあ、こんなもんだろう。これもまたハイブリッド・マーキング?!、、という訳で「塗り」はここらで終了とする。
トップコート
塗膜とデカールの保護、艶出し、筆跡の補正を兼ねてのトップコートを施すことにする。いつもの様に水性クリアを吹き付ければ早いのだが、実はジョバンニ・ベンチュリーは未来人がけしかけた犬に頭を噛まれて凡才になっており、従ってベルヌーイの定理も発見されず、つまりスプレーというものが存在しない世界で、人々は全ての塗装を筆塗りで行なっていたのである、、、
という安手のSFアニメにありがちな設定ということにして無理矢理筆塗りしてしまう。折角ここまで筆塗り一本で来たのだから今更エアブラシやスプレーなんざ使いたくないのが本音。
クリア代わりは水で薄めたマット・バーニッシュ。画像の通り白濁していて模型に塗るのに一抹の不安はあったが乾けば問題ないことは「実験体 第四十七号"サンボル"」で確認済み。ただしカッサカサのつや消しになっては「零戦ヌカ雑巾で毎日磨き隊」の人たちが不服を申し立てるのでこっそりペインティング・メディウムを混ぜておく。マット・バーニッシュはファレホのものが粒子が細かいのかきれいに仕上がる、気がする。。。よう知らんけど。[よう知らんけど];主に関西人が使う。文末に付け足された場合は不確かな情報の免罪符として用いられる。内容は全く事実無根であることが多い。
カウリングもつけてツヤを合わせる。荒れた塗装肌にしっとりと潤いが出て吉瀬美智子のニベア肌、といった風合い。彼女のファンである自分としてもまことに嬉しい。これでなんとか見れる様になり模型として赤点は免れた様に思うが。。。41点!
風防その他小物
ここでいよいよ鼻息荒くゼロの風防のマスキングの端っこを剥がしにかかる。
ジャーン! 段差部分のカピカピは爪楊枝の腹などで軽くこすって落としてやる。
第一風防枠のスレハゲ具合がいい感じ。これはマスキングしないと筆塗りだけでは無理だった。機銃口から風防にかけてのうねりが、獰猛な猫科の獣の強靭な筋骨を覆うしなやかな皮膚を思わせる様で「零戦の肝」だ、といつも思う。
いかんいかん、うっとり眺めてる場合ではない、スピナとプロペラを忘れていた。
赤褐色も自作せねばならないのだ。Mrカラーを参考にバーント・アンバー、ミキシング・ヴァイオレットにランプ・ブラック少々。
先端の黄帯、銘板なども手描き。本体同様に水+綿棒でこすってヤレ感を出す。仕上がりにはやや不満が残るが、ここまできてズルムケるとさすがに凹むのでどうしても綿棒を持つ手もひるむ。
主脚等を取り付け。実機写真を見ると着艦フックは外してあるようにも見えるが、、、ともかく付けろとの長谷川様のご指示に従っておく。
おろ?機銃のパーツが片方見当たらない。どこかへ行方知れず、、、ええい是非もない。
チャックにくわえた真鍮管にケガキ針を差し、リューターを低回転で回す。
九九式二号銃の出来上がり。長砲身高初速に生まれ変わった二十ミリ「これでグラマンしばいたんねん」
もちろん両側作る。わずかにラッパ状の先端がチャームポイントだが、こういう一対ものの形を揃えるのが自分はことに苦手だ。
怒涛のがぶり寄りでアンテナ柱その他の各パーツをつける。
排気汚れのパステル少々のみでスミ入れやウェザリング、ドライブラシなどはしていない。それでも実感は十分。これで出来上がりとする。
これにて「謹賀零戦筆塗り」も大団円を迎える。
長文読了感謝、駄文乱文陳謝であります。
次回は完成品画像を。