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万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

「謹賀零戦」その五 ”筆塗りに昂る"

塗装なのである。今回は筆塗りでいく。

正月からエアブラシ を使うと縁起が良くないという言い伝えが自分の生まれた地方にある、、、訳がない。ま、コタツでミカンを食べながらお気楽に呑気に、がコンセプトの「謹賀零戦企画だ。ラッカーシンナーだのコンプレッサーだの新年早々せわしないのは堪忍しとくれやす、が本音。そろそろ正月気分もぬけてきているのに「謹賀」もないだろうが、作ってる時はまだ松の内だったのだ。

筆塗りではどうしても塗膜が厚くなる。ムラ筆目も出る。昨今ではそれを重厚な質感表現として残しつつ、ラッカーと面相筆の緻密な筆塗りで平滑な塗膜を得る超絶技巧が模型界を賑わしている。実際の作品を拝見した事もあるし製作動画も見た。とてもじゃないが自分にはあんな真似は出来ない

元々自分は1/72の単色塗装ならアクリル筆塗りでやっつける事が多い。おい見ろ筆塗りだ、ムラムラだ、手抜きだ、ヘッポコだと蔑まれ横目で睨まれてきた。1/72は自分本位の作る楽しみ、並べる楽しみに重きを置いている。何と言われようとカエルのツラにお小水なのでござる。この度も濃緑色一色なのでスプレーでプーでは間延びしてしまう。筆でペタペタお気楽にいくつもりだった。

 

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サンボルのオッチャンでのタミヤアクリル試し塗り(右翼はラッカー)

、、、だったが、先日絵の展覧会を見に行ってすっかり感化されてしまって、少し「塗り」に凝ってみようと思った。開戦時には日出処の謎の新鋭機として向かう所敵なしの勢いの零戦21型だったが、その後連合軍機の攻勢にもろくも崩れさっていく時期に登場したのが52型である。南方の強烈な日差しで色褪せた機体がその凋落から破滅に向かうイメージに合うと考えた。

 

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キットの塗装例は三種類。艦隊所属機や国内基地は褪色はさほどではないだろうから、南方サイパン島基地所属機が候補。キット説明書では零戦には珍しい雲型迷彩が指定されている。これはサイパン島陥落時に捕獲され移送される米空母甲板上の有名な写真が根拠のようだ。

 

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確かに雲型迷彩に見えるが、どうやらこれは米軍の手による日の丸マーク隠蔽の為のもので、褪色したところに揮発油か何かを塗りたくったらしい。全くアメちゃんは余計なことをしてくれる。捕獲直後の飛行場での写真などから日本軍がサイパンで運用していた時は単色塗装だったとの説が有力の様だ。

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サイパン島アスリート飛行場で捕獲された直後の零戦

無論、単色塗装もあくまで推測にすぎないし、迷彩で作ったとしても決して間違いではない。米空母上での状態を再現した事にはなる。他人の完成品指差して「これはウソ、間違い」言うやなんて不粋なことウチらようせえしません。

塗装色のリサーチは、一応した。

中島色とか三菱色とか灰色飴色諸説飛び交ってカマビスシイ。日本機の塗装色についての史学的なアプローチも否定しないが、自分は何も「零戦の真実」を探究する人ではない。趣味として楽しみながら零戦の模型を作る人である。それに80年前に1万機作られた敗戦国の軍用機だ、多少の差など些事末事、とばかりに己れの好みで調色した。塗り方一つで発色は大きく左右される。

 

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その塗り方だがいろいろ考えて極薄に溶いたガッシュ水彩画の様に何層も重ねていく事にした。薄いガッシュはムラが出る。塗膜も弱い。それを逆手にとって褪色表現をしてやろうという魂胆だ。実は一昔前にシトロエン2CVジオラマ でこの「極薄ガッシュ重ね」をやった事がある。なかなか古びた風情が出て面白かったのを思い出した。車を筆塗りだなんてカーモデラーから怒号が飛びそうだ。おお怖わ。

飛行機模型では初めてやる技法なので本番塗装する前にリハーサルを行う。今回はクフィルの姐さんに登場頂く。(サンボルの塗装剥がしが面倒だったので)

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なんだいなんだいどうしようってんだい。

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なにすんのさっ、濃緑色なんか乗せやがって、田舎侍の色なんざまっぴらだよ。

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そんな600kmも出ないようなポンコツなんざ用はないね、おとといきやがれってんだ。

 

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ほれ見たことか、あたしゃこの界隈じゃマッハ2クラスで通ってんのサ。

ううむ、やっぱサンボルのオッチャンかな。

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なんや結局ワシかい。そらあんなトリガラ婆さんの三角羽根ではあかんやろけどなーガハハハ。

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なんじゃこら弱虫ゼロのガキか。あんなもんターキー・シューティングでプーじゃい。

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えっらいゲチョロやんけおう?日の丸まで描いたんかい、どこの国のもんかわからんのう。

これで秘技「極薄ガッシュ重ね」の目処はだいたいついた。
次はいよいよ本番である。 

 

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