前回、不死鳥の如く復活した模型製作情熱カロリー総量に物を言わせて一気に塗装直前まで持っていきたい、ファルコである。
手始めに情欲の、、、
なんちゅう変換するか「上翼」のエルロン操作ロッド、キットではただの棒だったのをディティールアップ。いささかオーバースケールだが「こういう仕組みでエルロン(補助翼)を動かしているのだ」という模型的表現。あわせて「羽布張りの複葉機独特のクラシカルさ」も強調したい、という意図もある。
ただ単に「細かいことやってるんだぜ!」と自慢したい訳ではないのです。
プラ板と伸ばしランナーで誰でもできる簡単なお仕事。ただし上下左右で4つあるのでめんどくさい。
さあていよいよ、よく監視中だ、、、
なんちゅう変換するか「翼間支柱」だ。キットの支柱をとりあえずパーティングラインだけ落として眺めてみる。
太めの小学生が腕相撲しているようなボッテリ感と未成熟感がないまぜになった雰囲気。測るとこれも1.3mm程あるから72倍した実機なら9cmか。それじゃあ丸太小屋の柱だ。
これでもファルコは戦闘機だ。最大速度だって400km/h以上出る。「たったの400km/h!?」とスピットさんやメッサーくんは笑うだろうが、スパッドちゃんやソッピース坊やから見れば「夢の400km/h!!」だ。
自分はバイクに乗るので風圧というものを生身で味わう。ファルコの半分くらいのスピードしか出ないが、その速度ですら風圧は凄まじい。丸太を背負って走れば体が吹っ飛んでしまう。ジャンケンしたらグーしか出せない。対向車線の連中はなぜかチョキしか出してこないから負け知らずだ、、、え?ピースサイン?何なんそれ。
ともかく、この丸太小屋を少しでも「風を切って飛ぶ飛行機」らしくしてやりたい。
こういうのを、、、
こんな具合に。。。
脚のステー同様に真鍮パイプを潰して一本一本作ることも頭をよぎったが、片側8本左右で合計16本、そんなのきちんと組み上げられる気が全くしない。翼も支柱もてんでに傾くこと請け合いだ。それじゃ「へべれけで帰る磯野波平」みたいな複葉機になってしまう。
before
ここはキットのままでいくが良策とみた。トラス状の成形と巧みなパーツ割りのおかげで組めば支柱と翼の角度がピタリと決まる事は40年前の経験で知っている。何度も書くが、精密度よりも組み立てやすさ重視なのがレベル・ファイターシリーズの美点だ。これがもしエアフィックスのG50フレッチアだったら手を出す気にさえなっていなかったと思う。
美点は最大限に活かす、それが私の主義だ!と赤い仮面の少佐も言っている(?)
手間は掛かるがキットの支柱を削って薄くしよう。それでも「酔った波平」よりはシャンとするはずだ。つまるところ何の為にディティールアップするのか、だと思う。前述の様に精密さと超絶技巧で「そこまでやるか?!」と言わせたい訳ではない。ただただ、空飛ぶヒコーキらしく見せたいだけだ。手当たり次第に細部を凝りまくった蜘蛛の巣みたいな完成品よりも、ディティールアップは的を絞って極力キットパーツを活かしたスッキリ仕上げの方が自分はお好み。
after
支柱にアートナイフの刃を立ててヒーヒー削る。
前縁後縁の角を斜めに落とすダマしテクはここでも有効。プラモとしての一定の強度を保たねばならないから、薄くするといっても限度がある。最厚部で0.7mm位までは追い込んだが削っていると支柱がだんだんヒヨヒヨしてきて顔がひきつる。途中で折れたり曲がったりしたら二度と立ち直れなくなりそうだ。
パーツのW字の底の部分は下翼上面にレンガが飛び出てるみたいで目立ってみっともないから可能な限り彫り込むことにした。これも強度と相談しながら慎重に丸ヤスリで削る。やりすぎると完成後に支柱がひん曲がる、なんてことになりかねない。(画像下のパーツの方はまだ削っていない)
ま、なんとか飛行機の支柱らしくなってくれたようだ。
折れそうで気は使うわ、単調だわ、16本の薄さ加減も揃えないといけないわ、やってられないワ、と最後は百恵ちゃんにまで愛想つかされる難作業をようやく終えつつも「情熱総カロリー」は「汁なし坦々麺の冷やもり」をなんとかキープ。
「汁なし坦々麺 冷や盛り」お上品に頂いては旨くない。グッチャグチャにかき混ぜて食えば至福の味。
しかし、これで、これで遂に塗装に入れる、、、
あっ風防残ってるやん、うそ〜ん。。。