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万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

ミニベロに利便性を

さて、コンフォートさと青空を得た我がミニベロ「クエロ20」Ver.Gであったが、実用上無視すべからざる問題が残されていた。フェンダー、いわゆる泥ヨケが付いてないのだ。さらに言えば前カゴもない。聞けばこの手の自転車は初めから何も付いてないのが当たり前らしく、ライトやリフレクターが標準装備されているだけブリジストンはまだ良心的だそうだ。。。

 

サイドスタンドまでオプションで、これには驚いて購入時に追加で付けてもらった。スタンドなしで自転車を自立させることは少なくとも地球上では難しいと思うのだが、ふつーに皆さんどこかに立てかけたり、そのまま横倒しにしたはりますねー、と言うのでさらに驚いた。

これがフィジーとかバヌアツ辺りならともかく、この辺でそんな状況を見かけたら、それはもう放置自転車か事故現場かのどちらかで、頭の中には「通報」の文字しか浮かばない。(そういえば以前近所の駐車場に自転車が転がっていて、その持主と思しき男性がそばに座り込んでいた事があった。当時は相当不審に思っていた。)

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たしかにこうして見ると何も付いていない方が軽快でスッキリはしている。軽量化といってもタカがしれているだろうから、泥ヨケだの前カゴだの、んな所帯染みたモンつけてられるかってんでぇ、ってな「粋」「いなせな」心意気に溢れているのだろう。

自分もズボンの裾を泥はねだらけにしながら、トートバッグを肩にしてしのいできた。けれども趣味専用にしている自転車貴族階級な方々とは違って、日々の生活上の用向きにもこれ一台でまかなう我々自転車平民は、やはり利便性には勝てない。そうではないかシトワイヤン!雨降りには乗らなくとも雨上がりには乗るのである。スーパーで米を買わなくてもスブタ弁当くらいは買うのである。スブタ弁当が傾いてトートバッグに染み込むとスッパイ臭いが、、、

やむなく家人のママチャリの無断借用に及んだことも一度ならずある。どうやらあの小さな自転車はその価格に反して実用性は低いらしいゾと、家人らにもうすうす勘付かれる事となり、皆から「道楽自転車」と言われ「デクノボー」と呼ばれ、褒められもせず、苦ニモサレズ、 サウイフ ジテンシャ二 ワタシハ ナリタイ、とクエロが言ったかどうかは知らないが、持ち主は意を決して愛すべき我がデクベロにフェンダーと前かごを取り付けることにした。

 

社外品汎用品には色々と小洒落たフェンダーや前カゴがある。ハンドルステムやサドルと違って機能的に重要な部分ではないので呑気で気楽なカスタマイズが楽しめそう、というのが実は本音だったかもしれない。しかしいざ商品選定の段になってみるとライトやバックミラー(物欲が発動され既にカスタマイズ済み)などと違ってある程度は適合不適合を考えねばならないと知った。

小径タイヤにスポーツ車のフレームをアレンジしたミニベロ種族は自転車界においてはやや特殊な部類に属するらしい。(ワンコで言えばチワワとダックスフントのミックスみたいなものか)汎用品を買ったはいいが大きすぎて合わない、付かない、付いても不恰好、というケースが多いようだ。なので最終的には純正品、及びシリーズ流用を選んだ。

 無難で面白味に欠ける選択かもしれないが、ブログのネタの為だけに自らに無理を強いることからは生憎と卒業してしまっている。物欲もちいとばかし枯れてきたのかもしれない。

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フェンダーの汎用品は樹脂にメッキが多いが、純正品は素材がアルミなのでむしろ耐久性、質感が高いのではと考えた。届いたフェンダーは予想に違わず、なかなか高品質なもので裏側に黒い樹脂シートまで備えている。ところが純正といいながらも現物合わせでの穴開けが必要であった。一箇所だけだし大した作業ではないが、生産時に先に加工しておけない程の精度のブレが自転車のフレーム公差にはあるのだろうか、という素朴な疑問は抱いた。 

前カゴは汎用品ではおそらく幅が大きすぎてミニベロには合わないだろうと睨んでの純正品。 

 ただし、27inchのクエロ700cのパーツ流用である。すこし洒落たくて浅めにしたわけだ。大きなものはトートバッグに入れてからカゴに置く算段。枯れたと言ってもイロケのイの字くらいは残っているのだ。こちらの取り付けはステーを介すなどして済んだが、この下に移設してあったライトが操作しにくくなったのは想定外であった。

しかし、結果的にクエロはがぜん便利で実用的な自転車になった。
雨でも小降りくらいなら気にせず買い物に乗って行く。
「I'm Singin' in the rain~,Singin' in the rain~コンビニ弁当を買って、Happy again~」

と気分はジーン・ケリーである。
ミニベロはもともと小回りが効いて漕ぎ出しも軽快だからむしろ都市生活にこそ向いているのだろう。

ただし、なんと言うかある種の生活感が出てしまったのは否めない。つまり、パっと見、ヨシダさんちのオバアちゃんのミニサイクルそっくりなのである。。。

 

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これで「さすべえ(傘ホルダー)」と「後ろカゴ」を付ければ、めでたく大阪のオバチャリ標準スタイルとなる。カゴからネギが飛び出ていれば完璧だ。バネ付サドルアップハンドル「爺仕様」に加えて泥除け、前かご「婆装備」も追加されたのである。

 「クエロ20 Ver.G & B」。。。