sig de sig

万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

土の上

普段よく行く道からさほど遠からぬところでちょうど頃合いの休憩場所を見つけた。土手からバイクで降りて行ける川べりの小さな自然公園だ。

 一方には駐車場があって公園の遊具が遠くに見えている。タコさんの滑り台で遊ぶ親子や芝生にシートを広げてピクニックの準備をしている若い男女の姿もある。そこに無遠慮に踏み入るのは黒づくめの怪しい単車乗りとしてはいささか憚られる気がした。しぜん、バイクの鼻先は人けのなさそうな反対側に向くこととなる。

公園内の川沿いの道端には間隔を置いて植樹がされている。軽自動車が一台、道を乗り越えて木陰の下に停まっていて、釣り人だろうか、胡麻塩頭の爺さんがのんびりと長靴に履き替えている。

そこからさらに川下側の端までいったところで自分はモンスターのエンジンを切り、川縁りの土の上に押し込んだ。御誂え向きに木のテーブルセットがある。他に誰もいないのをいいことに、そこを独り占めすることにした。土日だとおそらく家族連れがお弁当を広げる場所となっていることだろう。

浮世の喧騒に無縁、、、とまではいかない。護岸された川ではあるし、対岸には鉄道と幹線道路を行き交う車も見える。近所のベーカリーで買った「厚切りハムとコールスローパン」ポットに入れたコーヒーなんかでリバーサイドランチ。これくらいには手頃な場所だろう。 

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五月にしては暑かった日だったから新緑の木陰で涼を得る。なかなかに気持ちがいい。 

なによりうれしいのはアスファルトやコンクリートではなく土や草の上で相棒のバイクと一緒に過ごせることだ。ひとり静かに清涼を愉しんだ後は、他人様の迷惑にならない様にと、お昼までにはひっそり引き上げる。


次に行ったら「バイク乗り入れ禁止」なんて立看板が置かれてませんように。

 

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喜ぶ怪しい単車乗り、愛馬と記念撮影に及ぶ、の段