これもやや旧聞に属する。
季節外れの画像にはご勘弁いただきたい。
ちかごろ、モンスターにサイドバッグをつけている、というお話である。
泊まりのツーリングなどでは30年ものの古い振り分けバッグを使っていた。
古いカバンについてはこちら ↓
コイツは以前タイヤに巻き込んでしまって破れてきた。自分で針と糸を通して補修してみたが、やはり縫い目から裂けてくる。想い出の染み付いたカバンではあるけどナンボナンデモそれでは危なっかしかろうと新調することにした。遠出することは減ったから今度は片側だけの小さなサイドバッグにして、これを常時つけている。
前回の教訓からタイヤに巻き込まぬ様に車体側にステーを取り付けた。むろん専用品など存在しないわけで、これも自作となる。
手前に黒いステーが二つ見えるが、あれでバッグの底がマフラーに当たって溶けたりせぬ様に浮かしている。このステーの正体は建築用の耐震補強金物である。軽くて強い、高張力鋼板の耐力11.6kNだ。(いやまあ単にウチの倉庫にたくさん余っていただけのことなのだが)その他もスチール部材で組んで、各部のボルトナットには緩み止めを塗っておいた。手では容易に曲がらない程度の強度はあるものの、耐久性その他についてはまったく保証の限りではない。だからこれまた良い子は真似をしてはいけない。
サイドバッグ自体は結局バイク用品を使っている。
ハーレーなどなら革の装飾のついたサイドバッグがほとんど純正オプションの様に普及している。あの手はモンスターにはちょっと合わない。もっとシンプルで、なろうことなら革のドクターバッグなどを流用しようと思っていたが、防水性、取り付け取り外しの便などを考え、とりあえず専用品とした(ボトルホルダーはミリタリーもんのレプリカだからこちらはいささか心許ない)
流用で思い出したが、知り合いのハーレー乗りが赤いランドセルを二つ、サイドバッグの代わりに付けていた。もう何年も前の話になる。
小さな黄色いマスコット人形もランドセルについたまま、コーナーごとにそれが揺れる様子がなんとも微笑ましい。ライダーは2人の娘の父親で、娘たちはもうランドセルを使わない年頃になっているんだ、と物語っている。ガタイのいいコワモテのハーレーライダーだけど「娘2人を育て上げた」優しい父親としての素顔が思い浮かぶ。
その後、ランドセルをつけたバイクをちょくちょく見かける様になった。
「ああ、みんな誰かのパパやママだったんだなあ」
とそのたびホホエマシク思っていたら、
「イヤあれはわざわざ中古のランドセルを買ったり貰ったりして付けてるんだ」と聞いた。何じゃそら。
さてそれはともかく、
そもそもドカティのモンスターにサイドバッグは如何なものか、という意見ももちろんある。確かにスポーティなイメージは薄くなってしまう。まあもうコーナーを攻め立てたりすることもないので、別にどう見られても構いはしないが。
そういえばサイドバッグをつけてからコーナーで煽られることが少なくなった。
のんびりツーリング中と思われるのだろう。
「あっしは、しがねえ旅ガラスでござんす」
「けっ、道をあけろい渡世人め。フォンフォンッ」
「へい御免なすって」
「フォンッフォオオオーン、ガッシャーン、ズザー」
ともかくもそんな次第でモンスターにカバンが付いた。
季節の変わり目にはダウンベストなどを入れておけば寒さに震えることもない。
それが嬉しい。
道の駅などで土産物も買えずに、無念の涙を飲んで帰ることが多かった。これで枝豆でも葉付きの大根でも地ビールでもなんでも買える。
それが嬉しい。