sig de sig

万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

真打登場 E-P5

バイクには超コンパクト機のGM5+超コンパクトズーム14-42+自動キャップ。
これでツーリングカメラは一応完結した。
 GM5については下記のとおり
 
 
単焦点レンズ20mm(35mm換算40mm)という画角にも慣れてきた。
ここでいよいよ本命レンズのパナライカ、25mm(換算50mm) f1.4 
 
といきたいところだが、、、
 
実はひどい腰痛を患って、一時期趣味関係からはほとんど遠ざかっていた。  
その後に大きな仕事にテンテコ舞い、オニの様なお役人さまの仕打ちにキリキリ舞い、
まるでリオのカーニバル阿波踊りをハシゴしたかの様な数ヶ月を過ごした。
 
そこで仕切り直しの意味も兼ね、カメラの方を刷新する事にしたのである。
 
(・・・ここに若干の論理の飛躍があるような気がするかもしれないが、
それはあくまで気のせい、気のせいであります)
 
無論、カメラはメインではない。「レンズを楽しむ」のがお題である。
そもそも今の"オリンパスペン E-PL2"はレンズに慣れるまでのお試しとして
5000円だったかの破格値で手に入れたとりあえずのカメラだった。
 
そろそろレンズを活かしきれる本命カメラに更新してもいいだろう。
 
何度も言っているが、「レンズを楽しむ」というお題である。
カメラはつまるところレンズを運用するプラットフォームに過ぎない。
レンズの性能を十全に引き出せるボディを選択するのは必然である。
何も新しい機種が欲しくなったからでは、ないのだよ、ゴホンゴホン。
 
もちろん、親父の趣味ごときに湯水の様に金を使う訳にはいきませんから、
古いカメラやルーターなどをヤフオクで売って得た”上がり”の範囲内で買うのですよ、ゴホンゴホン。
 
そんな我が選択はオリンパスPenのE-PL7、だった。実は。当初は。
 
コンパクトで軽く、最新の画像エンジン。
Pen-Liiteシリーズはカジュアル感覚でいかにも「カメラ女子」向けなイメージがあって、そこがちょっとステップセカンドフットだったのでテヤンデエとばかりにNikonV1に走っちまった自分である。そんな先代のE-PL6と違ってE-PL7は一回り大きく、前面が貼り革でいささか硬派な雰囲気となった。なので食指がムズと動くのだ。
    
さてそのE-PL7を見に行った店頭で横に展示してある似た様なカメラを見つけた。
同じオリンパスPenのE-P5である。性能仕様は上位だが少し世代が古い。
 
そのE-P5をうっかり手にとった瞬間、
「グラリ」という自分の心が傾く音が聞こえたかの様だった。
質感、塊り感、操作感、そのいちいちいちが当方の琴線をゴンゴン鳴らしてくれる。
 
一言で言うとE-PL7より”機械機械”している。
一旦このゴチーンとしたボディを味わうともう、いけない。
一眼レフのEos Kissでさえフニャフニャのペラペラに感じる。
 
こいつのボディは金属だ。重くて硬い、その上なんと塗装仕上げ。
金属の冷え冷えした感触をあえてカメラを持つ手に伝えてくる。
E-PL7の様に人工皮革を張って見た目と手触りを柔らかくする、という手管はない。
 
「ううむこれは」
唸らざるを得ない。
"佇まい"ってのは見た目だけではないのだな」
 
ネットで画像とデータ眺めてピイチクパアチクやってるだけじゃ、
わからないこともあらあな。
 
同じレトロ路線でもE-PLと違って間違っても「カワイー」とは言いかねるE-P5。
名前にLiteの"L"がつかないだけあって、一回りデカく重たく冷たく硬い。
つまりはターゲットは自分の様な五十の”ヒヒ爺い”さもなければ”メスゴリラ”
おそらくきっと。
 
E-P5の質量はあの”デク”ことNikon V1をも凌駕するだろう。
しかし小柄なE-PLを選んだとしてもEVFをつけてしまえば結局かさばるのは同じことだ。
そもそもペアを組ませる予定のパナライカの25mmF1.4は結構図体がデカいときてる。
それにツーリング用途にはコンパクト"ワルサーPPK" Panasonic GM5の備えがある。
もういたずらに小型軽量などを求めずとも窮すことのない自分となったのだ。
 
よし決めたE-P5だ。
 
さて、じゃあってんであちこち物色する。
するってえと「ボディ単体の新品」が随分な安値で出ていたんだなこれが。
お買得な「EVFセット」からEVFとレンズを抜いてボディだけ売り飛ばしたに違えねえ。
なんとも非道え仕打ちは定めし他モデルユーザーの不埒なる所業に相違ない。
不憫な「レンズなしE-P5ボディ」が雨に打たれてクンクン鳴いてると思ってくんない。
ここで我が家に招き入れなければ人じゃなかろうそうだろう、そうじゃあないかいエエ?てな訳で新同美品傷なしE-P5が転がり込んできたってえ人情話だ、泣けるねえ。。。
 
そいつをこう、じっと眺めてみる。
先代「女将」E-PL2は小柄でコロンとしていたが、E-P5はよりロー&ワイド、
大柄ながらもどこかしら小股の切れ上がったところがおありなさる。
 
この重さ、この大きさ。
片手でのホールドなどの生半可な態度で接すると、
「両手でしっかりと扱ってくださいな」とカメラが訴えてくる。
居ずまいと背筋を正して真っ直ぐにカメラに向き合う。
かと言ってフルサイズの一眼レフの様に周囲に居丈高な威圧感を撒き散らす、
という旗本退屈男的な尊大さは見られない。。。
いや、EVFをつけたら、ちょっとアブないかもしれん。。。OM-Dよりデカくなるぞこれ。。。
 
E-PL2と比べると向上著しいのが質感と精密感。
「ヂュキュッ」というシャッター音には痺れくりかえる。
我に想起させるは、かのNikon V1の素晴らしいシャッター音、精密感。
しかし、NikonV1とPenシリーズの最大の差はその操作性の哲学。
幸いなことに。
 
E-P5はコントロールダイアル二つを持ち、それらは人差し指と親指を自然に伸ばした位置にある。各々に露出補正と絞り調整(シャッター優先モードではシャッター速度)
が割り振られていて、カメラを構えEVFで被写体を目で捉えたまま、意のままに操る事が出来る。無論カスタマイズの自由度も高くダイヤルの回転方向さえ望む通りとなる。
 
ことほど左様にまこと痒い所に手が届く、気の利いたカメラは久方振りだ。
撮影時のストレス軽減のために、細やかなところにまで気を遣ってくれる、その心尽くしがじんわり嬉しい。”のれん”をくぐったカウンターでチョッと飲み過ぎたかなあ、と言えばそっと茶碗蒸しを出してくれる。例えて言えばそんな感じの
   
「小料理屋の美人若女将」(但し身長170cm元剣道部)
 といったところか。
 
これはもうゾッコン惚れ込まない方が、どうかしていよう。
 

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ま、自分の点がやや甘目になっているのは、比較対象が「デク」NikonV1だから仕方ない。自由自在なE-P5と、何をするにもメニューを呼出す必要があり、トンチンカンな動作で当方をイラつかせてくれた「不思議ちゃん」V1とでは全く天馬と地鶏くらいの差があると思う。