sig de sig

万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

夜の街の実力者の話。

とある方のご主人と立ち話。
その筋の方のお知り合いの話題になった。
 
夜はキャデラックに白のスーツ。
昼の顔は保険屋でカローラ
 
それでも常に最新のカローラの最高ランクを買う。
交差点で隣にカローラが並んだ時に自分のより上のカローラが来ない様に、
だそうである。

それが夜の街の実力者の「男を張る」という事らしい。。。

 

 

隣にクラウンやセルシオが来たらどうなのか、と聞くと「それはまた別」
そのクラスの中では常に「アタマ取ったる」ということだ。
なんだかよくわからない。
 
「男ならそういう生き方してみたいもんですなあ」
とTさんのご主人は言った。
 
自分には理解不能だ。
 
最高ランク、
というだけで自分に不要な装備だのエンジン馬力だのに金を払う意味がどこにある。
食べ物屋などに入るとその店で一番高いものを注文する奴もいる。
常に自分の支払額が人より上でないと気に入らない様だ。
そのくせ高くついた、高くついた、と不平ばかり言っている。
 
ただの俗物なだけであろう。
 
マッチョイズム、勝利至上主義、拝金主義、権威主義
あらゆる欲望を剥き出しにする。
他者との競争に打ち勝ち、自らにだけ勝利の女神の祝福あらんことを願う。
人生は一生競争、自己満足した途端にそいつは終わり、だという。
 
世の中は俗物だらけだ。
 
そう吐き捨てると、
「そ。でもそれが当たり前。世俗、というくらいでね」
旧知にして我が最大の理解者であるN大先生はそう断じた。

「なるほど俗物でない方がどうかしてるのだな」
 
そう合点がいってからはあまり腹も立たない。