sig de sig

万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

バイク雑誌の反省

図書館の雑誌コーナーで、"A"出版社のバイク誌を見つけた。
中を見て「おおっ」と思わず声をあげそうになった。
 
「公道でバンクの深さやコーナリングスピードを競うことに何の意味もない」
 
と大書されていたからだ。。。
 
 
 

 

実は、今までこの出版社のバイク雑誌に自分は馴染めなかった。
元GPレーサーの初代編集長氏のライディングテクニック講座とやらでは
とにかく腰を落としてのハイスピードライディングを推奨する。
自分は公道でそんな走りをする必要を感じない。
 
編集長氏の日本語は不可解かつ情動的で、自己の理論とテクニックを唯一無二と
して異論は許容しない。やや狂信的な雰囲気が雑誌全体を覆っている。
なので購読はおろか本屋で見かけても立ち読みすらしなかった。
市の図書館でバイク雑誌があるのは珍しい、と手に取ったのだ。
その巻頭特集、コーナーでのライン取りの図解がある。
 
今までなら、お定まりのアウト→イン→アウトだった。
それが、
 
右カーブならアウト→ミドル→ミドル、
左カーブならアウト→イン→ミドル。
と解説してある。
 
ラップタイム志向でもコーナリングスピード追求でもなく、
センターラインから距離をおくライン取りである。
言うまでもなく公道では対向車がいる。
それとの接触の危険を念頭に置いている。
 
明快にしかし力強い主張。
 
「公道でバンクの深さやコーナリングスピードを競うことに何の意味もない」
 
思わず膝を打つ。
 
しかし、ここまで言い切るとはこの雑誌的には「180度の転換」だ。
 
文末の署名を見ると、この原稿を書いているのは出版社所属の編集者ではなく、外部の人間だ。こちらも世界レベルの元レーサーだ。
だから初代編集長氏も黙っているのだろうか。
 
ライダーの平均年齢が50歳を越えているという。
日頃、バイク雑誌で公道でのヒザスリやレースごっこを推奨するのは如何なものかと思っていた。
 
この路線変更は大歓迎だ。
ポーズだけでなく、本物ならば、であるが。