sig de sig

万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

その後のV1

自分は景色を楽しみながらバイクに乗る人間だ。
 
走っていて「おっ、これは」という風景があったら道端にバイクを止め、
跨がったままカメラをサッと出してパッと撮り、すぐにまた走り出す。
これが当方のツーリングカメラスタイル、なのである。
このNikon V1がそういった使い方にハマってくれるかと言うと、なかなかそうは
いかなんだ、というお話である。。。
 
 
ポーチからサッ......イヨッコラショっと引っぱり出して、
とりあえず一発撮る
一発目で思い通りの画が撮れるかというと「アレレ」という場合もむろんある。
 
あるいは携帯性の関係で常に短いレンズが付いているから望遠にしたくなる。
というより交換出来るモノはとりあえず交換したくなる。
「したくなる」のが男の子というものではないか。
 
レンズ交換は馬上ならぬバイク上では極めて気を使う作業となる。
しかし本当に面倒なのはその後だ。
いちいちカメラ側の設定を変えねばならない。
これは交換レンズごとにナゼか写り味が違うからだ。
 
出来上がった写真の青空の色がそれぞれバラバラ、というのは自分は気持ち悪い。
以前フィルム時代に持ってた同じNikonの一眼レフではここまで差はなかった気がする。
不思議だ。
いや天下のNikon様のおレンズにズブの素人が文句を付けるなど大それた事はしないが。。
 
まあともかく色々設定をイジる。
ジれるものは「イジりたくなる」のが男の子というものではないか。
 
そういう場合のV1の操作性は前述の通りとても面倒くさい。
うつむいて液晶画面を見ながら十字キーをチマチマしている姿は、遠目に見れば
バイクに跨がってうなだれている変人だ。
誰も見てやしないからいいようなものだが。
 
結局バイクから降りて、ヘルメットとグローブを脱いで、となる。
「おっ」と思ってから思い通りの写真を撮れるまでには手間がかかる。
 
段々とこれが億劫に思えてくるのを信州ツーリングで嫌というほど味わった。
 
なんというか自分の意思を写真に反映させようとした途端、このV1は冷淡になる。
「シロウトが設定イジクるのはお薦めしません。どうしてもというなら我々はもう面倒は見ませんから悪しからず」
背後のメガネに白衣のNikon技術者軍団がソッポをむく、そんな感じだ

前任がインターフェイスとカスタマイズ性では群を抜くRICOH機で
自分の手と目の延長の様に扱っていたから余計にV1の不器用さが気になる。

そうなると撮影という行為がストレスになる。
人前では見た目に気を使ってスマホばかりだ。
ポーチから引っ張りださず仕舞いでツーリングを終える事もあった。
それならデカくて重いカメラなぞハナから連れていかない方が気が楽だ。

またぞろ古いGRDだのを腰に下げる。
 
V1はこうして宝の持ち腐れ状態で置物と化していった。