次の日も御嶽は頭を雲間に隠していた。
と、しとしと雨が降り出す。ま、そんなことだろうと思ってたよ。今回は。
これでも単車乗りだからいまさら多少の雨では動じない。
革ジャンやブーツが濡れようが気にしない。だが腰に付けたカメラはそうはいかない。
どこかの軒下で雨宿り。
革ジャンやブーツが濡れようが気にしない。だが腰に付けたカメラはそうはいかない。
どこかの軒下で雨宿り。
娘さんが出てきて買ったばかりのスヌーピーのハンカチを貸してくれたけど、
傘の方が良かったかしら♪、というようなことは生憎なかった。
カメラとレンズをビニール袋とタオルにくるんで荷物の奥底へしまい込む。
途端に身軽になった。
もうこれで写真を撮ることもないだろう。
傘の方が良かったかしら♪、というようなことは生憎なかった。
カメラとレンズをビニール袋とタオルにくるんで荷物の奥底へしまい込む。
途端に身軽になった。
もうこれで写真を撮ることもないだろう。
フォトジェニックな場所を血眼になって探さなくてすむ。
対向車の様子から本降りとなりそうだったので道の駅でカッパを着込んだ。
ツアラーにタンデムの熟年夫婦が話しかけて来る。
ツアラーにタンデムの熟年夫婦が話しかけて来る。
こちらのナンバープレートを目ざとく見つけて破顔一笑で
「なあんやぁ〜大阪や〜ん、僕らもですね〜ん」
今回やたらと「大阪」ナンバーに遭遇する。
逃れようとしても絡まる糸もある。
絡まりすぎては疎ましいが、全くなければ淋しい。
集中力を保つためにまたも道の駅で休憩。ま、ゆっくり行こうや。
どうも南木曽のあたりでは雨に遭うことが多い気がする。
中津川からは幸い晴れた。高速でバイクに鞭を入れ、いにしえのオマジナイ。「ハイヨー シルバー!」
身をよじらせて加速するモンスター。
するとフロントカウルが猛烈な勢いでバタつき始めた。
元々このビキニカウルは友人から譲り受けた前期モデルのものだ。
後期型には適合しないのを愛着心から無理やり装着している。
後期型には適合しないのを愛着心から無理やり装着している。
取り付けステーはショップのメカがサービスで作りなおしてくれたものだ。
アルミのそいつがちょっとばかし肉厚が足らなかったということだ。
なので文句は言わない。
インシュロックと針金で応急処置をして、あとはソロソロと帰った。
インシュロックと針金で応急処置をして、あとはソロソロと帰った。
家に帰ってガレージでいつもの様に距離計を見る。
このモンスターも正規ディーラーなどでは
「そろそろエンジンのオーバーホールをお考えください」
なんて事を慇懃無礼に言われてしまうお年頃に差し掛かった。
もちろん、そんなお商売上手の言葉に乗るつもりはない。
海の向こうの異国の地に生まれた小さなメーカーの小さな単車が
高温多湿の日本で長の年月を過ごし、幾多の道をゆき、
機械としての寿命の終盤に差し掛かってきている。
そのことは十分わきまえておこう。
そのことは十分わきまえておこう。
それを充分理解した上で無理なく愉しみたい。
要らぬ重荷やことさらの負担は掛けない様に・・・
人馬共に・・・
心身ともに・・・
自分のために・・・
そう深く感じた信州ツーリング5年目の段。
了
♪よれよれコートのポケットにゃ
残り少ないポケット瓶
まだまだ酔えるさ十分に
どこかでつまみを探そうか♪
♪よれよれコートのポケットにゃ
残り少ないポケット瓶
まだまだ酔えるさ十分に
どこかでつまみを探そうか♪