理想のカフェ。
一年程前からか、いつ訪れても「閉店」したままになっていた。
店の前に立ち尽くして、バイクにまたがり引き返す、
そんな事を何回か繰り返した・・・
そしてこの春、
そこのマスターが既に帰らぬ人となっていたと知った。
残念だ。
もっとジャズの事を教えてもらうつもりだった。
もっとバイクの話をしたかった。
温かく、静かで落ち着いた雰囲気のお店。
高い天井、エヴァンスのピアノ、コーヒーの香り。
バイクで帰るときに奥様と二人でわざわざ外まで見送ってくれた。
あのNS1000Mから大音量のJazzはもう流れない。
大事にされていたセルのSRXはどうなったのだろう。
色はワインレッドじゃないかと想像させる、そんなオーナーの人柄だった。
いい人達ばかりが去っていく。
下らぬものばかりが生き残る。
下らぬものばかりが生き残る。
ここ数年そんな悔しい思いを幾度かした。
でも、彼の「最期の数年」になんとか私は間に合った。
ほんの少しだけでも会えてよかった、
と心から思える。
今日はうまいコーヒーをいれて、ケルンコンサートを聴くことにする。
・・・ありがとう。
「cafe ashihara」は最高の店でした。