一泊程度ならリュック一つくくりつけるだけでも十分だが
それでは「旅」の気分がでない。全くといって行く気にならない。
それでは「旅」の気分がでない。全くといって行く気にならない。
Mから貰った立派で新しいサイドバッグもあるにはあるが、今度はどうも大層すぎる。
とっかえひっかえ装着してみるのだが、どれもいまひとつ、しっくりこずに首をひねってばかりいる。
古い振り分けバッグがあったはずだ、と押入からひっぱり出してきた。SRXにもカタナにもSRにも乗せて来た。あちこち傷んでカビ臭い年代物だが、一泊で佐渡島にトンボ帰りしたのも、一週間四国山中を走り通したのもコイツだ。
今更ながら汚れを洗い落としてモンスターのリアに積む。
と、一気に「旅ガラス」の風情が出たではないか。
これこれ、これでなくては、と喜んだ。
もう無性にツーリングに出たくなった。
自分は実に安直な男にできているとその時は思った。
これこれ、これでなくては、と喜んだ。
もう無性にツーリングに出たくなった。
自分は実に安直な男にできているとその時は思った。
旅装は整った。
朝早く起きて勇んで走り出す。
15分ほどで高速に乗った。
自分の家はそう考えると恵まれた立地条件ではある。
乗ったはいいがあまりペースを上げられない。どうも体がバイクに慣れない内に高速走行というのは、楽な様で実はそうでもないらしい。
なんとなくフロントとリアに違和感を感じる。前後に揺れるピッチングが収まらない。
路面の荒れにバイクが敏感に反応する。
速度は三桁にも届かず走行車線をオロオロ走る。
「ポルテ」だの「モコ」だの、間の抜けたエンブレムの洋菓子のような色と形のファミリーカーにばんばん抜かれる。
こちとら「ドカティ・モンスター」
なんてこった、名前が泣かぁ・・・
「ポルテ」だの「モコ」だの、間の抜けたエンブレムの洋菓子のような色と形のファミリーカーにばんばん抜かれる。
こちとら「ドカティ・モンスター」
なんてこった、名前が泣かぁ・・・