sig de sig

万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

ビスマルク追撃戦

ドイツの戦艦"ビスマルク"はグリーンランドの海峡にて英戦艦"フッド"を轟沈、"プリンス・オブ・ウエールズ"を撃破する大戦果を挙げた。

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ビスケー湾目指し離脱する"ビスマルク"

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追撃する英国艦隊は船足の遅い"ロドネイ"が加わって速度を上げられない。

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しかし英空母"アーク・ロイヤル"から飛び立った"ソード・フィッシュ"雷撃機の魚雷が"ビスマルク"の艦尾に命中、自慢の俊足を封じられてしまう。

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敵艦見ユ!

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手負いの虎を狼たちが襲いかかる(実際の距離は20km以上)

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攻守に優れる"ロドネイ"が挑む

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38cm砲で応戦する"ビスマルク"

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"ロドネイ"の主砲は40cm

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"キング・ジョージ5世"は最新鋭の射撃レーダーを持つ

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孤高のゲルマン魂と復讐に燃える英国艦隊の死闘

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堅固な"ビスマルク"は砲撃戦では沈まず、魚雷攻撃にようやく屈っする。

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三日間にわたる海戦は終わった。生存者は"フッド"3名、"ビスマルク"115名、両艦合わせて4000人以上の将兵のほとんどは二隻の巨艦とともに海に呑み込まれていった・・・

しかしこれは、ほんの前触れに過ぎなかった。

その後数年間にわたり、悲惨な大量殺戮の嵐が世界に吹き荒れることになる。


「模型かフィギュアかオマケか」 その2

ロドネイとキング・ジョージ5世が並んだ。

次はおもむろにビスマルクを取り出す。

しかしこのフルタ製ビスマルクについては残念ながらイマイチな印象と言わざるを得ない。チョビヒゲの小男的には髪振り乱して「Nein! ナイン!ナ〜〜インッ!!」と否定したくなる様な「ダスイストニヒトマイネビッスマールク!」感なのだ。

まず第一にサイズが小さい。

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並べるとキング・ジョージ5世と同じくらい。本来のビスマルクは優にふた回りは大きい巨艦である。若い時分に1/700ウォーターラインでこの2艦を作った事があるが、ビスマルクの船体の異様な巨躯には度肝を抜かれたものだ(ディテールの甘さにはもっと度肝を抜かれ、結局は未完に終わる。まあアオシマだったからネェ・・・)

一方フルタのこのシリーズ、大きさは箱の都合に合わせているので実はどれもこれも全長12cm位。並べて比べてドーノコーノという博物学的愉しみ方には向かない。この辺がノンスケールの痛い所だ。しょせんフィギュアなのだよなあ、と感じてしまう。

そして残念第二は姿形があまり似て無いことだ。

フルタ↓

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実艦↓

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艦橋周りがかなりの別人感。さらに中央部の幅はもっとでっぷりと太いと思う。「似てない」というのは卓上フィギュアとしてもガッカリポイントである。その点、ロドネイやキング・ジョージ5世はどちらもそれなりの雰囲気はある。そもそも個性的な面構えで似せやすいから、というのもあるかもしれないが・・・

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この並びである。軍艦になんの興味もないごく普通の一般人であれば、まずビスマルクとは判別できんだろう。おそらく英国R級、ロイヤル・サブリンあたりかいなあ、と思うのが精一杯ではないか。

大きさは今更どうしようもないから、艦橋を途中でニッパーで切り詰めてやった。オーバーなレーダーも艦橋の最頂部も、波平の植木の剪定よろしくパッチンパッチン切り飛ばして全体像を近づけるようにしてみた。

Before↓

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After↓

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低く構えたドイツ艦っぽさは出たように思う。欲を言えば特徴的なキノコ状の測距儀を再現したいし、太い副砲、マストあたりを真鍮線で作り直せば・・・例のチョビヒゲも欣喜雀躍するだろう。う〜む、どうしたもんか、とチト悩んでいる。

フィギュアだろうがオマケだろうがやっぱりそんなことを考えてしまう。自分が独眼流だろうがモノアイだろうが、やっぱり俺は根はモデラーなんだなあ、と思った次第。

「模型かフィギュアかオマケか」その1

“ロドネイ”が出来たら次は“キング・ジョージ5世”が欲しくなる。それがまっとうな人間というものである。そして“ロドネイ”,“キング・ジョージ5世”とくれば「ビスマルク追撃戦」を再現しよう、という考えに至る。それが正統なジェントルマンというものである。

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むろん、ドイツのチョビヒゲがご贔屓、という向きもおありでしょう。どうぞ”プリンス・オブ・ウエールズ“と”フッド“を揃え「巡洋戦艦轟沈!」ごっこをなさるとよろしい。しかし生憎とこの“フルタ軍艦コレクション”には“フッド”はラインアップされてはおらぬようだ。真っ赤になって地団駄を踏むチョビヒゲが眼に浮かぶ様ではありませんか。おっホン。

というわけで、紳士らしくやおら他人の押入れを漁ることにする。早速“ビスマルク”と“キング・ジョージ5世”をセットで発見、これらをメルカルことにした。それにしてもこの二つをセットで隠し持つとは、出品者もさぞかし恰幅の良い英国紳士に違いあるまい。

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ともかく、いざ開封。中身は英独のゴツい戦艦がゴロリと出てくる。手前ビスマルク、奥側キング・ジョージ5世。まずはキング・ジョージ5世から取りかかろう。

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ロドネイよりもさらにパーツが少なく砲塔3つにマスト2本、旗竿1本という 潔さだ。さらに迷彩のスカイブルーも爽やかに施されている。はて「これビスマルク追撃戦時なん?」てな疑念も湧いてくるが、そこはフルタのオマケ、「いいってことよコマけえこたあ」とスルりと流す。

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ロドネイの時に筆が入り込まなくて困ったので先にウエザリングしておく。人間いくつになっても勉強である。

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ウェザリングカラーは溶剤は使わず生乾き状態で綿棒でこすり倒すとのっぺりした平面にも表情が出てくる。あとは砲塔とマストと旗竿1本。これなら拙者のような独眼流でも簡単に組み上げられるわい。

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しかるに、いささかマストや旗竿が大げさすぎやせんかの。精密感なぞはもとより望んではおらぬが、これではまるで日露戦争時の戦艦「三笠」みたいではござらぬか。ということでマストの先の方だけニッパーで斜めにカットしてやる・・・あまり効果はないようだ・・・

接着剤不要のフィギュアなんだからオーバースケールなのは仕方ないとして、特にマストなど要らぬところまでコチャコチャと再現しているため、かえって実感、巨大感が損なわれてしまっている。

昨今の艦船模型の究極ディティールアップの真似なんかする事あらへんのにぃ、などと思う次第。(舷側の両用砲などは砲身があっさり省略されている。そのくらいで丁度いいのだ)

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ドライブラシをかけてハイライト効果でディティルが浮かび上がらせる。さながらカンタベリーあたりの霧煙る古城の幽霊屋敷。こうして見ると、これまた立派なキング・ジョージ5世だ。

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無骨なロドネイの横に並べれば女王陛下の騎士団と言った趣きである。脳内には当然"God Save the Queen"が鳴り響く・・・いやピストルズの方じゃなくて・・・

 

モノアイ モデラー

片目がきかないモノアイ状態ではたしてプラモデルは作れるか?

まずは試してみよう。

作りかけの1/48の英国の軍用車両を引っ張り出してきた。

最初にパーツを切り離す。これからしてが難儀である。遠近感がないのでランナーと部品の間にニッパーをうまく割り込ませられない。

次はなんとか切り取った部品のパーティングラインやバリ落とし。これも以前の様にヒーヒーシャコシャコと軽やかにはいかない。指の感触を頼りにソロリジョリ、ソロリジョリと削っていく。

塗装も同じことだ。筆が空振りしては苦笑、をなんども繰り返す。これまた右手の中指をパーツにあてておいてそれで距離を推し量ってはズル〜リズル〜と塗っていく。

筆先のコントロールもへったくれもない。タイヤとホイールすら塗り分けられない。去年の今頃はハムスターの前歯みたいなパーツに極細面相筆で機番を左右対称に描き込む、なんてことをしていたのだが、あんなの夢のまた夢だ。

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1/72ヘルキャットの脚カバー、こういうことをしているから眼を悪くするのかもしれない。

部品を取り付けるのは最後にして最大の難関である。

ピンセットで空振り連発の末、首尾よくつまめたパーツにチョン付けしようとした接着剤の筆がベッチャリついてしまう。本体に接着する時も目測を誤って全然違うところに持っていくから痕が付く。もうベチャベチャのグジョグジョである。

なんだか小学生が初めて作るプラモデル、みたいになってきた。

泣きたくなる。

これはリハビリから始めなければなるまい。

 

で、思い切りハードルを下げた。

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「フルタ 軍艦コレクション」の「ロドネイ」
彩色済み、砲塔やマストなど10個くらいのパーツをはめこむだけ。スケール表示はなく、だいたい12cmくらいか。手のひらに乗る。手乗りロドネイ。

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食玩やないかい!」との声が聞こえそうだ。

「プラモ屋で買うたからプラモなんじゃ!」と屁理屈をこねてみる。

「ほったら八百屋で買うたスイカは野菜なんかい!」と屁理屈で返されそうだ。

まあかろうじてセコイヤチョコはついていないから食玩ではないのだよ、消費税も10%払ったし。

むろん、今までの自分なら「パーツに色ついてんのはプラモやあれへん」などと言うだろう。しかし今は独眼流の身である。新たなルール、身体の状態に合わせたルールがあってもいい筈だ。今の自分にとって「フルタ 軍艦コレクション」の「ロドネイ」はその難易度において十分プラモデルなのである。

それが証拠に、こんなオマケみたいなのにも手こずっている。10個ほどの部品をはめこむのにどれだけ時間がかかったか。色が塗ってなかったら丸一日では出来なかったと思う。

出来上がるとまあ、ロドネイには見える。こんな格好した戦艦なんて後にも先にもロドネイとネルソン以外ない(リシュリューとかもあるか・・・)

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副砲がうまく収まらない。実際は艦尾の砲塔は後ろ向きに付けねばならんところを、組立図の記載が間違っていたのである。

スナップキットは組むのは簡単だが、いったんハメ込むとキッツキツでなかなか抜けない。副砲と甲板の間に精密ドライバーの先を差し込む。当然片目だからこれまた五里霧中である。やっとの事で差し込んで「うんにゅーふんにゅー」とか言いながら副砲を抜いて正しい方向に差込み直す。ヤレヤレである。

クレーンや艦尾のポールなども尋常ならざる苦労の末に収めたが、ナンボナンデモ太すぎる。(実感を削ぐから後でみんな抜いてしまった)

調子に乗ってウエザリングをかましてみた。

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グンゼのウエザリングカラーは臭いが少なく無臭モデリングには持ってこいである。甲板にはグランドブラウンを、艦橋などの構造物や船体にはマルチブラックをと使い分ける、などという芸の細かさを見せてみる。

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さらに調子に乗ってガッシュのミディアムグレイで軽くドライブラシをしてやった。

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メリハリがついて立体感が出る。

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ちょっとモデラーが作ったみたいでしょ?

事務所のパソコンのディスプレイの下に置いてみる。

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ええやんコレ。

やるやんフルタ。

できるやんオレ。

これまで何気なくスイスイ〜ス〜ラリラッタとやっていたことがいちいち苦労の連続だった。しかし片目ゆえのその苦労そのものに本質があるわけではない。成果物としてのフルタのロドネイの出来などもむしろどうでも良い。このロドネイを作って面白かった、楽しかった、自分なりの工夫を自分なりに精一杯した、というところに価値があるのだと思う。

机の上のロドネイを眺めながら「世界の艦船」"特集・英国戦艦"なんてのを納戸の隅から引っ張り出して読んでいる。こんどはキングジョージ5世を作りたい、次はマストを真鍮線で作り変えてやろうか、なんて考えてワクワクしている。

これこれ、これこそが「模型作り」の醍醐味なのである。

 

モノアイ・モデラーの誕生である。

ニューポールNiD622-3「工房イスパノ・スイザ」エレール1/72 製作記

netで拾ってきた側面図などを参考に…

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 リベットを打つべし。

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リベットはテンプレートを使う。

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定規を使っていてもヘロヘロに曲がるのはナゼだ?

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う〜ん。凹リベットで実際とは逆なのは仕方ないが…

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一個一個のリベットを球状のリューターで掘り込んでみる。フリーハンドの方が整う不思議。穴は大きくなってしまったが、筆塗りの厚化粧で多少は埋まる事をセツに期待する。

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前回のデボワチーヌD510と同じやり方で真鍮パイプから排気管を量産。2021年上四半期におけるイスパノ・スイザ12気筒エンジンの排気管生産量で言えば、我がsig工房はおそらく世界トップレベルだろう。

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このように一本一本埋め込んでは瞬間接着剤で止めていく。お人形は顔が命、液冷エンジンは排気管が命。しかし本当にこんなに真横に突き出してるのか?空気抵抗とか考えてすこし後ろに傾けたりしてるのでは?という疑問は当然起こる。

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実際のイスパノ12Mエンジン。

これこの通り、排気管は男らしく真横にズドンと出ている。前回透視図で見たように、排気管の間の吸気管、さらにその下にはキャブも見て取れる。吸気と排気が同じ側のいわゆるカウンターフローだ。

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Vバンクの間はスッカスカ…なるほどこれなら確かに

「ちょいとムッシュウ、ここに機関砲でも挟んでみませんこと?」

なんて誘われたらその気になるかもしれない。

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これは前回のデボワチーヌD510の図

 

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さて今回は裏側にプラ角材を配して排気管を支えた。これで上下方向の角度は決めやすくなる。開口したキャブのインテイクは裏側からリューターで削り取って外板の薄さを表現。金属メッシュをだと向こう側が透けて見えてしまうから、縦横にケガいたプラーペーパーを貼って誤魔化す。

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機首の筋彫りを施し、胴体を張り合わせる。キャブ穴周りのモールドも削って大人しくした。排気管がシャープになって嬉しい。

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それに比べてこの機銃の眠たいモールドはどやのーん?

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うい、マダマゼル、掘らせてもらいムシュウ…

 

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ニューポールNiD622-2「最後のニューポール」エレール1/72 製作記

さてニューポール・ドラジェNiD-622、である。

本機について工房主に知識はない、皆目ない。ニューポールといえば第一次大戦のニューポール17など一葉半のコンパクトな機体に機関銃一丁の軽快な戦闘機、というイメージがあるきりだ。

そういえば大昔にレベルの1/72でニューポールを作った覚えがある…マーキングはナンジェッセ…あれ?ルネ・フォンクだったかな?…とまぁそんなところだ。

第一次大戦で名を馳せた名門ニューポールだが、第二次大戦ではその名を聞かない、と思ったら1936年他社と統合、国営化されていた。ニューポールの名を冠した(制式陸上)戦闘機はこのNiD62シリーズが最後となる。

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NiD62はWikipediaに日本語のページがない。日本においてはマイナーだという事だ。画像検索で写真を見つけたが「垂直尾翼がいかにも"ニューポール"っぽいなあ」くらいの感想しか出ない。他には「…ニワトリが描いてあるな」…これはスポンサーがコーンフレークメーカーだから、ではなくニワトリがフランスのシンボルだから…何にせよよう分からん国だ。

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ではキットを見ていこう。

これは機首周り。目を引くのは下の方に三つ並んだ大穴。機首の穴なら普通は排気管だと思ってしまう。実は上に並んだ6つの小さなポチポチの方が排気管。

1-2-2-1と並びやがって、この野郎てめぇさしずめイスパノ12Mの排気管だな…とわかるのは工房主が先日同じエンジンのデボワチーヌを作ったからに他ならない。では三つの大穴は何だろう?

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犬っころのようにクンクン嗅ぎまわってると箸でも棒でもなく資料にでくわすのだからネットの世界はありがたい。タダでNiD622の透視図を見ることができるとは思わなんだ。

ところが各部に振られている番号に対応する説明が削除されている。この辺がまあ、タダのタダたる所以だろう。

「ここから先は有料になります」とはネットで一番いけ好かない言葉だ。「貧乏人はゴーホーム」と言われてるみたいでさ、チェッ、スゴスゴ。

仕方ないのでナイ知恵を絞って見当をつける。クランクケースの横に見えるのがおそらくキャブレターだ…ソレックスだったりして…ナルホド一つのキャブで両サイドの気筒をまかなっているのでこんな風に排気管の間が空くのだな。1-2-2-1ではなく(1キャブ1)(1キャブ1)(1キャブ1)だったのだ。

インテイクを三つ別々に真横に開口するのは…まあそう言う時代だったというしかない。

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このリベットもかなり盛大なものだったらしいとわかる。

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こちらはキット。上の写真を見る限りそれほど大げさではないのだろう。しかし、このイボイボはちょっと気持ち悪い。なんだか生理的な嫌悪感を催す。

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なので寒イボみたいなリベットはキレイサッパリ削り落とした。ついでに排気管の穴もあけて真鍮パイプを埋め込むことにする。

ちと面倒臭い作業とはなるが、これはデボワチーヌD510でもやったディティールアップだから同じイスパノ12Mエンジン機を横に並べようとしたら揃えてやらなくては可哀想だ。

元はと言えば20歳くらいの自分が身の程知らずにもやり始めたことなのだ…まったく…となると下のインテイクの大穴も開口するほかはなくなるな…

やれやれ、どうやら前途は多難なようだぜ…

 

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ニューポール・ドラジェNiD622-1「翼よあれが巴里の街だ」 エレール1/72 製作記

デボワチーヌD510の次のお題を何にしようかと随分悩んでいた工房主。自分の中では各国の大戦間の航空技術的にエポックメイキングな機体を並べてみたいという思いが以前からある。羽布張り複葉機から全金属低翼単葉にいたるまでの道程を歴史的に辿れば面白かろう。

しかし意外とキットが揃わない。戦間期というだけあってどれも目立った戦歴に乏しい。華々しい活躍をした零戦やメッサーと違って知名度も人気もない。そんなものをキット化したところで見向きもされないのがプラモデル界。最新のタミヤセガワなどは望むべくもない。

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それでも探せばある。ただし怪しげな東欧のメーカーか、フロッグ、マッチボックス、エアフィックス、レベルあたりの太古のキットとなってしまう。そこら辺になるともう素で組み上げるだけで大変な労苦となるのは目に見えている。首尾よく完成したとしてもフロッグなどは粘土細工みたいなヒコーキが出現するだけだ。ボーンクラッシュ メイクス タイアードという故事の通りとなる。

こういう時に"エレール"というメーカーは有難い。よほど古いものを除けばそこそこの精度のものがカッチリ組み上がる。そしてアイテム選択が渋い。見事に他のメーカーと被らない。メッサーならBf109B/CとK、Me262は複座のB、とまさにマイナー路線。メッサーなら109GかE、あとは零戦や飛燕がウヨウヨ出ている日本とはずいぶん違う。

フランスのメーカーだから自国の飛行機にはひとかたならぬ愛情が注がれている。コードロン・シムーンやモランソルニエ223など他ではまず考えられない。文化遺産に対する考え方の差、というと大げさか。人と違っていることを何よりも尊ぶ国民性のなせる技かもしれない。

まあそんなことやってると商売的には左前になってしまうのが現実社会のキビしさ。何度も倒産、身売りの憂目にあっている。今回のキットも実は金型がチェコのSMERに流れた時期のものだ。これまた何故か我が家の押入れに長年眠っていたのを今しがた揺り起こして連れてきたニューポール・ドラージュのNi-D622。

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箱絵はイマイチ。古いエレールの輪郭線を省いた絵画風の箱絵が好み。

Ni-D622はデボワチーヌ500の前のフランス空軍の主力戦闘機。同じイスパノの12気筒液冷エンジンだが鋼管フレームの一葉半で主翼は羽布張り、とまさに戦間期の航空技術の推移を象徴するような機体。金属材貼り合わせの翼間支柱や脚柱のラジエーターが雰囲気である。原型のNi-D62の初飛行は1928年、パリにアールデコの風が吹いていた時代の話だ。

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箱の中身はこんな具合。

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デカールは良さそう。エレールのデカールは堅くて分厚いからこれ目当てでSMERを選択した、、、のかな?昔の俺は。ネットを漁るとエレールの古い時代の箱絵を見つけた。

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セーヌ川エッフェル塔、黄ばんで靄がかかったような空…いいねェ…

SMERの箱はさっさと捨ててこちらをプリントアウトして工房の壁に貼った。時々製作の手を止めて、マグカップで両手を温めながらコーヒーをすすり、その絵を眺める…いいねぇ…

 

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