sig de sig

万年青二才の趣味三昧、走る、作る、観る、聴く、憩う。

「悪女の情けに深スジボリを」F6Fヘルキャット-2 ハセガワ1/72

ヘルキャット、というのはそういう種類のネコ科の動物がいるわけでなく、直訳すれば"地獄猫"だが、スラングで”性悪女”などの意味もある。スピットファイア同様、こういった悪いイメージのネーミングセンスが欧米人のよくわからないところである。日本で言えば陸軍三式偵察機「般若」だとか海軍夜間戦闘機「夜叉」だとか命名するようなものだろう。ヤンキーじゃあるまいし。あ、本場のヤンキーか。

グラマンは伝統的に艦上戦闘機に猫がらみの名前をつける。F4Fのワイルドキャット(山猫)に始まり、F6F"ヘルキャット"(性悪女)F7F"タイガーキャット"(トラ猫?) F8F"ベアキャット"(熊猫)とcatつながりが続き、ジェットの時代になるとパンサー/クーガー、タイガー、とややありがちなネーミングに陥るもF-14"トムキャット"(雄猫)ではcatが復活。、、、と今更書くのもはずかしいくらい飛行機モデラーの常識だが、同社がCATにこだわるのは社長のルロイ・グラマンが飼ってた子猫の"ディーノ"が病気で亡くなったのを偲んで、、、というのは大嘘。

あばずれ娘の凸モールド

f:id:sigdesig:20200524204816j:plain

翼面や胴体前部は凸モールドをペーパーで削り落としスジボリを掘ってメリハリをつけてやる。

f:id:sigdesig:20200524204839j:plain

スジボリは"運河"とは言わぬまでも"用水路"程度には太く掘っておく。細いと筆塗りなので埋まってしまう、、、とは繊細なスジボリが出来ぬへたっぴの言い訳である。実のところ、筆をこの筋彫りで止めて溜まった絵具を流し込む、という変な目的もあったりする。

特に翼の折りたたみ部分はPカッター(通称キョロちゃん)を斜めに入れてケズるなどするとモデラーの自己満足に大変効き目がある。「ここでパッタァーン主翼たためますんやー」と見えたら幸い。この折りたたみ方にヒントを得た社長のルロイ・グラマンがクリップとケシゴムで廊下にネズミの絵を描いて和尚さんを驚かした、というのは大嘘。

全身リベットの妖しき毒婦 

f:id:sigdesig:20200524205126j:plain

スポット溶接を多用したコルセアと違ってヘルキャットは実機写真でも結構リベットが見える。結構毛だらけネコリベットだらけ。胴体後半は沈頭鋲ではなく、外板もタケノコの皮状になっていて”スティングレイ”に出てくる”ギントト=メカニカルフィッシュ”みたいである。

さすがグラマン鉄工所”と言われただけあって必要最低限の仕上げに留めて生産性を上げる合理的な考え方だ。その点でもコルセアとは対極をなす。 ヒコーキ大好きモデラーとしてはそういう所こそ表現したくなるってぇもんでやしょう。

f:id:sigdesig:20200524204913j:plain

リベット はいつもお世話になっておりますお手軽リベット ローラーでコロコロコロー。“いつも”と入力すると続いて“お世話になっております”が変換される悲しき零細自営業。

f:id:sigdesig:20200604230954j:plain

え?ちょっといがんでやすかい?これくれえぁ味ってもんでがしょう。まったく陽気のせいだね。

爆裂ボディの性悪女

リベットを打ってるとどこからともなくニンジャファイターが現れる。

f:id:sigdesig:20200524210250j:plain

むむ、面妖なるその水太り、何奴じゃ!?

オー、ジャッパニーズニンジャゼロ!リトルリトル蚊トンボネー

f:id:sigdesig:20200524210341j:plain

うぬ、与作の赤ベコかと思うたわ。さぞ身が重かろう。

ハッハー、2000馬力アルカラネ、ノープロブレーム。

f:id:sigdesig:20200524210531j:plain

というわけで早くも士の字に。

 遣り手婆あのカウリング周り

あっさり出来すぎたのでやや拍子抜け。要らぬディティールアップをしようと思いつくブログ主。小人閑居して不善を為す。排気管に伸ばしランナーをドリルで掘ったものを3本まとめてくっつける。

f:id:sigdesig:20200525170741j:plain

なんでそんな面倒なことをするかと言うと丁度良い太さの真鍮管が手持ちに見当たらなかったから。買いに出るのもチト憚られるStay Home. オヤジの趣味の買い物など要でも急でもないのが通例だが、なかでも「ナナニイのヘルキャットの排気管」ほど不要不急なものはちょっとほかに思いつかない。

それにしてもアッサリ味のカウリング。これじゃまるで京都アヤの小路フヤ町の昆布屋「仙波」のオボロ昆布である。

f:id:sigdesig:20200524205717j:plain

ゴリゴリと用水路スジボリを施し、、、

f:id:sigdesig:20200524205827j:plain

カウルフラップ周りを削り込んでメリハリをつけてやる。

ここガッバー開きまっせぇ〜、というふうに見えたら幸い。

f:id:sigdesig:20200524205919j:plain

用水路掘りしてリベット打ってこんな具合。いかにもアメリカはペンシルバニアグラマン鉄工所製のカウリング!という感じ。

 

f:id:sigdesig:20200525170857j:plain

カウリングをつけてみるとなかなか迫力の面構え。どうでえこれでこそ”宿敵グラマン!”って気がしてくるじゃあねえか。主翼の12.7mmx6門は切り飛ばして開口。あとで真鍮パイプを埋め込むつもり。

 

にほんブログ村 その他趣味ブログ 模型へ
にほんブログ村


模型・プラモデルランキング

 

PVアクセスランキング にほんブログ村

「出現、地獄猫」 F6Fヘルキャット-1 ハセガワ1/72

零戦52型、コルセアときて、さて次に何を作ろうか?

ゼロの32型もいいが、同じ機体ばかりというのもつまらない。コルセアのライバルといえばやっぱりヘルキャットだろう。 コルセアと同じ2000馬力のダブルワスプエンジンを積んだ機体ながら、180度違う合理的な設計コンセプトを比較するのも面白い。 ガッシュで作ったシーブルーもインターミディエイトブルーも余ってることだしな。そうしようそうしよう。

 

ナナニイのF6Fは確かハセガワのが我が押入山のどこかにあったはずだ。

分け入っても分入っても深い我が押入れ、なかなか見つからない。初販は確か70年代ではなかったろうか。とすればご老体である。裏山にキノコ取りに出かけたきり行方知れずになっていてもおかしくないくらいにご老体である。

ようやく発見し、虫の息のキットの中身を確認するといたって無事でホッと胸をなでおろす。押入れに紛れ込んで久しいキットの箱を開くと、胴体や翼がむごたらしく切り刻まれ、変わり果てた姿になっている事がよくある。魔物の棲む"恐怖の押入山"なのだ。 

凸モールド 

f:id:sigdesig:20200524202830j:plain

見てごらん全身凸モールドだよ…豪快だねえ…

今ならエデュアルドかどこかの良キットがあるようだが、そんな贅沢していてはいつまでたっても在庫が減らない。なにより無為自然のお気楽ナナニイ筆塗りには「ちょっと古いキット」くらいがお似合いだ。

それに、このヘルキャット、実機は胴体後部は沈頭鋲を使っていない。さらにその部分の外板の縁はタケノコ状に重ねてあり実機写真でも縦ラインはハッキリクッキリわかるほどだ。”グラマン鉄工所”と呼ばれる所以である。

f:id:sigdesig:20200524202940j:plain

これを凸モールドをそのまま残すことで表現してやろう、と例によって良からぬことを思いついたブログ主はほくそ笑むのであった。ぬひひ。

f:id:sigdesig:20200524203023j:plain

主翼や胴体前部は面倒だが掘り直すとするか。ねへ。

仮組

古いキットではあるがなんとなく基本形は悪くないように思って仮組みしてみるとどこからともなくR-2800の兄貴分がやってくる。

f:id:sigdesig:20200524203210j:plain

おーぅ、ヘル公やんけ。
おっとこいつぁサンボルの叔父貴、相変わらずデカイ腹回りで。

かましわ。こん中はのう、排気タービンのパイプ様がびっち〜詰まっとんねや、お前みたい燃タンつんだだけのボテ腹とちゃうで!。

f:id:sigdesig:20200524203149j:plain

フッ、そのお陰で航続距離が長げえんでね。大飯食らいのターボでB17に付いてけなくってP-51にいいとこさらわれるなんてヘマぁしねえ。

…なんやとぉ?おまえ1万メートルまで上がってこいや〜、700km/h出したらんかい。

ハッ、Japはそんな高いとこまで飛んでこねえさ、速度も武装もこれで充分。それ以上は無駄、ゼイ肉ってことよ。

…くっそ〜。いちいちムカつくガッキャのこいつ〜…… 

才能が終わると型式が始まる

さて、キャノピー後方はF6F-3にするなら開口してやる必要がある。

f:id:sigdesig:20200524205212j:plain

後期型のF6F-5にこの窓はない。つまりこのキットはF6F-5の胴体にF6F-3の主翼というケッタイなことになっている。だから「間違い!これはウソ!」などと糾弾したくなる。ところが実機ではそういう組み合わせも存在したようだ。

そこらへんは実戦配備された昔の軍用機なのだからして実際どんな機体があったか知れたものではないのだ。型式ごとの細かい差異や変遷にこだわるのもいいが、他人のキットをうかつに批判するもんじゃない、ということでもある。

 

f:id:sigdesig:20200524205305j:plain

ところでこんな便所の小窓みたいなのが役に立つのかい?スミス
ああ下手くそJAPのドン亀ゼロなんかに後ろを取られることもないしなァ、オーライ、ジョー、こいつは取っちまおう…

などと腹立つ会話がグラマン社で交わされたかどうかは知らない。第二次大戦も後期になるとP-51、P-47、スピットファイアや飛燕に至るまで、胴体を大改造してまで水滴風防にして後方視界を確保するのが潮流となってくるのだが、ヘルキャットはそんな時代に逆行する。確かにふてぶてしいドラ猫である。

素組のススメ

f:id:sigdesig:20200524205359j:plain

古いキットなのでコクピットはアッサリ塩味だ。こういうところには凝らないのもいつも通り。シートベルトはテープで自作し鉛筆で金具を書き込む。側面の操作盤などは少し立体化する程度でお茶を濁す。ビール瓶みたいな操縦桿も微笑みつつスルー。

古いキットを作る時には三蔵法師様のような寛容さでありたい。

「これゴクウ、そんなにいきり立つことはない。コクピットなど椅子さえあれば良いのです…」

 

 

にほんブログ村 その他趣味ブログ 模型へ
にほんブログ村


模型・プラモデルランキング

 

PVアクセスランキング にほんブログ村

ロールアウト ミュージック

模型が完成したら部屋を片付けてテーブルの上に飾り、祝杯をあげることにしている。燻製をする時にもBGMが必要なくらいな自分だから、かける音楽はその機体にふさわしいものを選ぶ。そうして完成品をためつすがめつ愛でてはグラスを傾ける。これがこの趣味における悦楽の頂点だと思う。


ちなみに昨年の完成品、隼一型二型が揃い踏みした時は、当然"加藤隼戦闘隊"

f:id:sigdesig:20200523170141j:plain

Fiat CR42ファルコの時は

f:id:sigdesig:20200523170319j:plain

バッハの"イタリア協奏曲"

発想がやや貧困か。


サエッタとフォルゴーレの時はイタリアものに困って、、、

f:id:sigdesig:20200523170404j:plain

フィリッパ ジョルダーノの"Casta Diva"

www.youtube.com

ならば今年の零戦は「ラバウル小唄」……

f:id:sigdesig:20200523170506j:plain

ではなくてリンダ・ロンシュタット"Love has no pride"

何で何で何で〜?

と各方面から問い質されてしまいそうだが、これは学生の頃、NHK零戦の特集番組かなにかのラストで零戦と隼の空撮(米軍による捕獲機のもの)のバックになぜかこの曲が流れていたのが由来。

www.youtube.com

リンダの哀愁溢れる歌声とラストシーンでバンクして飛び去っていく零戦の姿があまりにも美しくハマってしまって自分は感極まった。

www.youtube.com

この番組を制作した人が何で零戦にこの曲を選んだのかはわからない。

ただ、"But I 'd give anything to see you again. "
「もう一度あなたに会えるなら何だってするわ」

ウロンな自分でもこのくらいは、、、まあ完璧には聴き取れなくとも、、大意は掴めた。

何となくその「想い」=「空を飛ぶ零戦の勇姿を再び見ることが出来るなら…」に自分の気持ちを重ね合わす事ができたのだろう。ひょっとすると復元零戦が初の里帰りした時かもしれない。

以来、零戦といえばこの曲が刷り込まれてしまったのである。米国人歌手の曲なぞライトウイングな皆様方からは非難轟々だろう、逆にリンダのファンは妙な物のBGMに使うなと口を尖らすかもしれない。なんと言われようが自分の脳内だけは誰にも不可侵である。


さてコルセアの完成に何をかけるか、3秒悩んだ自分は星条旗よ永遠なれ”を選んだ。

f:id:sigdesig:20200511105423j:plain

ただしジミ、ヘンドリックスのアレ。

www.youtube.com

……エキセントリックなところがコルセアらしくていいやね。

祝杯の方も日本機なら日本酒、スピットファイアならスコッチで、などと凝っていた時期もあったが、フランス機やイタリア機になると揃えるのが大変だ。最近ではたいていいつもの安バーボンかコーヒーを淹れる程度で済ましている。

 

 さて次は何を作ろうか…

 

にほんブログ村 その他趣味ブログ 模型へ
にほんブログ村


模型・プラモデルランキング

 

"Smoke in the 坪庭"

Smoke in the 坪庭

べっべっべ〜ん

べっべっべべ〜ん

べっべっべ〜ん、べっべ〜ん

70年代を高校で過ごした人なら放課後の軽音楽部の部室から繰り返し聞こえるエレキギターのリフ、といえば誰もがわかる、あのアレ。

そうDeep Purple"Smoke on the water"である。

今回の「どこにも出れんウィーク」で暇を持て余したブログ主が坪庭で燻製をすることを思いついた顛末に、”Smoke in the 坪庭"という相変わらず馬鹿なお題をつけたのだ。

 

f:id:sigdesig:20200518220538j:plain

スモーク(燻製)は何度か経験はある。いずれも大型のスモーカーやダンボールなどを使ってアウトドアのはなしだから煙が長時間にわたって出てもお構いなしだった。自分のようなせせこましい街中の狭小な家に住む人間がやるとなると「ご近所さん」の問題が出てくる。

ベランダや庭でBBQやサンマを焼くなら食材の臭いで何をやってるかはそれと知れるから「BBQか、近所迷惑だなあ」程度で済む。しかし燻製はそうはいかない。「桜チップの華やかな香り」などと思っているのは当人だけで、その実ただの”木の燃えた臭い”に他ならない。何も知らない隣人にしてみれば漂うキナ臭い煙に「スワ近所で火事か?!」となるのは必定である。良識のある市民ならそんな世間騒がせな真似はしない。

別に燻製くらい大げさな仕掛けでなくとも中華鍋と焼き網と蓋があれば台所でだって出来るのだが、気をつけないと”木の燃えた臭い”が鍋にも蓋にも台所にも染み付いてしまう。良識のある家庭人ならそんな軽挙妄動はしない。

なんとかして誰にも迷惑を掛けずに家で手軽に燻製ができる手立てはないものか……と探せば家庭用のスモーカーはあるにはあるようで…… 

しかしこんなのわざわざ高い金を出して買ってひけらかすのは自分の美学と財布の両者が厳として許さない。はて困った。

メスティン

「自宅 燻製」というワードでネット検索の旅に出る。するとその最果ての地で「メスティン」というクッカーに行き当たる。メスティンとは四角いアルミのコッヘル(クッカー)の一種でスウェーデン軍御用達の飯盒だ(…しかしスウェーデン人はコメを炊くのだろうか?)

trangia(トランギア) メスティン TR-210 【日本正規品】

trangia(トランギア) メスティン TR-210 【日本正規品】

  • 発売日: 2012/04/17
  • メディア: スポーツ用品
 

実は自分も一つ持っている。

別段取り立ててスゴイものというわけでもなく、まあ取手がついたアルミの弁当箱程度のシロモノだ。むろん値段の高いオリジナルではなく中華製で、たしか1,000円もしなかった様に思う。四角いのでパッキングし易いというメリットはある。そういえば以前オプティマスの8Rを持っていたがあれも箱状になっていた。瑞典人はなにかパッキングに特別のこだわりでもあるのだろうか。

f:id:sigdesig:20200519114315j:plain

コヤツはしかしなかなかに火力が安定せず、取り扱いが難儀な曲者ストーブであった。
赤ガスも使えるので阪神大震災の時に世話になったが、それが最後のご奉公となった。

f:id:sigdesig:20200518234517j:plain

それはともかく、メスティン(ぱちもん)を引っ張り出してくる。これも古くから持っているエスビットのポケットストーブと組み合わせて避難袋に忍ばせてあった。

蓋ができるのであまり煙が出ない、小さいので短時間の燻煙ですみ、出来上がる具材も少量、というからオヤジの"坪庭燻製"にはもってこいである。蓋のあるクッカーなら別になんでもいいようなものだが、ちょうどぴったりサイズの網が燻煙する食材を浮かすのに好都合、というわけだ。

いざ燻す

f:id:sigdesig:20200518221047j:plain

さてジェリーマウスとなってトム猫の目をかいくぐり冷蔵庫からチーズとソーセージをせしめてきた。スモークチップは事前にホームセンターで購入してある。仕事で材料を買いに行ったついで、なので不要不急の外出ではありませんよ。こういう言い訳をいちいちしなければならないのだから面倒なご時勢である。

f:id:sigdesig:20200518221132j:plain

チップは適当にばらまく。アルミホイルは焦げつき防止。そこらへんにあったナットを下にかまして網とチップの間隔をかせぐ。

f:id:sigdesig:20200518221517j:plain

チーズは溶けるので後で投入することに。おつまみ用に秘蔵しているカルパスと素焼きミックスナッツも追加してみる。

f:id:sigdesig:20200518221617j:plain

火をつけてしばらくするとイイ匂いが漂ってくる。燻煙は5分から10分、ということでコレを聴きつつ待つ。

www.youtube.com

べっべっべ〜ん、べっべっべべ〜ん、べっべっべ〜んべっべ〜ん

f:id:sigdesig:20200518221722j:plain

一曲聴き終わってご開帳。本当は途中で蓋を開けないほうがいいそうだが、、、まあいいんだよ、細けえこたあ。。ソーセージから油が落ちている。切り込みは入れなくてもいいだろう。

f:id:sigdesig:20200518221815j:plain

カルパスはこの段階ですでにカリカリだったので取り出し、チーズを投入してもう一回Smoke on the water。一曲5分半ほどだからちょうど目安にもなる。

f:id:sigdesig:20200518221922j:plain

写っていないが多少煙は上がる。上がる煙がシャクのたね。隣は何をする人ぞ。
「雅び」なはずのお茶室の坪庭でワイルドなスモーク。流れる曲は70年代ハードロック。おっさん菜箸でドラム代わりにジーンズのフトモモを叩く。。。なんたる違和感。

燻製出来上がり

f:id:sigdesig:20200518222142j:plain

べっべっべ〜ん、べっべっべべ〜ん、べっべっべ〜んべっべ〜ん、でけたでけたでけた。おー美味そーう。fire in the sky~

f:id:sigdesig:20200518222530j:plain

しばらくさましておいて煙臭さを飛ばす。

f:id:sigdesig:20200518223150j:plain

とりあえず試食してみよう、いただきまあす……うほほほ、ウマ〜イ。

f:id:sigdesig:20200518223313j:plain

ソーセージも……おう、いけるやん。コレはバーボンが欲しいぞう。バーボンないのかバーボン、バーボンを携えし者に余は一国を与えん。

f:id:sigdesig:20200518223653j:plain

試食のつもりがペロッと完食……今晩の酒のアテはどうすんだ。

ところかまわず燻製

なあに"どこにも出れん"は継続中だ。時間はたっぷりある。
……てなわけで再度、"Smoke in the 坪庭"第二弾。

f:id:sigdesig:20200518231007j:plain

今日も冷蔵庫を物色するジェリーマウス、するとチクワを発見!すかさず1本ちょろまかし、さらにゆで卵もちゃっかり用意する。

f:id:sigdesig:20200518224107j:plain

相変わらずの違和感。

日本庭園に紛れ込んだフロウシャといった趣きも否定しきれない。BGMは高田渡「生活の柄」の方があってるかも。蓋の汚れ防止アルミホイルはメンドくさいので省略。いいんだよ洗えば。草に埋もれて寝たのです、ところかまわず寝たのです〜

f:id:sigdesig:20200518224137j:plain

チクワだ!

f:id:sigdesig:20200518224355j:plain

タマゴだ!ソーセージだ!ナッツは焦げちまったゼ。Fire in the sky~

f:id:sigdesig:20200518224500j:plain

チーズは食べ易い大きさに切り、かさ上げと断熱用にブリキの小箱をかますという小技を繰り出す。

f:id:sigdesig:20200518224620j:plain

む、ややハードなスモークとなった。ガスバーナーではちょっと火力が強すぎるのかも。次はアルコールストーブでいいか。

スモーキン バーボン

f:id:sigdesig:20200518224746j:plain

調子に乗って作ったはいいがこんなに沢山食べきれない。夕食時に家人らにお裾分け。無理やり「おいしい」と言わせて悦に入る困った道楽オヤジ、というよくある家庭風景を展開してしまう。

ネット情報では「一晩おいた方が味が馴染んでよい」ということであったが、時間が経つと酸味が勝つような気もする。理屈はともあれ、やはりその場で食った方が旨い、外で食った方が旨い。自身の体に煙の匂いが移っていてキャンプで焚き火した気分になっているのも大きい。食べ物の「味」なんて気分が半分だと思っている。なんたらグルメだの星がいくつだのという世界はどうか知らないが……

f:id:sigdesig:20200518224952j:plain

そして当然こうなる。

旨い旨い自分で作ったもんはみな旨い。ガハハハ、大満足。 

にほんブログ村 その他趣味ブログへ
にほんブログ村


趣味・ホビーランキング

完成品画像 F4U-1a "コルセア" タミヤ1/72

F4Uコルセアは米海軍の艦上戦闘機として1940年5月に初飛行しました。ホーカー・タイフーン、鍾馗などが同時期に初飛行しています。

f:id:sigdesig:20200513104011j:plain
ダブルワスプエンジンの2000馬力のパワーを余す所なく発揮する直径4mもの巨大なプロペラと着艦時の衝撃に耐える短く頑丈な主脚という、相反する二つの要素を同時に満たす解決策として採用された逆ガル翼は、良くも悪くもコルセアの特徴となりました。

f:id:sigdesig:20200512140809j:plain
欧州の戦訓をもとに翼内タンクを廃止したため、巨大なガソリンタンクはエンジン後方にしか持って行き場がなく、結果として操縦席は後方に下がり着陸時の視界が悪化してしまうのでした。

f:id:sigdesig:20200513105222j:plain

逆ガル翼特有の大迎角の着艦時の失速特性の悪さもあいまって、艦上戦闘機失格の烙印を押されたコルセアは主に海兵隊に配備され陸上基地に展開されます。

f:id:sigdesig:20200512140334j:plain

このF4U-1aでは着艦性を少しでも改善する為、操縦席位置を上げ風防を大きく、さらに尾輪も伸長させるなどチャンスボード社も懸命の努力を払います。

f:id:sigdesig:20200512140119j:plain

この角度では操縦席はまったく見えません。カウリングはR-2800エンジンの直径ぎりぎりに絞り込まれ、オイルクーラー、過給器インテイクは主翼付け根に装備されるなど、空気抵抗減少が計られてることがわかります。

f:id:sigdesig:20200512141042j:plain

パネルはスポット溶接、外翼部分に羽布張りを多用するなど、コルセアは他の機体には見られない独創的な設計、構造をもちます。

f:id:sigdesig:20200512140623j:plain

垂直尾翼水平尾翼より前にあるレイアウトは日本の零戦鍾馗などとは逆となります。そのためか垂直尾翼の動翼部分が占める割合が異様に大きくなっています。

f:id:sigdesig:20200513104411j:plain

胴体下面の窓は爆撃照準用の名残です。試作時には外翼部分に空対空爆撃用の爆弾倉さえ持っていました。オイルクーラーやインタークーラーのアウトレットもあり、下面は実に抑揚に富んでいます。

f:id:sigdesig:20200512141006j:plain

その独創的な設計ゆえ、実際の戦場においての運用に苦労したコルセアは、改良を加えるたびにさらにグラマラスな肢体を持つようになっていきます。そこに本機の独特の魅力があると言えるでしょう。

 

----------------------製作記はこちらから-------------------

 

sigdesig.hatenablog.com

 

 

にほんブログ村 その他趣味ブログ 模型へ
にほんブログ村


模型・プラモデルランキング

 

PVアクセスランキング にほんブログ村

「無為自然の作」F4U-1コルセア-9

完成へ向けて

デカールが乾燥した頃あいを見計らって最後の微調整。(実際は数日置いている)

 f:id:sigdesig:20200511003030j:plain

全体のバランスを見ながら、彩度を整えたり、国籍マークの白部分にダークグレイで調子をつけてやったり。こういうことは往々にして蛇足となるので控えめに控えめに。

f:id:sigdesig:20200511003011j:plain

その後、全体にやや薄めたマットバーニッシュ+ペインティング・メディウムを大きめの平筆で縦横斜めに数回塗り重ねてツヤをコントロールする。これでデカールの違和感も抑えられる。それはエアブラシや缶スプレーでコーティングした方が塗膜が均一になって良いのだろうが、やはり筆目の粗さも「味」として残したいわけで……

f:id:sigdesig:20200511103638j:plain

 国籍マークもうまく羽布張りのモールドに馴染んでくれた。これはタミヤの質の高いデカールのお陰です。

f:id:sigdesig:20200511002907j:plain

いい感じの艶具合になった。この段階になればもうキャノピーのマスキングを剥がしても大丈夫。

f:id:sigdesig:20200511003057j:plain

……この瞬間がたまらん。

 

f:id:sigdesig:20200514105035j:plain
脚、その他をつける。排気汚れなどをパステルで軽く施して完成。

ガッシュ塗膜が弱いので完成してからのウォッシングやドライブラシはあまり使えない。逆に言えば後から褪色カラーを吹き付けたりドライブラシをしたりといった作為的な諸々とは無縁でいられる。自ずから実機通りの色の褪せ方、汚れ方の表現となる。

無為自然」とはこのことか。

Doing nothing,taking things as they are.
 

春風駘蕩

今回ほとんど製作工程がなく塗装だけなので気楽だった。なんだか他人の褌で相撲を取ってるような気もするが、あまり覚えていないだけで6年前に途中まで作ったのは確かに自分だ。後ろめたいことは何もない。

こうして昔に作りかけて途中で挫折してしまったキットを押入れから引っ張り出し、細かいことを言わずにちゃちゃっと完成させてやるのもいいものだ。

水性の筆塗りならば楽しい塗装工程だけで完成の達成感が味わえる

さらに「手をつけたまんまほったらかしにしてしまった」という罪の意識は雲と散り霧のように消える。

過去の挫折が徒労に終わらず、将来の自分への贈り物になるのだからこんな功徳はない。 

f:id:sigdesig:20200511105423j:plain

つまり、

作りたいキットをドンドン作ればいい嫌になったら途中でやめてもいい

という発想も成り立つ。

いずれまたそのキットを出してきて再び完成までもっていけばよいのである。その時には過去の己を挫折に至らしめた苦い思い、たとえば工作上のミスや瑣末な実機考証などは忘れ果てているかもしれないではないか。なにも歯を食いしばって嫌々プラモデルを作らねばならん、ということもないだろう。

f:id:sigdesig:20200514103337j:plain

それは「最新のキットにあらん限りの物量と時間と労力を投入し、超絶技巧を駆使して精密精緻モデルをものにする」という模型作りの王道からは外れる。それどころか当方の小汚い筆塗りの小っぽけなコルセアなど、「スケールモデルとして人にお見せする値打ちがあるのか?」と問われるやもしれぬ。

しかし自分が慈しんで育んだ作品には違いない。他者からの評価など殊更に求めなければそれでいい。

その執着から離れたあかつきには、幸福感、充足感に満ちた模型ライフが待っていよう。

今の自分のとても満ち足りた気分は、峠の茶屋で爺さんが春風の中、ただただ坐したまま煙草をふかしている、の仙境に近かろう。来た道の労苦も忘れ、行く道の難儀さに憂うこともない。

このナナニイお気楽ガッシュ筆塗りを進めていきたい。

  

にほんブログ村 その他趣味ブログ 模型へ
にほんブログ村


模型・プラモデルランキング

 

PVアクセスランキング にほんブログ村

「星のマークの簡単レシピ」F4U-1コルセア-8

実は国籍マークを書くにあたってまだ心が揺らいでいる。試しに機番のようにデカールコピーからテンプレートを作ってみたのだが……

f:id:sigdesig:20200511003534j:plain

意外と上手くできた。最初に薄手の塩ビ板と両面テープを裏打ちしておけば、キットの表面に貼り付けてガイドとして罫書きできそうだ。ならば国籍マーク手描きも不可能ではない。そのほうが「筆塗りだ!オール手描きだ!」と自慢できるではないか!ウヒヒ…

……コオロギよ、お前は今、うまく作って人から褒められよう、誰かを打ち負かそう、と思ったのではないかな。

…ギクッ

……コオロギよ、名声は泡のように消え、後には何も残さない。他者に打ち勝つ「力」を求めるよりも、己れ自身に打ち勝つ「強さ」を持つのだ…

…老師のお導きにより、当初の予定通り手描きデカール併用とする。

f:id:sigdesig:20200509180600j:plain

まずキットのデカールコピーにマスキングテープを貼り、国籍マーク全体を切りとる。

f:id:sigdesig:20200509180633j:plain

出来上がったテンプレートをマーキング位置を調整しつつキットに貼る。

f:id:sigdesig:20200509180659j:plain

シャーペンで型を写す。ヨレヨレですが…目安だからだいたいでいいのだ。

f:id:sigdesig:20200509180926j:plain

薄めのマジックリン水を含ませた綿棒で上面色を落とす。端はデカールでカバーするから、だいたいでいいのだ。
下地のタミヤアクリルはしっかり残っている。おう、おう、お前えさん滅法強えじゃねえか。

f:id:sigdesig:20200509181109j:plain

ガッシュのインシグニアホワイト(ミディアムグレー+白)を筆塗り。なんだか幼稚園児のお絵かきみたいだが、、

f:id:sigdesig:20200509181137j:plain

塗り重ねれば問題ない。最初に作った星のテンプレートを当てて確認。星の頂上が足りなかったので塗り足した。ま、だいたいでいいのだ。

f:id:sigdesig:20200509181352j:plain

なんとなく不安な仕上がりだが、、、だ、だいたいでいいのだ。

f:id:sigdesig:20200509181445j:plain

塗装前にケガいておいた機番も塗っていく。小学校1年生レベルだ。だ、だい、大丈夫か?

f:id:sigdesig:20200509181522j:plain

大丈夫大丈夫、はみ出しヨレヨレは想定内。直線に見えるように無心にタッチアップを重ねる。ガッシュの隠蔽力の強さ、塗膜の薄さに助けられる。

f:id:sigdesig:20200509181539j:plain

操縦席前のガソリンタンクシールもここで手描き。リベットやパネルラインが自然と浮き出てくれた。デカールを使ってはこの実感は得られない。

 さて国籍マークのデカールの白部分を切り抜く。

f:id:sigdesig:20200509182030j:plain

多少白部分が残っても後で切り取れるが、青部分はそうはいかない。カットしない様に気をつける。ここは、だいたいではよろしくない所。慎重に慎重に・・・

f:id:sigdesig:20200509182101j:plain

Oh No! Let's go!(プリンスのLet's go crazy の節で)青部分が切れた!、、ま、済んだ事は仕方あるまい。

f:id:sigdesig:20200509182155j:plain

最初に白部分を取ってしまうと形が崩れるのであとで剥がす、、、つもりがほとんど剥がれてこの後、台紙を抜いたら花形満に大リーグボール1号を打ち崩された直後、みたいなヘナヘナの星になってしまった。

f:id:sigdesig:20200509182242j:plain

ヘナヘナの星を爪楊枝や綿棒や伴宙太や明子姉ちゃんやらで立ち直らせて出来上がり。白部分は手描きの味が出せて、シャープに決めたい星や袖は無理せずデカールに頼る。これが手描き+デカールの簡単レシピ。

f:id:sigdesig:20200509182453j:plain 

海賊旗と撃墜マークはデカール。これらは筆で描くには小さ過ぎる。いずれにしてもオール手描きは今の自分には高過ぎるハードルだった…イツカ トライ シテヤル…

この後、デカールが完全乾燥するまでプリンスでも聴きながら待つ。

Oh no! let's go!


www.youtube.com

 

にほんブログ村 その他趣味ブログ 模型へ
にほんブログ村


模型・プラモデルランキング

 

PVアクセスランキング にほんブログ村